Jan

2017

07

「比較が大事だった!」モーショングラフィックスとインフォグラフィックスを整理して今後のAfter Effects制作に生かす

昨今、モーショングラフィックというと、シュンシュン動いたりふわっと消え去ったりの「なんかカッコイイ映像」的なイメージで、確かにそれはそれで好きなんですが、一回基本に立ち返えらないとネタ勝負の消耗戦になってしまう気がしたので、成り立ち等から整理してみることにしました。

結構長くなってしまいました(4,000字)。
時間のある時にでも。

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そもそもインフォグラフィックスとは

まず言葉の意味合いを調べてみます。

Wikipedia:インフォグラフィックより引用

インフォグラフィックは、情報、データ、知識を視覚的に表現したものである。インフォグラフィックスは情報を素早く簡単に表現したい場面で用いられ、標識、地図、報道、技術文書、教育などの形で使われている。また、計算機科学や数学、統計学においても、概念的情報を分かりやすく表現するツールとしてよく用いられる。科学的情報の可視化にも広く適用される。

なるほどと分かるような気がしますが、この表現だとピクトグラムと言われるwebのアイコン的なものや、細かい文字の説明もついたポスターなども、だいぶ含まれる感じで、イメージする「インフォグラフィックス+モーショングラフィックスの制作の指針」には広すぎかと。

今回イメージするのは、インフォグラフィックスから始まった表現手法が、モーショングラフィックスになった時に、引き継がれたものや引き継ぐべき概念を整理したいので、上記ではちょっと広すぎです。

インフォ・モーショングラフィックス

この記事の話をわかりやすくするために、インフォグラフィックスの概念と、デジタルでの動きが合わさって昇華した映像を「インフォ・モーショングラフィックス」と呼ぶことにします。
造語です、今、勝手に作りました。

主にAfter EffectsやApple Motionで作られる、企業の業績や、産業の移り変わりのデータなどを、図形やシンプルな絵のアニメーションで表現する映像とイメージしてもらえればと思います。

書籍:インフォグラフィックスができるまで

参考に本を見てみました。

インフォグラフィックスができるまで
-デザイナー73人のアイデアスケッチから完成まで-

デザイナーそれぞれの手法やラフ画、コメントなどを掲載している、大きく厚めの本です。

その中でお一人のコメントがしっくりきました。

「データを美しくインタラクティブな分析方法で視覚化するため、そして、単なるデータという概念を超え、使って面白いもの、創造的に考えさせてくれるものをつくるためです」

P34 Clint Beharryさん

・データを視覚化
・面白いもの
・創造的に考えさせてくれるもの

すでに結論な気がしますが、こちらを軸に話を展開してみます。

データを視覚化

「インフォ・モーショングラフィックス」でも、やはりココが基本かと。
棒グラフや円グラフなどを、事務的ではなく、見た目にも優しく、理解しやすく、考えやすく。

モーショングラフィックスだと奥行きの表現も容易なので、理解しやすさや、考えやすさにも広がりが生まれているのではと思います。

数値の比較

そもそもグラフは数値の比較ですので、「データの視覚化」とは「数値の比較の視覚化」とも言えるのかと。

エクセルに並んだ数字を比較するより、矩形の大きさや長さでパッと雰囲気を比較出来るのはとっつきやすいですしね。
視覚化されているから気がつくこともあるでしょうから、「インフォ・モーショングラフィックス」に当てはめると、数値の比較をもっと感覚的に面白みを持たせる、辺りになるのかと思います。

比較の説明

何かの比較と考えると、何の比較なのかの説明は必要かと。
「インフォ・モーショングラフィックス」だと、場面がどんどん変わっていくものが多いので、細かい字を読むのには適していません。
タイトルや、キャッチコピー、サブタイトルぐらいにあてはまるのではないかと思います。

これも視覚的な面白さを考えつつも、読みやすさは保つ必要があるので、タイポグラフィの表現が合っていると思われます。

「インフォ・モーショングラフィックス」に当てはめると、文字は説明ではなく全てタイポグラフィと考えていいのかなと思います。

デザインのフォーマットの比較

データの視覚化からは少し離れますが、場面がどんどん切り替わっていく「インフォ・モーショングラフィックス」として比較を捉えると、デザインフォーマットの比較も、遠くなかれデータの比較に繋がるのではないかと思います。

ずっと青がベースで続いていたデザインが赤ベースに変わったり、文字組の扱いが変わったりは、前後の場面のデザインの比較としてデータの比較になると思います。
例えば、青ベースは一昨年のデータ、赤ベースは去年のデータといった感じで、文字組みが変われば話題が変わったことを見せる、雑誌の特集記事のレイアウトが変わるようなイメージかとも思います。

イラストの表現手法

描写はピクトグラムに近いものかと思いますが、必ずしもシンプル過ぎる必要はなく、少しユーモアやデフォルメが見る人に優しいデータの視覚化になるのかと。

前述の本の引用にあるように「面白いもの、創造的に考えさせてくれるもの」を軸に、基準とすべきところを考えてみます。

イラストも比較

そもそもイラストは「インフォ・モーショングラフィックス」の中では、視覚化したデータの説明・補足として絵が描かれるものかと思います。

ですので、その最低限の説明・補足を満たしつつ、データの比較となっている部分を、どれだけユーモアをつけられるのかが「面白さ」につながるのではと思います。

例えば、年齢の比較のイラストをつくるとした場合、表情や性格、個人の嗜好などは、データの比較としては邪魔になるので、無くすべき要素です。

ではどこで表すかと考えると、頭身などはわかりやすい例かと。
子供は二頭身、青年を四頭身、老人を腰を斜めにして三頭身の高さに描くなどでしょうか。
そしてこういった所に、ユーモアやデフォルメでどれだけ比較の表現をできるのかになるのかと思います。

引き算のデザインで削いで削いだシンプルデザインのあと、一つだけ足すようなイメージなのかとも。
この辺は、クリエイティブな領域なので意見も別れるかと思いますが、こと「インフォ・モーショングラフィックス」とした場合、デザインの根底に比較が必要なことは間違いないのではと思います。

時間流れの詳細な表現が可能なモーショングラフィックス

ここまで考えてきて、インフォグラフィックスは「比較」の要素がかなり大事なのがわかりました。
その「比較」の表現を広げられるものとして、モーショングラフィックスでは「時間」の概念がとても便利なのかと考えました。

インフォグラフィックスもページ単位にすれば時間の流れも考えれるでしょうが、かなり大雑把です。

その点でモーショングラフィックスだと、小さなオブジェクト単位で、大きさ、長さ、距離、量などを変化する時間を伴って比較ができます。
データの視覚化を時間軸の動きの要素をプラスして、さらに面白みや、創造的に考えさせてくれるものにしてくれます。
これはかなりの価値として、言ってしまえば「退屈なデータのプレゼン」を変えてくれるものかと。

時間を伴うことで広がる表現

また、イラストも時間と相性がいいです。
シンプルな人間のイラストが出てくるだけでも、歩いてきたり、立ち上がったりのアニメーションがつくのと、一枚絵が出てくるのとでは、面白みや興味を引く度合いも全然違うのではと思います。

とはいえ、ここが少し落とし穴な気がします。

アニメーションが目的にすり替わる

有機的に絵や文字が動くのは、見てて楽しいですが、見終わったあと何も残らないモーショングラフィックスがたまにあります。

「おーカッコイイ!」
「で、なんの映像だったの?」

といった感想が残るようなモーショングラフィックスです。

こうなってしまう一番の原因は、適切な比較がされなかったから、もしくは、比較の表現がありきたりで、面白さや創造的に考えさせてくれるものが薄かったのだと思います。

単なる企業紹介であっても、インフォグラフィックスからモーショングラフィックスへ発展してきた表現の特性である、比較の表現を生かさないと「インフォ・モーショングラフィックス」の良さは生まれないのではと思います。

まとめ

なので、「インフォ・モーショングラフィックス」を動きの企画と捉えてしまうと、仕上がりが迷走することがあり得るのではと。
実際、自分が制作した案件も思い当たるところがあります、けっこう。

前半の引用と混ぜてまとめると、

「インフォ・モーショングラフィックス」とは

・データを視覚化
・比較を表現する手法
・時間の表現が幅広い
・面白いもの、創造的に考えさせてくれるもの

こんな感じでしょうか。
この辺で終わります。

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最後に

ここのところモヤモヤしていた、モーション制作のあり方が少しまとまりました。
書くのに5、6時間かかりましたが、ホリエモンが言うようにインプットとアウトプットの大事さを痛感します。

アウトプットすることで考えが一旦まとまりますよね。
これがゴールではなく、一旦まとめたことでさらに活性化が早い気がします。

話の題材にさせていただいたこちらの本、手書きの絵から仕上げていく過程などで結構参考になるいい本です。

ちょっとかさばる大きさですが。


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