2018 / 02 / 18

Digital Camera

ぐるぐるボケだけじゃないzeiss Biotar 58mmの繊細と豪快さを街歩きで再確認 in 飯田橋 神楽坂

二度目の街撮りとなるBiotar 58mm。以前試した時はヘリオスとの比較が軸で、さらに無限遠が出ないカメラとの組み合わせだったため、もうひとつ撮りきってない印象が残っていました。

レンズとメーカー紹介

Carl Zeiss Jena / Biotar 58mm F2.0 M42

ぐるぐるボケで有名なHeliosは、今回のBiotarの分家のような感じでスペックも描写も似ています。
とは言え、何十年も経った今ではそれぞれに良さや特徴がありそれぞれに楽しめるいいレンズと思います。

今回のBiotar

また今回のBiotarは一年ぐらい前に試したBiotarの次のモデルになるようで、後ろのレンズ付近の出っ張りがなくなっているので、Cannon EFマウント等の一眼レフカメラでも問題なく無限遠がでました。

前回のBiotar 58mm

後ろのレンズ付近になにかポコっとついているのがわかります。
これが一眼レフや、ミラーレス一眼でもマウントによってぶつかってしまう場合があるので注意が必要です。
この点でBiotarはちょっと初心者向けではないかもです。

かくいう中山も以前の記事にコメントを頂いてこの出っ張りの存在を学びました。

本日のアジェンダ

・Biotar 58mmの良さを再確認
・ギンレイホールに行きながら飯田橋を歩く

ボケ味、フレーム周辺の描写、色味


豪快にボケます。
それでもピント面は、オールドレンズの中ではかなりはっきり見えるほうかと。
若干ぐるぐるボケが見えますが、溶け方がロシアンレンズとは違う印象かとも。


近距離のフレームは割とシンプルに、前後のボケが綺麗に出ているかと。
どことなく同じ年代のMeyerと似てる雰囲気です。


カラスがやってこないか心配になる定食。
ふわっとするボケと対照的なピント面のバランスがちょっと見かけない描写です。
オールドレンズばっかり触っていて細かいところを気になり過ぎとも思いますが、ピント面から周辺のボケまでの急激な変わり方が面白いです。


わかりやすい前ボケを入れ込んで遠景を撮るとピント面からボケまでの急激な変わり用がわかりすいのではと。
手前が回っているような中のレンズが逆さにつけてしまった時のような歪み出てるような感じです。
もしかして本当にニコイチで描写性能が混ざったレンズかもしれませんがこれはこれで面白いです。


映画っぽい!
ノーフィルター、ノー調整ですので、この味は完全にレンズの味かと。これはいつか映画っぽい撮り方でポートレートを試してみたいかもです。


すっきりとしたハレーションという言い方があってるかわかりませんが、この逆光状態でも、色乗りが良く、ボケの段階とピント面の浮き上がり方のバランスがとてもいいのではと。


この距離感でも画像周辺のボケがいい味です。
中心に行くに連れて急激にシャープ感が上がって、真ん中付近は何事もなかったように素直に写っているのが面白いのではと。


以前試したBiotarよりも状態がいいのかもしれません。
簡易的な清掃はしましたが、以前のBiotarよりだいぶ撮りやすい気がします。

いいレンズです。

ピント面の解像度、絞った際のシャープさ、収差


キレのあるピント面は金属ものに生えます。
日差しの反射がちょうどいい角度で入って、いい感じに回っている場所でした。


ハレーション気味でも、ピント面は持ちこたえているようで、他のオールドに比べて対象物を引っ張りあげやすい感じがします。


固そうなものもシャープに出て撮りやすいかと。
自転車のカゴはぼやけた影ですが、地面のシャープさが存在感を持ち上げてくれているのでは。

Biotarなかなかツワモノです。


総武線の黄色がレンズとよく馴染みます。
とはいえ距離があると少しハレーションとの兼ね合いは難しいかもです。
もっと絞ればとの考えももちろんありますが、絞り開き目のノスタルジー感が楽しいとも言えますので。


これまた金属のシャープさが素晴らしい。
また、隙間から見える遠景に距離感があるおかげでボケとの対比がいい味わいになっているかと。


いい空の青さと、空気の透明感に助けられ、F16まで絞れました。
まるで夏のような味わい。


締めはやはり金属で。
傾きを気をつけて、多少ビシッと撮ったほうが雰囲気が出るのかもしれません。
存在感が上がって撮りやすいかと。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

Carl Zeiss Jena / Biotar 58mm F2.0 M42

最短撮影距離60cm M42マウント レンズ構成4群6枚

冒頭にも書いたようにカメラに干渉する出っ張りがあるので、購入の際は多少知識がないと難しいかもしれません。

二個並べると下部のカバーの分大きく見えて違いがよくわかるのですが、個別に見ると結構分かりづらいです。
やはり初心者にはオススメしづらいレンズかと。

購入に際して

eBayだと送料を入れると15,000〜40,000円ぐらいでしょうか。ヤフオクだと20,000〜30,000円ぐらいかと。
比較的古いレンズなので安いものは状態に気をつけたほうがいいと思います。
この年代のレンズでありがちなのは、レンズ汚れは当然としてヘリコイドが凍りついたように動かないこととかがありますので、簡素な説明の出品レンズなどはかなり注意した方がいいと思います。

また、まだ手にしたことはないのですが、小ぶりな1950年代付近の初期バージョンもあって、それはいい状態で手に入れるのは少し値が張るようです。

自身でリペアしたレンズをヤフオク!に出品しています


現在14品の出品中です » 出品者のオークション一覧

リペア・調整したレンズのみ販売しております。購入をお考えの方いらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願い致します。


マウントについて

今回使用したのはSONY α7でしたので、M42 → SONY E(NEX)マウントで、

 

を使っています。
その他のカメラメーカーで使えるマウント一覧や留意点を記事にして解説していますので、マウントで疑問点等ある方いらっしゃいましたらぜひご覧ください。

向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして

実はこの記事の少し前にポートレートでこのBiotar 58mmを試していて、思いの外良かったのでこの街撮り記事があります。
そちらの記事はこれから書きます。何本かの50mmのオールドレンズのポートレートを撮る企画です!

歩いた辺り

『飯田橋、神楽坂』街撮りオススメ度★★★★☆=4


今回やって来たのは飯田橋。


目的はこちらの単館上映の映画でした。
折角なのでその前に街歩きをする目論見です。


以前にも少し歩いた神楽坂付近もちょっと散策。


料亭街のような、ランチでもいい値段のエリアですが、イメージ通りの神楽坂を散策するのは中々上等な気分がして面白いです。


飯田橋の交差点にかかる大きな陸橋を渡りJR飯田橋方面へ。


陸橋から各方面を見渡せるのが面白いのどかな陸橋です。


冒頭の写真はJRの陸橋下から歩道橋方面への写真です。
天気が良くて明るいところと影の部分のコントラストがうまく出たかと。


スーツの方が多く歩いていて忙しい雰囲気もありますが、まだところどころ古い建物が残ってゆっくりとした時間も感じられていいエリアでした。

撮影カメラ情報

SONY α7

Raw現像

現像はAdobe BridgeCC2017で、レンズの特性を写真に残したいのでコントラストや彩度等、一切いじらず、ノー調整、ノーフィルターです。
たまに露光量で明るさを揃える程度に留めています。

カメラの設定

絞りは、F2.0〜F5.4ぐらいがほとんどです。一枚だけF16を試しています。
シャッター速度は天気が良かったのでほぼ1/1000で、ISOで暗さが間に合わない時は絞りも使って露出調整しています。
ホワイトバランスは「晴れ」です。

補足

少し前ですが、主にグルグルボケを軸に撮った記録もあります
→ 『Biotar 58mmシルバー鏡筒のぐるぐるボケとキレのあるピント面。Heliosの親玉を検証

Digital Camera

 

“ぐるぐるボケだけじゃないzeiss Biotar 58mmの繊細と豪快さを街歩きで再確認 in 飯田橋 神楽坂” のコメント

  1. AKA より:

    こんにちわ。ヘリオスの元になったレンズですよね?
    似たような描写なのかと思い込んでましたが、撮った写真が全然別物に見えます・・・
    見比べるとヘリオスは少々雑なボケというか、おおらかというか・・・
    こちらの方がすっきりしているように感じました。

    鉄骨の画、いいですね。照り返しのある金属の質感がぐっときます。
    暗部と明るい奥の両方きちんと描けていて、ヘリオスではここまで描き分けられないんじゃないかと思いました

  2. Hidekatsu より:

    おはようございます。
    はい、おそらくこの先祖がHeliosのモデルのようです。

    感覚ですが、ボケの飽和の到達点は一緒なんですが、Biotarのほうがピント面がシャープなため、端のボケまでの変化を強く感じるんではと思います

    ありがとうございます!
    リアルな感じをフィルムっぽく撮るのに向いてるような気がしてます。
    逆に思い出の中のワンシーンみたいな描写はヘリオスがいいのかと。

    本文にも少し書きましたが、次の投稿はこのBiotarとHelios44-2、星ボケIndustarなど50mm付近のレンズでのポートレートをを試していますので、ちょうど上記の違いが見て取れるかと思います!


 

 

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