2016 / 05 / 06

Digital Camera

絵画的描写のクルタゴンとレトロ感の演出を試みる Schneider Curtagon 28mm F4.0 Zebra M42

DSC04967_160505_Curtagon28mm

レンズとメーカー紹介

Schneider Kreuznach, Curtagon 28mm/F4.0 20cm M42 1962年

一つ前の記事で書いた、ドイツの老舗一流メーカーSchneiderのCurtagon 28mm版で、時期も同時期1962年ぐらい。外見も同じくオールドらしいZebra柄で、レンズファンに見せたい一品です。まだファンに会ったことはないですが笑。

本日のアジェンダ

・レンズの清掃をした本レンズCurtagon28mmを本格的に撮ってみる。
・ホワイトバランスをautoをやめて、その日の天気、その場のイメージに合わせることをやってみる。本日はレトロ感の演出をメインイメージ。
・海外の写真のようにぐっと絞ることを試して、開放との違いを見る。

線の太さ、シャープ

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Curtagonの35mmに比べ線はあっさりしている感じでしょうか。

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7mmの差ですが、広角レンズだとこの差はフレーム作りにだいぶ違いが出て、結果的に写りも差が出るということでしょうか。とても同じ名前のレンズとは思えません。

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ただ、こちらの28mmも階調の表現が絵画的になるようで、なんとなく印象派の絵っぽい感じは似ているかと。

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天気が良かったのもあると思いますが、日が当たるところでは線が太めで色味強め、コントラストが上がるとやはり35mmと同じような暗部になるようです。

ボケ味

F4.0ですので、あまりボケに期待するレンズではないと思いますが、最短撮影距離20cmですので被写体にぐっとよればそれなりにはボケます。

開放F4.0。ちょっとホワイトバランスが高いかも
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画角が広い分、情景がわかりやすくなるので、狭い道幅や狭い場所でも取り回しが利きやすいとは思います。

それから開放F4.0だと周辺光量が結構落ちるので、場合によっては邪魔になる影ですが、真ん中の被写体に注目を集めるような撮り方がしやすいかとも。

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ボケは素直に溶けるようなボケかと思いますが、これぐらいまで寄ると、少しグルグルボケとなるようです。

DSC05037_160505_Curtagon28mm

今回はマクロヘリコイドをつけてなかったので、ここまでしか寄れませんでしたが、マクロならこういう小さい被写体で面白い味が出せるかもしれません。

色味、フレア、ゴースト

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フレアとボケが相まると絵画っぽさがまたおいしいです。色味が食いさがる感じは35mmCurtagonとそっくりですね。

DSC04975_160505_Curtagon28mm
個人的には、フレアやゴーストは写真につける一味として好きなほうなので絵が破綻しないギリギリまで使いやすいレンズは好みです。
こちら、奥はかなり明るいのでハイライトはもっと飛んでしまっているかと思いました、この辺の粘り強さもいいですね。

DSC05053_160505_Curtagon28mm

飛んでしまうレンズもまたレトロ感が出ていいですが、ハイライトが残って色を感じるのも絵画調に一役買ってるのでしょうか。

本文中に出てくる何度か出てくる以前の記事Curtagon35mmはこちらです。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

マウントはM42、最短撮影距離は20cm。
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今回はヤフオクで評価100%の業者の方。
外観状態:B、レンズ状態:C「中玉にバルサム切れのようなクモリあり」で、実際はもっと細く状態を記載してくれていて、届いた品もその通りでした。

撮ってみるとやはりそのクモリのせいか少し白がかっている気がしたので、できる範囲清掃してみました。
中玉のクモリは見るからにバルサム切れっぽかったですが、拭いてみたらあっさり取れてラッキーな感じです。資料に写真を残すべきでした。
eBayでもM42マウントは結構する品だと思うので結果的にお得に購入できたかと思います。

余談

ここのところレンズの分解・清掃も始めまして、光学部分と絞り部分が別になる作りのものは積極的にレンズを清掃しています。以前別のレンズでオーバーホールに出してみたところ、やはりレンズがクリーンだと写りが目に見えてクリーンなることが分かったので、少しづつの挑戦で、なんとか最近成果が見えてきた感じです。

絞りが動かないSonnarジャンクを買ったんですが直せず。断念
IMG_0463

とはいえ分解したレンズはだいぶ傷が増えてますが、、、
古くてスクリュー部分が固いものが多く、まだ未熟でカニ目の部分が滑ってしまうのです。

また、絞りの付近はホント大変で出来れば触りたくないです。レンズごとに全く仕組みが違って、微妙で巧妙な作りはとても美しいのですが、図工も技術も並程度の成績だった自分にはなかなか大変な作業です。

上手く撮れたと思う写真の振り返り、分析

こちら完全に周りは吹き飛んでますが、自分の影の部分と相まって面白い絵ではと。

こちらはF22まで絞ってます。
DSC04971_160505_Curtagon28mm

花の前を通り過ぎた時、自分の影が綺麗に出た気がしたので、絞りやシャッター速度いろいろ試しながら何枚か撮ってみました。

本日は広角レンズの絞りF22の絵を試してみたかったのもあるので、普段はシャッター速度1/100を標準にしていますが、この絵では1/50、絞りF22、ISO1000まで上げてます。
使っているSONY α7Ⅱは手振れ補正が付いてるので風がなければシャッター速度1/25ぐらいはいけるかもしれません。

こちらは開放F4.0、ISO50、シャッター速度は/400ぐらいだったと思います。
DSC04972_160505_Curtagon28mm

ページ最上部の写真とも比べて影の部分の中の花びらのハイライトの出方の違いも面白いです。

ページ最上部の写真
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また、今回はホワイトバランスの練習と、レトロ感を試す意味で、ホワイトバランスは固定で6500k、もしくは6000kとちょっと高めで撮ってます。

少し足りない写真の反省、分析

こちら、ミラーに何か写してギミックに出来れば良かったのかとも思いますが、いい被写体を見つけられませんでした。

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古いスクータのようで、速度などの文字がレトロなフォントでいい味でピントはそこなんですが、それも広角だと意味をなさなかったみたいです。
一点だけフィーチャーなら50mmぐらい行くべきなのかとも。

向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして

味のある壁と被写体は撮りやすかったです。

DSC05027_160505_Curtagon28mm

28mmと広角な分近くても広い感じに撮れるし、

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後ろに下がらないでも結構大丈夫なので、小道等でも使い勝手が良さそうです。

撮影情報

カメラはSONY α7R、画質はraw非圧縮、現像ソフトはPhotoshopCS6で写真によっては多少「露光量」「白レベル」を調整してますが、そのままの撮って出しも多いです。

今回は絞りはF4.0、F8、F11、F16、F22といろいろバリエーションを試してます。
シャッター速度は絞った時は1/50に、ISOが1000を超えないようだったら、1/100に近づけていく感じで撮りました。

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ホワイトバランスはレトロ感がレンズにも合うかなと6500kがほとんどで、日が落ちてきたら6000kにしました。

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“絵画的描写のクルタゴンとレトロ感の演出を試みる Schneider Curtagon 28mm F4.0 Zebra M42” のコメント

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