Aug

2016

10

単焦点オールドレンズの良さをポートレートでJupiter-9、Xenon、Pentacon Electric

フィルム的な質感をPhotoshop等の加工で施すことが一般的になり、自分自身もその道を進んできた口ですが、オールドレンズに出会って撮影時に質感の表現に拘ることの楽しさを覚えて、さらにカメラライフが楽しくなりました。そのオールドレンズの味をポートレート撮影にも生かします。

三本の単焦点オールドレンズを使ってポートレートの表現に挑戦!

多少歪むボケはビンテージ感が出て被写体を浮きあげてくれる要素がありますし、それでいてピント面に柔らかさがある筐体はポートレート撮影にいい味を加えてくれると思います。

もの凄く私的な意見ですが、昨今の現代レンズは、そつがなく全体が綺麗すぎでどこか撮影時の面白みに欠けるところを感じます。
なんというかデザイン等の制作関連でも同じ感じするのですが、アンバランスをバランスに持って行く時に味が生まれるのではと。

レンズ紹介

Schneider Kreuznach Xenon 50mm F1.9 1966年製

色乗りの良さとハッキリとした描写力、Leicaにレンズを供給した歴史もあるシュナイダーのXenon。印象派の絵画のようなイメージを感じます。
↓ Xenonの写真へ

KMZ Jupiter-9 85mm F2.0 1975年製

描写とボケ味がとても柔らかいうえに、画角としてもポートレートに最適な85mmのロシアンレンズJupiter-9。一家に一個あっていい単焦点ではと。
↓ jupiter-9の写真へ

PENTACON electric 135mm F2.8 約1980年製

ボケモンスターOrester135mmの血を受け継いで深いボケを持つPENTACON Electric。あまり有名ではありませんが、ポートレートに使いやすい中望遠レンズと思います。
↓ PENTACON electricの写真へ

ロシアンレンズ Jupiter-9


安定のJupiter-9。
ボケは柔らかく、F2.0〜から使えるボケ幅は距離に応じて写真の表情が多彩につけやすいです。


日陰でのロシアンレンズでの発色って特徴的な気がします。
オートにしておくと大概、青に倒れやすいですが、それでも色味はちょうどいいというか、記憶の色が少し彩度が上がった感じでなんとも淡くて優しい。


なんとも綺麗な段階を見せてくれるボケです。
不安定であろうこの構図にバランスを保たせているのはJupiter-9のボケの力が大きいと思います。


距離が出るとロシアンホワイト的な白がかりもあり、ピンが淡くなりがちですが、またそれがフィルムっぽい質感を見せてくれるのでは。


胸上、奥へ続く道、柔らかいボケ。
このレンズで一番撮りやすい構図、距離感、ヌケじゃないでしょうか。


よく見るとボケは、玉ボケになる前に溶けてしまってる感じです。
もう少し絞ると形が出るんでしょうか。それも撮影のひと要素でできるかも。


日陰での撮影ですが、柔らかい光がJupiter-9のロシアンレンズ特性ととても合っていると思います。


今度は反対にJupiter9で飛ばし気味に撮ってます。
というより日陰と同じISOで撮ったら飛んでしまったんですが、いい感じだったのでそのまま何枚か撮りました。


レンズには解像度の評価がありますが、Jupiter-9の解像度は何かものすごいポートレートにちょうどいい値なのかと。
これだけ飛んでいるのに髪のディティールがうまく収まっているのがありがたい感じです。


太陽を左後ろに変えて逆光気味に髪に日差しをあてました。
本来なフードが必要かと思いますが、ロシアンレンズを始めとし50-80年代初頭のレンズは、ハレーションがいい味になるレンズが多いのではと。


電柱や柵などの、フレーム内を区切る線を適度に感じさせつつボケてくれるこのちょうど良さ。


扉写真に使ったこのシリーズは、写真の質感や光、踏切周辺の煩雑な線を上手くJupiter-9が調和させてくれてるかと。

Schneider Xenon 50mm

標準画角のシュナイダー クセノンに変え少し趣を変えてみます。


ぐっと色乗りが上がりました。
厚めに色がのり、コントラストもボケも油絵のように強い色味になるシュナイダーらしいレンズかと。


今時Photoshopなどで彩度は簡単に上がりますが、デジタルカメラでプレビューしながら撮ったばかりの状況を確認できるのは、オールドレンズの特性と、自分で決めた構図の何を大事に撮るかをチョイスできる楽しさの広がりが持てるのではと。


50mmなら近距離でも身体をフレームに入れやすので、85mmのJuipiter-9とはまた趣が変わって面白いです。


ちなみに50mmだと最短距離は近いものが多いですが、寄り過ぎはレンズの歪曲が気になるので、寄って顔を淵へ持って行くのは厳しいかと思います。

余談ですが、最近のテレビ映像はその歪みを狙った映像も見かける気が。以前流行った、魚眼レンズでの動物の丸く歪んだ顔の写真集のイメージです。

再度ロシアンレンズ Jupiter-9

そんな訳でもう少し寄ってみたくJupiter-9に戻しました。

Xenonと違って一気に柔らかくなりました。
あいや、ぜんぜんXenonも大好きです。ですがやはり人物だと寄ってみたくなりJupiter-9が楽しいです。


こちら、カカオ100%のチョコを試したら、かなり苦かった表情です。

Pentacon Electric 135mm

このレンズは所有の単焦点オールドレンズの中でもちょっと異質です。


もともとオールドレンズを始めた初期に何かのレンズとセットで安かったので購入したのですが、思いのほかよく写って、数多く手放した中で残った少ないレンズのひとつなのです。


Heliosに近い描写に感じますが、全くロシアンレンズの血筋ではなく、ピント面はもう少しシャープでボケは硬めな印象です。


この遠景の人物の雰囲気とか最高です。
どことなくPhotoshopのフィルター加工のようにも見えますが、当然撮ったままの写真です。


またかなりフレアを起こして、ハレーションが出やすいですが、この写真への色付けがまた好みです。


いいと思うんです、光学的に最良の状態でなくても。
そもそも作品撮りとかなら、照明を作ったりスモーク焚いて特殊効果をつけたりすることとあまり変わらない気がします。


撮る瞬間にカメラマンの瞬間の判断で、光の演出をできるって楽しいと思うんです。
そこが色々選べるのがオールドレンズの楽しさかとも。


そんな訳で、撮影に使える要素をいっぱい持っていつつキチンとピント面の表現も持っているPentacon electric 135mm。
値段も手頃。かなり面白いレンズです。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

今回の撮影は、全てM42マウントのレンズで揃えて、レンズを変える時にマウントも変えずに済むようにチョイスしました。
できればレンズ交換は少ないほうが撮影がスムーズなので、レンズをいくつも試したくてもマウントを揃えたほうがいいかと。
特にポートレートだと、待たせてモデルさんのテンションを下げるようなことは避けたいと考えますので。

Schneider Kreuznach Xenon 50mm F1.9 1966年製


最短撮影距離50cm
購入経路 eBay
一時はツァイスと争ったこともあると言われるシュナイダー。
出回っているレンズの種類はそれほどないようですが、今回のXenonを始め、Curtagon、Xenarなどは比較的入手しやすく、二万ぐらいで比較的安定して購入できる気がします。

ですが、曇りや、絞りの不備は気をつけたほうがよさそうです。
Zeissのレンズなどによく聞かれる、バルサム切れによる曇りは、ほぼ修復は無理なようなので「曇り」「Haze」の表記には気をつけたほうがいいと思います。
また、レンズの作りが芸術的に複雑なバージョンも多くリペアが難しいようです。実際ウチにあるクルタゴン35mmも完全な状態では戻って来ず、自分で調整出来ないかといじっていたら、色々戻らなくなり解放のみのレンズになってしまって、放置になってしまっています。レンズとしてはとても好きなんですが、、、

Xenonの街撮り記事がこちらにあります。
分厚い色味と優しい線の絵画的表現力 Schneider Xenon 50mm F1.9 M42

KMZ Jupiter-9 85mm F2.0 1975年製


最短撮影距離115cm
購入経路 eBay
オールドでポートレートなら絶対最初にオススメのJupiter-9。
写りと比較したら手頃で日本での品数も多く、ヘリオスと並んでマニュアル単焦点レンズとしても超オススメかと。
ロシアンレンズに共通して気をつけたほうがいい点として、極寒の地でもレンズが耐えられるようピントのヘリコイドに大量のグリスが塗られた影響で、何十年もたちピント・ヘリコイドが重くなったりに、絞りの羽に染み出して絞りが動きづらいものがあるようです。
Jupiter-9の街撮り記事がこちらにあります。
繊細なピント面 被写体を優しく浮き上げるボケ Jupiter-9 85mm F2.0 M42

「ヤフオク!」にリペアしたレンズを出品しています

手前味噌ですいませんが、リペアしたレンズの販売を行ってます。

豪快なボケのヘリオス【分解清掃済み・撮影チェック済み】 Helios 44-2 2/58 M42 マウントアダプタ付き!各社カメラ用あります-81h

豪快なボケのヘリオス Helios 44-2 58mm F2.0

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オークション¥14,800〜

星ボケのインダスター【分解清掃済み・撮影チェック済み】 Industar-61 L/Z 2.8/50mm M42 各社カメラ用マウントアダプタ選べます_35i

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ポートレートに最適のジュピター9【分解清掃・撮影チェック済み】 Jupiter-9 2.0/85 M42 マウントアダプタ付き!各社カメラ用あります-7j

柔らかなポートレート用 Jupiter-9 85mm F2.0

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オークション¥29,800〜

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豪快なボケのヘリオス Helios 44-2 58mm F2.0

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メイヤーの準広角【分解清掃済み・撮影チェック済み】Primagon F4.5/35mm M42マウントアダプタ付き!各社カメラ用あります-g

Primagon F4.5 35mm M42/ Meyer-Optik

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豪快なボケのヘリオス Helios 44-2 58mm F2.0

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オークション¥10,500〜

現在8品の出品です » 出品者のオークション一覧

多少高めの値段設定ですが、きちんとリペア・調整したレンズのみ販売しております。購入をお考えの方いらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願いいたします。

PENTACON electric 135mm F2.8 約1980年製


最短撮影距離170cm
購入経路 ヤフオク

オールドとしては少し半端な位置にあるかと思うこのレンズは、手頃ですがなかなかオススメは難しいかもです。
中山はとても好きなんですが、レンズにも知名度がないですし、メーカーの立ち位置も微妙です。
正直こちらを買うならカールツァイスのSonnar135mmを進めてしまうかも。まだ記事は書いてないんですが評判通り使いやすいレンズです。

このレンズ系統で、ボケモンスターと呼ばれる兄貴分がMeyer OpitikのOrestor135mmと思われ(ほぼ間違いなく)ます。
そちらもいつか試してみたいです。

Pentacon Electric 135mmの街撮り記事がこちらにあります。
手頃にボケモンスターの味わいを なんだかよく写る PENTACON electric 135mm F2.8 M42

撮影情報

カメラはSONY α7Ⅱで、画質はraw非圧縮。

BL6A1471

現像ソフトはPhotoshopCS6 rawで、今回は多少「露光量」と「彩度」等、人物を軸に調整をしています。
それでもレンズの特性が前に出るよう大きな調整していません。


“単焦点オールドレンズの良さをポートレートでJupiter-9、Xenon、Pentacon Electric” のコメント

  1. はら より:

    はじめまして。1年位前からオールドレンズにはまっている者です。
    自分で撮るのはもちろん、オールドレンズで皆さんどんな写真を撮っているのか見るのも好きで、いろいろ検索していくうちにここにたどり着きました。

    私も持っていますが、jupiter-9、やっぱりいいですね。再認識しました。
    誇張しない色写りが好きです。なんか、生活感が出る感じなんでしょうか。

    ポートレート、どれも素敵ですね。モデルさんの魅力が最大限引き出されてる感じです。
    それもカメラマンの腕なんでしょうね。

    自分もいつかそんな写真が撮りたいです。

    • Hidekatsu より:

      はらさん
      ご感想ありがとうございます!
      写真家冥利に尽きます!

      「生活感」いい形容ですね。
      確かに生活感を写真に収めやすいレンズなのかと。
      どちらかのサイトの説明で見かけましたが、音楽に例えるとオールドレンズはレコードのようで、現代レンズはCDのような感じですよね。
      そのレコードに感じる生演奏っぽさは、オールドレンズの生活感と言い換えることもできそうです。

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ヤフオク!への出品始めました

今週のIndustarは3本 出品しました!