06 Feb 2018神無月

星ボケが出ないIndustar 61 L/Zの見分け方【オールドレンズ備忘録】

1970年頃の製造のIndustar 61は絞りの形が星にならず、特徴とされている星型ボケが出ないモデルがあります。購入検討中のIndustar 61に星型に絞った写真がない場合など参考にしてもらえたらと。

簡単にレンズ紹介

M42 LZOS Industar-61 L/Z 50mm F2.8

同じ時代のロシアンレンズに比べ、シャープにキリッと写るIndustar 61 L/Z。


何より星型のボケが出ることが面白さでもあり比較的人気のあるオールドレンズです。

しかしその星ボケが出ない時期のモデルがあります!!
問題です。

星型にならない絞り

F4あたりでほんの少し星っぽくなるんですが、ちょっと歪んだ六角程度かと。
このまま絞っていくと普通の六角になります。

その数、約60本の内3本で、20分の1本(中山のリペア済み販売と、リペア未の合計)。
自分自身ちょっと対策が必要だなと思いました。

 

※レンズの描写や詳細、購入参考などについては記事が二つありますのでそちらを見ていただけたらと。
→ 『ダビデ型の六角星ボケとシャープな描写 Industar-61 L/Z 50mm F2.8 in 高円寺
→ 『星ボケとシャープな描写のIndustar-61 L/Z 50mm F2.8 – ヤフオク出品レンズ写真館

主な見分け方

大まかには80年代以降のものならほぼ大丈夫で、そうでない場合の主な見分け方は三つです。

・1970年代前半のレンズ
・レンズ名がキリル文字
・無限遠手前の指標が10m
・指標の文字の間隔が離れている

一見した外観ではほぼわからなく、販売業者がキチンとした説明や絞りの形の写真を載せていれば問題ないのですが、販売業者が意図して隠している場合もあり得ます。

またロシアのレンズは摩訶不思議で、同じ工場のマーク、同じ年代でも何故か少し作りが違ったりする事もあるので、あくまで参考としてください。

大まかにIndustar 61 L/Zの世代感

まず今回の話の軸になる大まかな世代感です。
1. 1970〜1975(1970年代前半。60年後半もあるらしい)
2. 1975〜1979(1970年代後半)
3. 1980〜1999(1980年代以降。2000年代もあるらしい)
パッと見はどれも同じなのですが、細かな違いがあります。

以下、上記の年代をベースに説明しています。
世代と判断要素が入り乱れてわかりづらいかもしれませんが、ロシアンレンズの入り乱れるバージョンの特徴として慣れるしかないところかと。

1970年代前半あたりの製造は怪しい

シリアルから年代を確認する


ロシアレンズはシリアルナンバーの頭2つの数字が製造年度の西暦なので上記は1971年製。

実際、現在ウチにある行き場を失った星にならない3本のIndustar 61は、
70年製
71年製
72年製

なんですが!
ややこしいことにこの年代でも星ボケが出るものも存在します。

実例として今まで見た問題のない70年代前半付近のInduatsr 61では、
72年製
72年製
74年製 英語表記
75年製
76年製
があります。
ややこしいです。

古いデザインのキリル文字は要注意


おそらく生産初期からの1970〜1975ぐらいまでは、このキリル文字表記です。
ウチの三本もそうです。


1975年ぐらいからレンズ名が英語表記に変わったようで、これは比較的わかりやすい境目でもあるかと。
英語表記のものなら星ボケが出る確率が高いようです。


さらに80年〜ぐらいからマイナーチェンジがかかったようで、ややこしい事にキリル文字の表記に戻り、MCの文字がつきマルチコーティングにもなったようです。
この年代からは、今の所すべて星ボケになるので、ほぼ大丈夫と見ていいのではと。

無限遠手前の指標が10m

シリアルナンバーが商品写真として載ってない事もありますので、そんな場合は無限遠の手前の指標値を見ます。


70年代のIndustar 61は無限遠手前の最後の数字が「10」です。


80年以降のマイナーチェンジバージョンはここが「6」です。
絞りの範囲表記もデザインやフォントが変わったようです。


例外として、こちらは87年製で、デザイン面では先ほどの話が混じってます。
接合ネジ手前には銀色のラインも入っており通常のモデルと少しだけ違うようです。

それでも無限遠手前の数字は「6」で、星ボケも問題なく出ますので参考のお話ということで。

指標の文字の間隔が離れている

シリアルが確認できず、無限遠手前の写真もない場合は「指標の文字の間隔」で判断します。

70代前半

70代前半

雑な殴り書きのように、「0」と「、」の間などが不自然に離れているのがわかると思います。
「1」と「、」の間はきちんとくっついています。
PCの文字入力で、数字を全角で打った場合と半角で打った場合の違いに似ているかと。
この状態だとほぼ1970年代前半の製造です。

70代後半

70年代後半になると文字の間隔がきちんと改善されています。


こちらは80年代以降のIndustar 61。
フォントが少しポップになっているかと。前述の無限遠手間の数字と合わせて考えればかなり年代の特定ができると思います。

【 ↓ 追記 18.2.6】
73年製でも、「0」と「,」の間が広くない筐体の情報をいただきました。
すいません、この項目は参考度合いを低めでお考えください。

【 ↑ 追記】

まとめ

ここまでの事項でも確認できない場合はやめておいたほうがいいかと。
流通量の多いレンズですので、また次がすぐ出てくると思います。

ウチには既に星にならないIndustar 61 L/Zが3本もあります。
どれも望んで買ったレンズではなく、星ボケが出るとは書いてなかったレンズ達。海外市場は厳しいです。

そもそも絞りの形が違う


星にならない絞り羽根はこんな形です。


星になる一般的なIndustar 61の羽はこうです。

ならば「星にならない絞り羽を替えれば大丈夫なんじゃ?」

と思って交換してみましたが、残念ながらこのバージョンの絞りの可動範囲は星ボケがでる筐体の可動範囲に比べて半分で、きちんと絞りが閉じなくなる筐体が出来上がってしまいました。


述べF5.4ぐらいで止まります。
ギリギリ星ボケになりますが出品は諦めました。棚に置いたままです。

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