2018 / 02 / 11
ロシアンレンズは手頃なオールドレンズの宝庫 Industar 61 L/D 53mm F2.8 FED を片手に秋葉原を街歩き
市場でもウチの棚でも今一つ目立たないレンズで、なかなか持ち出す機会がなかったんですが、撮ってみるとチープさがいい味で、手頃でフィルムっぽく写るロシアンレンズに加えていいのではと思いました。
レンズとメーカー紹介
FED Industar-61 L/D 53mm F2.8 L39
FEDという手頃なフィルムカメラについていたのがメインのようで、現在は結構な数のレンズが手頃に出回っています。
マウントがL39なので各社ミラーレス一眼でないと使うことができませんが、2本目、3本目のオールドレンズとして買うには手頃でオールドっぽいいい味が出るレンズと思います。
参考 : 星ボケのIndustar 61 L/Z
星ボケが出るロシアンレンズ Industar 61 L/Zと名前が似ていますが、こちらは倍くらいサイズが大きく、写りもほぼ別物かと。
本日のアジェンダ
・市場で見かける割には情報が少ないL/Dの味を試す
・昔ながらの秋葉原を探しながら街歩き
ボケ味、フレーム周辺の描写、色味
F2.8の明るめとは言え、最短撮影距離が100cmですのでボケを期待するスペックではありませんが、割といいバランスのボケとピント面かと。
おー
この奥行き感のボケ&飽和感は好きですねー
いわゆるフィルムっぽい感じではと。
夕方だったのであまりコントラストは上がらず、眠い感じはありますが色味もボケもいい感じで被写体を持ち上げてくれているかと。
それにしても案外まっすぐって難しいです。でも角度計とか液晶画面に出しておくのは好きじゃないです。
この辺りがこのレンズの標準的に狙う雰囲気ではと。
古いレンズらしくハレーションが回り、白んだ感じになりますが、それが写真を柔らかくしてくれて、光学系の清掃状態が保たれていればピント面はシャープさが保たれるかと。
ボケのハイライトがロシアンレンズっぽいいい飽和感です。この部分にお国柄が出るような気も。
ざっくりですが、
フィルムぽいのは古めのロシアンレンズ、ドイツ系は飽和して絵画っぽくなる気がします。
ロシアンレンズって、ハレーションの回り方が味の違いでもある気がします。
ボワっとなってしまって、そのフレームを諦めたくなることもありますが、光がピント面へどうやって回り込んでくるかを考慮して立ち位置を決める楽しさも大いにあるかと。
なのでこういった光が弱いところは描写が別物かと。
案外シャープですし。
ほぼ日が暮れていてかなり露出を上げ目ですが、朝のようにも見えてちょっと面白いです。
フィルム感、眠い感じ、ハレーション、チープなレンズ、日暮れ、この辺が昇華できるといい味が作れるかもと。
だいぶ暗くなって提灯しか見えませんが、後ろはビルの間で結構遠くまで抜けています。
「宮崎県」の右あたりの飽和感はハロなのかと思いますが、考えようによっては暗い場所の明暗差こそオールドレンズで試しがいがあるのかなとも思いました。
そういえば昔撮った、KONISHIROKUでの夜の銀座はいい味だったかも。
ピント面の解像度、絞った際のシャープさ、収差
ビルの高さもあり路地はほぼ日陰でしたので、コントラストは上がらずシャープ感を求めるのも少し難しい状況でしたが、味としてはこのレンズの雰囲気は見てとれるかと。
鋭さを求める世代のレンズではないとも思いますが、機械のテカリ部分の質感は割と出てますね。
さすがにこういう光の反射しづらい被写体は眠い感じです。
全体が柔らかくなるとも言えますが、このフレームだともっと適したレンズはありそうです。
絞ったり開いたり色々試しましたが、開放めのこの感じが一番いいかと。
オールドレンズだと、きちんと撮れることより雰囲気が出ればそのレンズはいいレンズなのかと。値段の関係なく。
とはいえ、写真として見て、川の反射をもう少しフィーチャーした構図でもよかったかも。
日暮れ前の雲がいい感じに反射してます。
少し暗い中の明暗差はこの世代のレンズと相性がいいのかもしれません。
いいじゃないですか。
シャープさは間違いなくiPhoneのほうが出るでしょうけど、雰囲気はやはりオールドレンズでしょう。
もう結構暗かったんですが、案外、明暗差やシャープが保たれるんだなと思いました。
この辺はα7のSONY力かとも。
購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考
FED Industar-61 L/D 53mm F2.8
L39マウント(Leica L、M39と言ったりもします) 最短撮影距離100cm 絞り6枚羽根 3群4枚レンズ構成。
近しいレンズとして、
手頃な価格帯としては親戚的なIndustar 50-2がもろもろ似ていると思いますが、
レンズのスペックとしては同じL39マウントでもあるJupiter-8に近いかと。
描写は両方を足して2で割ったような感じもします。
購入に際して
eBay価格だと送料を入れると3,000〜5,000円ぐらいでしょうか。ヤフオクでも同じぐらいの値段かと。
手頃なロシアンレンズに共通の注意事項として、レンズ前面に清掃傷がたくさんついているものが多いです。
今回のレンズも少し多めにあります。
清掃傷は多少ならほぼ問題ないですが、大量にあるとほぼ曇っているのと一緒で、シャープさがなくなってずっとソフトフォーカスみたいになってしまい本来の描写が楽しめなくなりますのでご注意を。
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リペア・調整したレンズのみ販売しております。購入をお考えの方いらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願い致します。
マウントについて
Leica Lマウントは一眼レフカメラでは対応していないので、ミラーレス一眼のSONY α7(SONY Eマウント、NEXとも言う)で撮ってます。
SONY E(NEX)、FUJIFILM FX、Olympus等のM4/3、の順
→ その他のカメラメーカーで使えるマウント一覧や留意点を記事にして解説していますので、マウントで疑問点等ある方いらっしゃいましたらぜひご覧ください。
向いている撮影の方向性
安価にフィルム的な雰囲気を撮りたいなら試してみていいのではと思います。
もう少し予算がある場合はJupiter-8かなと思います。
歩いた辺り
『秋葉原』街撮りオススメ度★★★★☆=4
近年の秋葉原はアニメ&アイドルのイメージですが、昔の味が残っている箇所も多そうだったので一度歩いてみようと思っていました。
打ち合わせで行く予定があったので一応カメラを持参。
まだ日暮れまで間に合うそうだったので少し歩きました。
「2k520」ここの空気感を撮りたかったんですが、残念ながら休み。
かなり残念。
なのでそのまま昔ながらの味を探してをぶらぶらと。
万世橋付近の高架下が良かった気がしていたので、この辺りを最初の目的地にして歩きました。
二路線が上手く交差するのを粘ったんですが、何せ寒くてここが限界です。大雪後でしばらく寒波だったあたりです。
構図がもう一つかと。35mmでの場所かとも。
万世橋といえば、地元に「肉の万世」というレストランがあって、若いころ友達がバイトしていたので結構お世話になりました。
美味しいけど、若者には少し高級な店で大人になって本店を見てどこか感動した思い出が。
MAVIC Proの発表があった次の日で、まだ現行のMAVIC AIRが飛んでました。見てると簡単そうなんですけどね〜
日暮れ間際に歩いたのは昭和通りの向こう側で、こっちのほうが趣があるかもです。
もう一回ここら辺から浅草橋方面も面白いかもしれません。
撮影カメラ情報
SONY α7
Raw現像
現像はAdobe BridgeCC2018で、レンズの特性を写真に残したいのでコントラストや彩度等、一切いじらず、ノー調整、ノーフィルターです。
たまに露光量で明るさを揃える程度に留めています。
カメラの設定
絞りは、ほぼ開放F2.8のままでした。
もう日暮れで暗かったので、シャッター速度は1/100〜1/400ぐらいで、ISOはそのフレームに応じて明るさを合わせる感じで使います。
ホワイトバランスは「オート」でした。
“ロシアンレンズは手頃なオールドレンズの宝庫 Industar 61 L/D 53mm F2.8 FED を片手に秋葉原を街歩き” のコメント
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被写体のチョイス、切り取りが絶妙でとてもツボです。
1枚目の手前のススキがいいわき役になってますね。
二路線の画も好きです。作った年代が異なるのでしょうか。
川も合わせると3つの交通路が奥に向かってひとつになっていく三叉路のように見えますね。
私は関西ですが、あっても少し違ってて、こういう風景は見たことないように思います。
いずれにせよ、毎度ながら真似できない観察眼とセンスだなと感心します。
余談になっちゃいましたが、このレンズ、61L/Zと間違えて買っちゃう方も多いみたいですね。
いつもありがとうございます。
細かいニュアンスも感じてもらえて嬉しいです。
確かに川も一本と考えれば構図が収まったかもですね。道路の反対側から撮ればよかったのかもしれません。ありがとうございます、今後の考えの参考にさせていただきます!
関西なのですね、
大阪の古い町並みは楽しそうですが、最近は開発が進んでしまっているんでしょうか。
とはいえテコ入れされないと治安が不安そうなイメージもありますが。。
東京に限らず、開発をするなら味を残したまま進んで欲しいといつも思います。