2016 / 06 / 28

Digital Camera

分厚い色味と優しい線の絵画的表現力 Schneider Xenon 50mm F1.9 M42 1966年製

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レンズとメーカー紹介

老舗レンズメーカーSchneider Kreuznach。
1930年代にはLeicaに供給されていた時代もある今回のレンズXenon。
定評のあるレンズだけにとても良く写ります。

Schneider Kreuznach Xenon 50mm/F1.9 M42 1966年製
DSC03054

ところがこのレンズ、いまひとつ情報が少ない気がします。
というよりScheneiderのレンズはどれも情報が少ない気も。
今の所どのレンズも好きなんですが。。。

本日のアジェンダ

・いいレンズと分かっていながら、きちんと撮ったことがなかったXenonを街撮りでがっちり使ってみる。
・神楽坂に行ってみたかったので周辺をフラフラと。

線の描写、色味

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来ました、この濃いい描写。
久々の感じです。

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参考までにこの記事内全てrawで撮影の撮って出しです。明るさ調整もしていません。なのにこの濃度。
強い濃度の描写ながらもどこか優しい線。Curtagonにも感じるシュナイダー的描写かと。

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梅雨時なのにかなりの天気の良さと気温でほぼ夏日和。空気の透明度がいい感じで空の青と雲の輪郭を撮りたくなる日でした。

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距離のあるものは大体F5.6〜F8付近で撮ったものが多いです。
F8を超えるともう一つこのXenonの良さが見えなくなる感じがしてそのへんで止めていた感じです。

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また、一見色味を強く感じますが、中間部からシャドウへの締まりが強く、その影響でコントラストが強く感じるのかと。

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暗部の締まりがいいまま、色味は発色がよく穏やかところが線の優しさを感じるところでしょうか。

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この花の写真に一番特徴が出ているのではと思います。

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最近使ってなかった「絵画調の線が出るレンズ」の名刺が合う、標準画角のよく撮れるレンズかと思います。

ボケ味

出掛けに試し撮りで撮ったこちら。こんなによく撮れているとは思いませんでした。素晴らしい。
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開放でのピント面のハイライトの飽和具合。奥のアコーディオンカーテンのなだらかな段階的なボケ。大好きな感じです。

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最近凝っているソールライター的な雰囲気を撮る絵作り。暗部の影の出方が怖いくらいで楽しいです。

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灰皿スタンドを、開放での前ボケで狙いましたが、思ったよりボケなかったです。
左の壁が灰皿より手前から始まっていたために綺麗にボケて結果的にまとまったような気がします。

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色味のある花はもうどう撮ってもよく撮れるレンズ、よく撮れる天気だったかと。

目に付いた花はほとんど撮っていた日でした。

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強い存在感のあるボケながら優しい感じで、ピント面を引き立てるのに素晴らしくバランスのとれた存在感では。

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この、柵を前ボケにした撮り方は綺麗に収まったのではと思います。
発色の良さと暗部の強さは、光が弱い日陰でもラクに撮れるのかと。

さらに本日もマクロヘリコイドをつけて、接写も試してきました。

 

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言ってしまえばありがちな絵ですが、この辺も容易に撮れます。

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ただ少し二線ボケの傾向はあるのかと、でもそんなに気にならない気もします。

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こちらは別日曇りの日の撮影です。

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こちら二線ボケがわかりやすいですが、そんなに気にならないのではと。
F4程度だったと覆います。

 

色味、フレア、ゴースト

ゴーストを取り込めるようなフレームを見つけられなかったので、最近多めの飛ばし気味のショットですが、ボケと合わせた描写の雰囲気は感じてもらえるのではと。

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同じような撮り方をロシアンレンズ撮るのとは少し違った締まり具合になるかと。

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コントラストの強い印象派の絵画のようなイメージです。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

撮影最短距離は50cm。
M42マウントで、市場には他にエグザクタマウントのものや、Retinaと付いたXenonはC-mountやディッケルマウントなど小さいサイズのものになるようです。

このレンズを設計したAlbrecht-W Tronnierという方は、シュナイダーやフォクトレンダーなどいくつかの組織に所属があったようで、レンズは設計士の思想が色濃く出るようなので、機会があったら他のメーカーでのTronnier氏のレンズも試してみたいです。

Schneider Kreuznach Xenon 50mm/F1.9 M42 1966年製
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購入はeBayでberlinerschlossという100% Positive feedbackの業者からで、送料込みで約25,000円。
オールドレンズとしては少し高い気もしますが、現代レンズと比べても十分すぎるくらい値段以上の描写をしてくれるレンズだと思います。

状態は、There are no scratches, dust or fungus at the lens.とめちゃくちゃ簡素な説明でしたが、少しebayに小慣れてきた頃で、行けそうな気がして強気で攻めました。

eBayを見ると、15,000円〜40,000円ぐらいな感じでしょうか。
ミラーレス機で使いやすいM42マウントやEXAマウントはそんなに数が多くなく、価格も結構ばらつきがある感じです。買った時はどういう一覧だったんでしょう。今思うと、よく上記の説明で買ったもんだと思います。

上手く撮れたと思う写真の振り返り、分析

やはりこちらではないかと。

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濃いい感じと、シャープでいながらも優しいピント面、若干のぐるぐるボケもいい要素ではと。
画角周辺につれて少し眠い印象もなくはないですが、暗部の締まりとハイライトの調和とのバランスで一枚の写真としてはいい状態ではないかと思います。

このぐらいの写真がその日の八割がた撮れれば、胸を張って写真家と言えそうです

少し足りない写真の反省、分析

こちら、原宿のホーム向こうの紫陽花を、止まりかけの電車越しに撮ったんですが、
もう一押しな感じです

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フレームは悪くないと思うんですが、正直なんだかわからない。
ピント面がもっと大きな花とか、赤とか目立つものなら成立したかも。

あと歩っている人とか駅名とか入れて、ホームとわかるようにしたかったです。
もう一本待つ気にはならなかったので乗ってしまいましたが、同じような構図いつかリベンジしたいです。

向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして

今時のレンズの溶けすぎるボケとシャープなピント面は、なんとなく時間が止まった感じに撮れてしまって、フィルターをかけてザラつきをつけたくなるなぁ

と思っている方がいらしたらぜひおすすめです。
自分はそう思ってました。

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人物については、このレンズではまだ少ししか撮ってないので、なんとも言い兼ねますが、50mmのレンズの味としてこの表現も知っていると撮影の幅が広がるのは間違いないと思います。

歩いた辺り

案外、用事もなく街撮りだけのために、一人で知らない街へ行くのは初めてだった今回。

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市ヶ谷のホームがいいロケーションだった気がして、ここから降りて神楽坂を目指しました。

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神楽坂の駅前では倉庫を改造したおしゃれな、SHOP&CAFEがありこちらで一休み後、飯田橋まで。

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裏通りの静かなところは写真を撮りやすかったですが、表通りはちょっと写真には賑やかすぎる感じはしたかも。

撮影情報

カメラはSONY α7Ⅱで、画質はraw非圧縮。

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このブログではレンズの特色を前面に出したいので「コントラスト」「明瞭度」「彩度」等、写真内のバランスを変える調整はしていないです。
現像ソフトはPhotoshopCS6 rawで、明るさ等の調整もしたものもなく、全部そのまま撮って出しです。
raw撮影ですのでカメラのピクチャースタイルの影響もありません。

絞りは開放F1.9〜F8ぐらいまで、シャッター速度は天気が良かったのと、バンバンとってブレを気にしたくないので最近1/200が軸です。
ISOは絞りのニュアンスを優先で最後に調節用に使ってます。
ホワイトバランスは、ほとんど「晴天」のプリセットで、別日と書いてある写真は曇りでしたので「曇天」のプリセットです。

Digital Camera

 

“分厚い色味と優しい線の絵画的表現力 Schneider Xenon 50mm F1.9 M42 1966年製” のコメント

  1. Jay より:

    「rawで撮影の撮って出し」という表現は普通なのでしょうか?

    • Hidekatsu より:

      普通かどうかわかりませんが、写真や映像の請負仕事で撮ったまま調整・ゴミ取り等せずそのまま提出すると言った意味の延長で、ブログ本文の意味合いも含んで通じるように思います。


 

 

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