2016 / 07 / 01
厚く深みのある色味のフレクトゴン Carl Zeiss / Flektogon 35mm F2.8 Zebra 単焦点オールドレンズの風合いが掴めてきた!
レンズとメーカー紹介
20本近くあるオールドレンズもだいたい個性が見えてきて、やはりいいレンズを手にとってしまうこの頃。
Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm/F2.8
その中の広角レンズで存在感を放つFlektogon。
引越しの調査も兼ねて何度か歩いた谷根千エリアで再登場です。
本日のアジェンダ
・海外からの旅行客に人気らしい、根津神社の赤い鳥居をFlektogonで濃いく撮る
・夕暮れ以降の薄い明かりをどれくらい写真としていかせるか
線の描写、色味
素晴らしく、この場所にマッチするレンズ!
raw撮影ですので、カメラのピクチャースタイルは反映されません。撮って出しでこの色と質感。
絞ってもそんなに線が硬くならない線がオールドっぽい良さでは。
写真だと雰囲気ありすぎでちょっと怖い感じもしますが、すごくいい場所です。α波いっぱいで、かなり癒されます。
高い木が多いので、写真にすると影の当たってない緑が濃く見えて暗く感じるのではと思います。
この池は根津駅近くにあった公園で、なんとも趣のある場所で、少し奥へ行くと小さな滝までありました。なんでこんな滝が小さな公園にあるのか?そもそも水源はどこなんでしょう。谷根千エリアとても興味深いところです。
暗いところでも明暗の差がある場所なら、Flektogonがなんとかしてくれる感じで、線が出るというより暗部が輪郭を浮き出すと言った感じではと。
この辺の写真は、もう薄暗くなっている頃で光も弱いですが、ハイライトの部分をしっかり捉えてくれて絵が成立していると思います。
ボケ味
撮影最短距離30cm付近をうまく使えば奥は結構ボケながらも、全体の力強い色味が残りますので、とても扱いやすいFlektogon。さすがに名玉と言われるだけのことはあるレンズです。
高い木の葉の隙間から入る光は玉ボケにしやすく、手前に被写体があれば簡単に差がつけられて浮き出てきます。
絞り5枚羽根の五角形も綺麗。特に若葉はボケに使いやすく、この時期は遠景に困りません。
とはいえ、この鳥居ぐらいの距離で開放だと、周辺光量落ちが手間とボケとの距離感を変えてしまってバランスが崩れてしまうので注意が必要かと。
鳥居の横に走る木は、きっちり奥との差をつけたほうがいいかと思うので、そもそも画角的に難しいかもです。
この辺は例によってマクロヘリコイドをつけてさらに寄ってます。
こちらの接写だと、玉ボケが五角ではなくバブルボケのような感じです。
どういう条件だとこうなるんでしょう?そのうちの調査課題ということで。
購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考
フロントレンズの周りの枠がちょっと歪んでますが、レンズ、絞り等もろもろ問題ない個体です。
romansite という 100% Positive feedback 業者から購入。
商品状態はざっくり、「光学系はOK。傷やカビ、クモリはなし。小さいホコリ少しある。フロント側とてもいい。リア側に中にコーティングマークあり。1mmぐらい。かろうじて気づく程度。フォーカスリングは、まあまあスムーズで合理的な範囲で正常。フィルターマウント周辺は少し凹みがあるが、フィルターをつけるには問題ないと思う。絞りはパーフェクトな動き。羽根の跡少しある。キャップはないけどリアカバーと49mmのフィルターをつける」といった感じで、ほぼこの通りの状態でした。
Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm/F2.8 最短撮影距離30cm M42マウント 1972年製
今eBayをみると15,000〜30,000円ぐらいでしょうか、ちょっと前より値上がったかも?
マウントについて
SONY α7Ⅱ(SONY Eマウント、NEXとも言う)では問題なく使えました。
近頃人気のOlympus OM-DやPEN、Lumix系はこの辺かと。
また、このOlympus OM-DやPEN、Lumix系の規格は35mmの広角オールドレンズは約70mmぐらいの標準画角になりますのでご注意を。
Canon 5DmarkⅢ(Canon EFマウント)だと無限遠に近づくと結構ミラーに干渉します。近距離、中距離ぐらいなら使えます。
マウントはカメラによって干渉等でうまく使えないこともありますので、ご自身のカメラでの使用の参考としてください。
また初心者向きの内容で、マウントについての記事を書きました。マウントに疑問点がある方はぜひ。
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色味、フレア、ゴースト
よく撮れるFlektogonですが、やはりオールドレンズだけに逆光には弱く、ボワっと白い光が入ってくる現象があります。
とはいえ、ほぼ柔らかい入り方で光源の位置を分かりやすくしてくれるものが多いので、写真には使いやすい要素だと思うんですが、一般的にはよくないものとされるようです。
Ney York Timesの報道写真ならわかる気もしますが、街撮りやポートレートで雰囲気ある感じに撮りたい場合はとてもいい味で、またレンズごとに出方も違うので楽しい限りだと思うんですが。
上手く撮れたと思う写真の振り返り、分析
もうかなりの夕暮れで光が少なかったのですが、開放で撮ることによって周辺光量が落ちて、結果的に真ん中が明るくなって草花が前に出ました。
こちらは少し絞りました
絞っても絵は成立している写真かと思いますが、この写真きっかけで、開放での描写が写真に及ぼす影響のひとつに気がつけたかなと。
地味な話ですが。
少し足りない写真の反省、分析
反して、こちらは夕暮れ過ぎのショットですが、花が前に出ていなく絵が成立していません。
目で見ている分には、花が看板よりは目立っていたんですが、写真では、当然のように光量通りに映ったようです。
でも、この見た目の印象と実際の光の違いって結構あるかと。
PC画面で見た時、アレって感じの写真。
撮っている時に気がつければ、何か策が打てるかもしれないので、そうなれるよう目指すべきと思います。
向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして
最近、すっかり人を撮っていませんが、このFlektogonなら試してみたいです。
案外、暗い所とかでも強く、夜道のストロボとかもありかもです。
歩いた辺り
結局、谷根千エリアへの引越しは断念したのですが、物件の内覧も合わせると都合4回(5回だったかな?)行きました。
何より商店街の付近の、長閑に賑わってる印象的でした。縁側に座りながらいっぱい飲んでいる感じ。実際通りのビールケースで飲んでたりしますし。
新旧がいい感じでバランスをとりながら町を作っている感じがします。
撮影情報
カメラはSONY α7Ⅱで、画質はraw非圧縮。
現像ソフトはPhotoshopCS6 rawで、写真によっては多少「露光量」を調整することもありますが、そのまま撮って出しが多いです。
また、このブログではレンズの特色を前面に出したいので「コントラスト」「明瞭度」「彩度」等、写真内のバランスを変える調整はしていないです。
絞りは開放F2.8〜F8ぐらいまで、シャッター速度はブレの軽減のために1/200を軸に、ISOは絞りのニュアンスを優先で最後に調節用に使いました。
ホワイトバランスは、神社はほぼ日陰ですが、木の緑が青い身が軽ぐらいのほうが合うかと思い「晴天」。
その他は「曇天」が多いです。
補足
もうひと記事、細かい描写の考察等を書いています。
→ 噂通りの名玉 色乗りの良さとシャープな線
20mmのFlektogonも書きました。
→ ひときわ目を惹く大きなレンズの超広角
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