2016 / 06 / 24

Digital Camera

手頃にボケモンスターの味わいを。なんだかよく写る PENTACON electric 135mm F2.8 M42

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レンズとメーカー紹介

戦後、Carl Zeissに代表される名称の訴訟や、会社の統廃合がいくつもあった影響で、ブランド名は変わりながらもレンズの技術は吸収された会社のレンズに受け継がれて、名前の違う似たような写りのレンズになることがありました。

PENTACON electric 135mm/F2.8 M42 製造多分1980年あたり
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そんな統廃合の影響で、今回のPENTACON electricは、Meyer-OptikのOrestor135mmの面影を残しながらも、少し手頃に手に入れることができるレンズのようです。

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コーティングが結構はげて状態が少し悪いのですが、なんだかよく写るんです。

本日のアジェンダ

・写真家ソールライターの雰囲気に挑戦。
以前は使った時は、少ししか撮らなかったので、今回はがっちり試す。

線の太さ、シャープ

前回のJupiter-11 135mmと近いスペックながらも、こんなにも描写が違うんだなと、改めてオールドレンズの楽しさを感じずにはいられない今回。

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まあ、Jupiter-11は1950年代中盤。今回のPENTACON electric は1980年代と、25年から30年違えば、親と子ほど離れているので描写が違って当たり前かも。

現代のレンズと比べると、それなりにピント面はシャープとはいえ、1980年代からだと、またさらに一世代ぐらい違いますので、やはり時代の違いの味わいを感じる線ではあります。

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代々木公園のゴミ箱、少し雲間から太陽が出てたのにプリセット曇りのまま撮ってしまい、黄身がかってしまいましたが、抜けはいい感じかなと。
F5ぐらいだったかと思います。

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この辺も少し絞りながらの撮影。
よく考えたら、今まで持っていた現代レンズの望遠系は、Zeiss Planer 100mmが一番長い焦点距離でした。

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それもポートフォリオ用で、目などの表情を捉えるのはギリギリだなと思っていたくらいで、それ以上の焦点距離は使ったことがありませんでした。

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なのでそもそも135mmのシャープさってどんなもんなんでしょう?

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どちらにしても、シャープに撮るならスタンドを立てるべきですね。
レンズも重いですし、遠い被写体を手持ちでプルプルしながら撮ってますし。

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こちらは黄色い花はマクロヘリコイドで結構近づいてますが、これこそスタンドが必要ですね。

 

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色味も標準的な感じ、コントラストも標準的に問題なしで、この時代の安価なレンズの象徴のようなレンズかもしれません。

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このぐらいに遠くの雰囲気を捉えるなら、ちょうどいいシャープでしょうか。
きっちりしすぎないほうが味を出しやすいかなとも思います。

それからこの記事を書くにあたっていくつwebでのレンズ記事を見ていて、その中にもありましたが、色の転びがあります。

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強い日差しが出ている時にホワイトバランスを「オート」にするとよく分からない色になることが時折ありました。

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どうもレンズを通した色をカメラ側が誤認するようです。コーティングの劣化や黄変の問題でしょうか。この辺りの話はもっと詳しく書かれているページがあるので気になる方はググってもらえればと。

ボケ味

F2.8のボケは十分すぎるくらいボケます。このボケを見るとボケモンスターと言われる、Meyer-OptikのOrestor135mmに似ている気がします。
場合によっては、何が写っているかわからなくなるぐらいの溶けるボケです。

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とはいえこのボケ具合はクセになるぐらいのトロけ方で、被写体をがっちり前に出したい場合はこれ以上ないくらいなボケです。

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ですがこのレンズ、自分のレンズの中では少ない、がっちりと2線ボケが出るレンズです。

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茎に思いっきり二線ボケがでてます。
心なしかこの年代のレンズにはよく聞かれる気がする二線ボケ。

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このレンズでは少し絞ったF4.0〜5.0あたりに出やすい気もします。

開放F2.8
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F5.0あたり
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被写体との距離によってはだいぶざわつきます。

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とはいえやはり、多分ボケモンスターOrestor135mmの遺伝子が残っているこのレンズ、奥行きに距離があるところではボケの調整が容易で楽しいです。

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ぐるぐるボケとは言えないぐらいの、少し流れる感じもありますが、
個人的にはこう言ったクセは、ギミックとしてつかやすので楽しい要素と思ってます。

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このぐらい奥に距離があり、光源も入れられればいい感じに持っていけるのではと。

色味、フレア、ゴースト

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開放で吹き飛ばしたり、

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逆光に持って行ったりしたんですが、あまりゴーストは入りませんでした。

以前、街撮りポートレートを撮らせていただいた時は、これでもかとフレアが入って楽しい限りだったんですが、今回その再現はできませんでした。
思い返すと、夕暮れ時でちょうどガッチリ背後に太陽だったような気がします。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

撮影最短距離170cmは、なんかもっと近く100cmぐらいな気もします。

PENTACON electric 135mm/F2.8 M42 170cm 製造多分1980年あたり
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購入はヤフオクで込み込み8,500円ぐらい。
eBayでは5,000円前後と少し安く送料込みだと同じぐらいの料金になるでしょうか。

また、本記事の中に何度か出てくる、本家のボケモンスター
Meyer-Optik Orestor135mmですが、こちらは15,000〜20,000円ぐらいでしょうか。検索で見る限り、本レンズPENTACON electricに比べて、二線ボケは少なく、玉ボケが綺麗に出そうですね。いつか試してみたいです。

さらに本家のボケモンスターOrestor135mmの兄弟にOrestor100mmがあるのですが、こちらは全然違うもっと固いボケです。

余談ですが、本日イギリスのEU離脱が決まりました。
円高に進んでいるようですが、レンズ購入だけを見れば有利になるんでしょうか?
世界恐慌とか記事も出てましたが、世の中変わっちゃうんでしょうかね。

上手く撮れたと思う写真の振り返り、分析

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飛ばしすぎかなとも思いますが、絵としてみたら成立してるんじゃないかと。

自分らしい写真や、後加工でなくファインダーの中でほぼ仕上がっているような写真を目指したいと思っていますが、この写真だとちょっと考えがズレてますかね。

少し足りない写真の反省、分析

代々木公園西口近くの売店で休憩していたら、スズメがものすごい近くまで来ました。

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餌をもらうのに慣れてるみたいで、テーブルの上に乗ってきてかなり近づいてきます。

それを撮ったんですが、もう一つ面白くないです。
定位置を決めてそこに来るまで、頑張って待って何枚か撮ったんですが、可愛く撮れないし、なんか物々しい気が。

160615_DSC07373__electric135mm
これくらいだとまだ写真としてはいい気がしますが、せっかく近づいてきてくれるスズメを、どうすれば近づいてくる楽しさを表現できたんでしょう。ちょっと課題です。

向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして

「色味、フレア、ゴースト」の項でも書きましたが、豪快なフレアや、この深いボケはポートレート撮影にとても使いやすいです。

以前撮影の街撮りポートレート
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最短撮影距離170cmと少し距離が必要ですが、少し奥行きのある場所なら簡単にボケますので、人物の浮き出しが非常に楽です。

懸念点はオールドレンズとしては、ちょっと大きく重い点でしょうか。
「重い」「大きい」は、身軽に動きたい街撮りには結構大きな要素かと思います。

歩いた辺り

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安定の代々木公園の花壇2箇所付近をブラブラと、といった感じです。
今はバラがいい感じ咲いてます。

撮影情報

カメラはSONY α7Ⅱで、画質はraw非圧縮。

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現像ソフトはPhotoshopCS6 rawで、写真によっては多少「露光量」「白レベル」を調整していますが、そのまま撮って出しが多いです。
また、このブログではレンズの特色を前面に出したいので「コントラスト」「明瞭度」「彩度」等、レンズの特性が変わるような調整はしていないです。
ただ今回は、記事内にも書いたようにカラーバランスが崩れた写真がいくつかあったので、ホワイトバランスの調整をしました。

マウントはマクロが効くこの辺と同じものを使っています。

自分のと同じものは現在品切れでした。

今回は、絞りは開放F2.8〜F8ぐらいまで、F5あたりから一気にボケがなくなる感じでしたので、開放F2.8〜F5あたりがほとんどです。
ブレの軽減のために1/200を軸に、ISOは絞りのニュアンスを優先で最後に調節用に使いました。
ホワイトバランスは、プリセットの日陰をベースにしましたが、時折日差しが強く指す時は「オート」や「晴天」で撮りました。

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