2017 / 04 / 16
Carl Zeiss Tessar 50mm 鷹の目の鋭さは優しさを含んだ目?12枚羽シルバー鏡筒のオールドレンズ 京王線芦花公園を街歩き
Zeissの有名どころの単焦点レンズをあまり試していなかった事に気づき、ここのところ積極的にZeiss銘柄を物色しています。その第三弾にあたるツアィスレンズは「鷹の目」の異名を持つTessarです。
レンズとメーカー紹介
Carl Zeiss Jena TESSAR 50mm F2.8
eagle eye、鷹の目のキャッチコピーで語られることも多いTessar。3枚4群の安定したレンズ構成は100年以上前の発想らしいですが、その優れた構造はアレンジをされながらも今も使われる事があるそう。
Carl Zeissは世界大戦敗戦の影響でドイツと同じように東と西に別れ、それぞれ別のZeissになってしまいTessarも別々に発売されていたようです。
今回の筐体はその東ドイツのCarl zeiss Jenaから発売されていた12枚羽の銀鏡筒中期モデルです。
本日のアジェンダ
・噂に聞くシャープさ、コントラスト、写真周辺の描写をチェック
・街歩き企画を加速
線の描写
ドイツ語キャッチコピー「Das Adlerauge ihrer Kamera」が、鷹の目やeagle eyeの最初の通称になるもとのようで、
直訳だと「彼女のカメラの鷹の目」になるようです。
ドイツ文化を知らないので、あくまで直訳のイメージからですが、現代のレンズの立ち位置よりおしゃれな感じだったんでしょうか。
さてその鋭さですが、、
思ったよりソフト?
それが最初の感覚です。
少なくともこの筐体からはそんなに鋭さを感じません。
四隅までのバランスは安定していてスッキリは写る感じですが、鷹の目ぐらいシャープという感じはちょっと違うかと。
現代レンズのシャープさをイメージしてしまったからでしょうか。
特に少し離れるともうひと押し欲しくなる線の表現の気がします。
このぐらいまで寄れば多少、線が際立ってくるような気もしますが、それほど特筆するような線ではないと思います。
色乗りは可もなく不可もない感じで、よく言えば実物通り、悪く言えば癖がないのでそれを利用しづらくも感じます。
この筐体のレンズ状態が良くないのかもしれませんが、シャープさを求めるよりは四隅までの安定さを生かしたほうがこのレンズらしいかも。
これぐらいの距離感とか丁度いい感じがします。
この感じもいいのでは。
これならシャープという感じもします。
ちょっとTessarと仲良くなれてきた気が。
こうなってくると、小さい筐体な上、くるくる回る絞りやピントは手軽に扱いやすく、かさ張らないのも街歩きを身軽にしてくれるいいお供になるかもしれません。
シルバー鏡筒のレンズですと、メーカーに関わらず得てして強い光のコントラストに弱いと思いますが、やはりこのTessarもその辺は一緒です。
明暗差の表現はなかなか難しいかと。
明暗のどちらかを軸としてしまった絵作りの方が良さそうです。
この写真ですと、建物の影部分を撮りたいイメージの明るさに持って行き、外はぶっ飛んしまっても構わない方向で撮ってます。
光が安定していれば、四隅まで安定した描写は場の雰囲気を飾ることなく収められるかと。
ボケ味、フレーム周辺の描写
案外優しいぼけ?
シャープなイメージが先行していたので、むしろボケの優しさに驚きがあります。
四隅へのバランスが保たれたまま素直にボケてくれるので、比較的自由に絞り値を動かしやすいかと。
ぐるぐるボケや歪みもほとんど感じないので、前ボケや後ボケを端に持っていっても安定して、心なしか横に長くフレームを使えるような気もします。
なんとも安定した前後の関係性で合成のようです。
四隅への安定は案外使い勝手がいいのかもしれません。
目で見るような自然なボケのようで、二線ボケやブレみたいなものは感じません。
とはいえ実際は二眼で、二つのボケた像が重なるのでしょうが、あくまでイメージということで。
色味
色についてあまり触れていませんでしたが、問題なく普通に出る感じでしょうか。
ロシアンレンズのように淡いということもないですし、シュナイダーのレンズのようにグッと色がのるような印象もないです。
かなり見た目に近い表現かと。
比較的、線やボケ、色味が網羅されているこちら。
色味もボケも使えるこのぐらい距離感がこのTessarの一番美味しいところではないかと。
購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考
Carl Zeiss Jena TESSAR 50mm F2.8
撮影最短距離は60cmで、1956年ぐらいの製造。赤Tのマークはないですが、絞りは12枚バネでシルバーモデルの中期の最初あたりかと思われます。
購入はeBayのalluxus1 という100% Positive 評価の業者から、送料はなしの販売で為替手数料込みで8,370円。
商品説明はざっくりと、
このレンズの光学性能は10です(?10満点の10点ってこと?)。ガラスはクリーン、曇り、菌類も、絞りもピントも滑らかで素直に動いています。鏡筒はNiceコンディション。
フロントレンズに小さいなスクラッチ傷があります。それらはレンズの働きや写真に影響はありません。
掲載写真は6枚で、中山が重要視する絞った状態の写真があり。最近あるといいと思う、撮影サンプルも写りはイマイチだがあって、ひとまず曇った感じはない。
これは、よく言われるZeissのバルサム切れによるレンズ曇りはほぼどうしようもないので、レンズ写真を目を凝らした上に撮影サンプルから感じ取れることはないか気をつけます。
届いた状態は、まあこんなもんでしょう。
といった感じで、レンズ清掃をすればもう少しクリアになりそうな気もします。
マウント
今回使ったCanon 5DなどだとCanon EFマウントと呼ばれますので、M42マウントなので、M42 → Canon EFのこう言った薄いやつです。
SONYα7シリーズだとこの辺です。
マウントはカメラによって干渉等でうまく使えないこともありますので、仕様の保証はできませんのでご留意ください。
購入時の参考
有名なレンズなだけあって、eBayで検索してみるとかなりの種類が出てきます。
オールドレンズとして認知されるのは明確な決まりはないでしょうが、80年代あたりまででしょうか。
ざっくり分けると、シルバー鏡筒、ゼブラ鏡筒、ブラック鏡筒(jenaのあとにDDRがつく)ぐらいになると思いますが、ブラック鏡筒はweb見る限り「シルバー鏡筒&ゼブラ鏡筒」とは別物の印象です。
そんな二種の中でも、古いものほど絞りバネの枚数が多く、比例して販売価格も高いようです。
また色んなマウントが出ているようなので、対応マウントも要注意かと。
フレア、ゴースト、ハレーション
オールドレンズの白んでくる描写は明らかに弱い軽めです。
よく言われるように3群4枚のトリプレットのレンズ構成は光の干渉にやはり強いようです。
そんなに強い光源の位置を気にする必要はないです。
少し足りない写真の反省、分析
ランチ時ながら、幡ヶ谷の駅から少し離れた平和な空気が商店街に流れていたのですが、うまく表現できませんでした。
側のいくつも実がなっている木から落ちていた実を軸に撮ろうと思ったんですが、なんだかよくわからないですね。
奥の赤いプラケースの存在が強すぎるんでしょうか。
絞りとシャッター速度の比較
絞りF2.8、シャッター速度1/2000、ISO100
絞りF8.0、シャッター速度1/1000、ISO100
ピント面のシャープさが開放でもある程度保たれているのがわかります。
そう考えると、このシルバー鏡筒の年代1950〜1960年のあたりとしては結構シャープかも。
開放付近でもピントの山を見つけやすいのは写真からでも見て取れるのかと。
向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして
ちょっと試してみたいですが、どうでしょう。
被写体を前に出すことを考えると四隅は描写が落ちるくらいのレンズのほうがいい気もしますが、引き目で全身とかで撮ればオールドレンズの風合いながら、割とくっきり撮れるのかもしれません。
歩いた辺り
新しいレンズがだんだん揃ってきたのはいいのですが、近所や目的地を定めての街歩きはさすがにネタが尽きてきた感があって、ひとつアイデアを絞りました。
題して『東京ぶら街写真。』
– カメラとiPhoneと小さな財布と –
決してブラタモリを意識した訳ではありません。
実際番組を見たことないですし。
ぶらぶら歩くのは以前もそうでしたが、今回からほぼカメラ以外持たず、手ぶらで歩くことを前提に出かけることにしました。
以前はPCやそのほか備品の入ったバッグを持ってどこでも仕事ができるようにしていましたが、もっと軽い足取りで歩けるようにして、特徴のない場所も歩いてみる方向性です。
そんな訳で今回は、ひとまず京王線を目指して自宅周辺から初台方面へ歩くことにしてスタート。あとは流れのままに。
幡ヶ谷の桜を撮って、そのまま駅から京王線に乗り込み、芦花公園が気になったのでここで下車することに。
駅周辺には目ぼしい場所は見つかりませんでしたが、少し歩いたところに芦花恒春園という大きめの公園を見つけました。
徳冨蘆花氏という文豪のゆかりの家等が中心となった公園とのことですが、すいません、中山、学がないもので全くこの方存じ上げません。申し訳ない。
でもいい公園です。
昔のままの建物を残したり、敷地を再現しているようで、この一角だけ時間がゆっくり流れているような穏やかな場所です。
建物内は写真はダメですが自由に観覧でき、さらにゆっくりした時間と静かな音が感じれます。
特に音は、昔の作りの家が音を吸うのかとても静かで一聴の価値があるかと。平日昼間の人が少ない時間にぜひ。
この一角だけでなく、奥へずっと公園は続いているようで、ひと気も多くなく静かで良さそうな環境です。
中山は歩きましたが、芦花公園から芦花恒春園前までバスが出ていました。
まるで旅先のような整備されゆとりのある停留所で、その向かいに小綺麗な喫茶店もあり、まさに旅の停留所といったところです。
昭和なテイストのナポリタンを食べました。Tasty!
さて、このバス停ラッキーなことに、小田急線の千歳船橋まで行くことがわかりました。
この考え方ものすごく使えることにも気がつきました。
駅周辺を歩いて、バスを使って別の駅まで移動する。
この考えなら、折り返すこともなく、かなり気兼ねなく路線の横移動ができそうです。
そんな訳で、千歳船橋に到着。
次回はここから移動すれば、目的地のない気ままな街歩きでも、一貫性のある流れに持っていけるのではと。
撮影カメラ情報
Canon 5D markⅢ
カメラは5DmarkⅢ、画質はraw非圧縮撮影、撮影時のピクチャースタイルはスタンダードで5Dのモニター確認用としてのみの使用です。
PCに取り込んだ時にjpgは捨ててしまいます。
現像は現在PhotoshopCC2017で、レンズの特性を写真に残したいので、露光量で明るさを揃える程度の調整のみに留めています。
比較写真などでは、ホワイトバランスを揃えることもあります。
絞り
ここのところ開放(今回だとF2.8)とF8.0を撮り比べながら、レンズの状態を探ることが多いです。
シャッター速度
いい天気でしたので日陰でも1/1000ぐらいでしたでしょうか。
日陰でF8.0ぐらいに絞ってもグッとISOあげて済ましてしまうことも多いです。
ISO
絞りに応じてかなり反映に変えてます。
また、オールドレンズのためカメラの露出測定は参考程度にしかならないので、かなり反映に変更します。
ホワイトバランス
ほとんどオートでした。
文豪のお家の前では「曇り」に設定したりしましたがオートのままでもよかったかと思います。
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