2017 / 03 / 21
Helios 44 58mmのぐるぐるボケと柔らかな描写健在の1950年製 初代シルバー鏡胴
オールドレンズのブログとしてのセカンドシーズンにあたり何か企画を!なるべくお金のかからないほうがいいかな。。ということで、手頃で良く写るヘリオスの初期バージョンのヘリオス44のあとに番号がつかないシルバー鏡胴をeBayで落札しました。
レンズとメーカー紹介
HELIOS 44 58/F2.0 1950年
オールドレンズ沼の界隈では知らない人がいないであろう有名なHelios。
その中でも一番有名なヘリオス44-2を買ったのが中山もオールドレンズのスタートです。
あれから一年が過ぎ、諸々ひと段落したことを機に、Heliosの初期バージョンのヘリオス44と共にさらに沼の奥地へと進みます。
本日のアジェンダ
・所有しているヘリオス44-2 黒鏡胴 1981年と比較して、レンズの世代による違いを探求
・Industar 50に引き続き、開放と絞った絵を撮り比べながら歩く
ボケ味
やはり綺麗な玉ボケです。
そして柔らかいボケの溶け方はかなりHelios。
既に所有しているヘリオス44-2よりも30歳ぐらい年上で約70歳なのに、まだまだ健在の写りです。
そして、ヘリオスと言えば代名詞的な「開放ぐるぐるボケ」
とは言え、所有しているヘリオス44-2 黒鏡胴 1981年に比べると、、、
あれ?こんなぐるぐるだったかなと思わなくも。
こちらとか、奥の白い壁まではかなり距離があるので、これだったら回ると思ったんですが。
今、改めて写真で見比べるとあまり変わらないかな?
体感だと今回のシルバー鏡胴ヘリオスのほうが「ぐるぐるボケ」が薄い気がしましたが、写真で比べると同じぐらいのようです。
うむー自分の感覚ってこんなものだったのか。。。
線の描写、色味
気を取りなおして、ピント面の話を。
線の柔らかさも素晴らしいですが、暗部の階調表現も柔らかく優しいです。
いわゆるロシアンレンズ的な細く柔らかいタッチの描写かと。
光が弱いと色は淡く出ますが、またこれがフィルムっぽい雰囲気がしていいんじゃないでしょうか。
こちらの赤い壁は日差しが軽くあたっているので、上の黄色バケツの後ろの赤より色味が出ています。
同じ赤壁です。
そんなこともあり暗いところではコントラストが難しいので、
諦めてモノトーン的なイメージで撮るほうがいいかと思います。
しかし、レンズが日光を感じるとぐっと色味が上がります。
それでもコントラストは弱めなので、全体的に落ち着いた絵になりやすいかと。
ヘリオスはボケが引き合いに出されることが多いですが、絞って細く柔らかな線を楽しむこともできる万能なレンズではないかと思います。
色味、フレア、ゴースト
オールドの良さでもあると思うのですが、逆光には弱いです。
こちらはさすがに太陽に向けすぎました
とはいえ、その偏りが写真の味の表現に使えることもあるのではと。
こちらは思わぬところでハレーション起きました。
左隅のライトから入ったようで、中央から右下にかけて完全にハレーションを起こしています。
シャドウ部の階調がいい雰囲気のフレームだったので、完全にとり損じです。
それでも50、60年代の、コーティングが少なくハレーションが起きやすイメージのレンズよりは扱いやすい筐体と思いました。
購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考
見ての通り、外観は結構汚いです。
でもそれ以外の状態は良い方と思います。
HELIOS 44 58/F2.0 撮影最短距離 50cm 1950年 M42マウント
中山はコレクターではなく、ちゃんと写れば良いほうなのでレンズ状態が第一優先。
レンズの曇りの記述がなく絞りとピントがある程度動けば、あとは価格と相談の感じです。
今回はeBayで検討→購入→届くまでを時系列で書いてみます。
商品写真
レンズの写真は7枚で、レンズ上下、外観等一通りはある感じで、重要事項としている絞りの絞った写真があり、羽も綺麗でOKラインです。
状態説明
意訳です
光学系:
多少の埃があります。バルサムの分離はありません。レンズの内には曇りはありません。カビはありません。
フロントレンズには掃除傷がいくつかあります!クリーニングマークがあります。
レンズは使用されており、クリーニングマークやほこりが付いている可能性があることに注意してください。
また、私は調べていないことに注意してください。( ← ちょっと意味わからず)
マイクロスコープのレンズや極度の強い光など、極端な状況では目に見えないものが現れることがあります。
アイテムの外観:
このレンズはきれいで清潔です。
何年かの使用から塗料の損失と摩耗と摩耗のいくつかがあります!製品の詳細な状態を写真で確認してください。
機能性:
適切に動作します。このレンズは完全に機能します。
絞りはとても良く動きも良い!
フォーカスは良く動きます。
付属品:
リアキャップ!
という、ありがたく細かい説明で、致命傷になりやすいリアレンズには大きな問題がないこと、簡易クリーニングでは取れない曇りはなさそうなこと、絞りやフォーカスが動くことは確認できるため、説明書きとしては中山的にOKラインです。
出品者の評価
cameragogi という業者で600件ぐらいの取引履歴で99.2%のPositive feed back。
6か月以内にNagativeとNeturalが二つずつありちょっと微妙ですが、掲載写真の枚数数と説明文の多さとレンズの価格帯で考えて買ってもいい商品と判断しました。
郵送について
落札後お金を払ったら後は届くのを待つばかりです。
昔のヤフオクのように「取り引き終了までよろしくお願いします」みたいなご挨拶のやりとりみたいなものは一切ないです。
送料も最初に記載の通りで、あらかじめ登録してある住所が前提で進むのでとてもスムーズです。
購入後2、3日して、トラッキングナンバーの書かれた通知がeBayから来たかと。だいたい標準的なスピードです。
たまに一緒に業者のメッセージが届くこともありますが、ほぼお知らせです。
到着は10日後ぐらいだったかと。
郵便局の配達で、だいたい不在配達になってしまうので、いつも近所の郵便局に転送してそこに取りに行きます。
備考
商品説明には書いていませんでしたが、マウントに多分M39→M42ステップアップリングがついてました。
昔Mir-1の時に別で買ったことがあります。
こういうやつ。
ちょっと得した気分。
購入に際して
手頃な品も多いeBayだと2,000円ぐらいから10,000円越えまで多種多様です。
ですが一万円出すなら、国内品を買ったほうが諸々安心な気もします。
日本のオールドレンズショップは店頭だと1万円〜2万円ぐらい、ヤフオクやアマゾンだと1万円を切ったものはたくさんありますが、粗悪なものが混じってくる可能性はあります。
結局、知識や経験と、あと商品の到着時間の猶予(eBayはどんなに早くても一週間、一ヶ月くらいかかったレンズもありました)に応じて購入方法を選ぶことになるのでは。
なかなかどの購入方法がいいかは一概に言えない感じです。
自身でリペアしたレンズをヤフオク!に出品しています
安定した写りとオールド感のテッサー50mm【分解清掃・撮影チェック済み】Carl Zeiss Jena / Tessar 50mm F2.8 M42 _18t
価格 : 20,300円
時間 :
3日
(12/18 20:17終了)
入札 :
0
鷹の目のテッサー50mm シルバー【分解清掃・撮影チェック済み】Carl Zeiss Jena / Tessar 50mm F2.8 M42 _19t
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6日
(12/21 20:42終了)
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0
バブルボケのトリオプラン 50mm M42マウントに改造【分解清掃・撮影チェック済み】Meyer Optik / Trioplan 50mm F2.9_07r
価格 : 28,800円
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6日
(12/21 20:38終了)
入札 :
0
バブルボケのトリオプラン 50mm M42マウントに改造【分解清掃・撮影チェック済み】Meyer Optik / Trioplan 50mm F2.9_09r
価格 : 33,800円
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5日
(12/20 20:57終了)
入札 :
0
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4日
(12/19 20:57終了)
入札 :
0
リペア・調整したレンズのみ販売しております。購入をお考えの方いらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願い致します。
上手く撮れたと思う写真の振り返り、分析
開放でオールドらしさが上手く出た構図、被写体、光ではと。
去年、黒鏡胴のヘリオスで撮ったマネキンと対になるようで面白いシリーズにできるかもです。
そういえば記事後半の「歩いた辺り」に載せたショットにもマネキンがありました。
さらにそう言えば、写真家の写真にマネキンって結構見かけますね。
取りやすい素材なのかもしれません。
絞りとシャッター速度の比較
最近試みている、絞りによる描写の違いの撮り比べです。
絞りF2.0、シャッター速度1/1000
絞った周辺光量落ちもかっこいいですが、全体がやんわりと見える絞った感じもいいですねー
この辺の違いをその時の判断と表現で明確に選べるようにしたいと思っています。
絞りF8.0、シャッター速度1/1000
歩いた辺り
代々木上原をフラフラしつつ、上記の美味しいドーナッツ屋さん「Haritts」で食してから、
表参道のApple Storeで買い物をして南青山の方へ抜けて、
六本木ヒルズまでたぶん3時間ぐらい歩きました。
いい状態で撮れているとどんどん歩いてしまうんですが、さすがに三時間は後でどっと疲れが出て、その後は眠くてほぼ何もできないですが笑。
撮影情報
カメラ
カメラは5DmarkⅢ、画質はraw非圧縮撮影、撮影時のピクチャースタイルはスタンダードで5Dのモニター確認用としてのみの使用です。
PCに取り込んだ時にjpgは捨ててしまいます。
現像は現在PhotoshopCC2017で、レンズの特性を写真に残したいので、露光量で明るさを揃える程度の調整のみに留めていますが、比較写真などでは、ホワイトバランスを揃えることもあります。
コントラストや彩度などなどの調整は一切触ってません。
マウントについて
上の方にも書いた様にレンズはM39マウントでしたが、M39→M42ステップアップリングが付いていたので、そのまま通常のM42 → Canon EFを使ってます。
最近わかったんですが、HeliosはレンズによってCanon 5DmarkⅢ(Canon EFマウント)だと無限遠付近がミラー干渉します。ご注意を。
SONY α7(SONY Eマウント、NEXとも言う)では問題なく使えました。
近頃人気のOlympus OM-DやPEN、Lumix系はこの辺かと。
また、このOlympus OM-DやPEN、Lumix系の規格は50mmの標準画角レンズは約100mmぐらい中望遠レンズになりますのでご注意を。
マウントはカメラによって干渉等でうまく使えないこともありますので、ご自身のカメラでの使用の参考としてください。
また初心者向きの内容で、マウントについての記事を書きました。マウントに疑問点がある方はぜひ。
絞り
被写体との距離や、奥行きで撮るか平面で撮るかなどの状況に応じて、開放付近とF8〜F11あたりで合う方を比較しながら撮ってます。
シャッター速度
外の昼間が多いので、日差しの強弱や柔らかさやに応じて1/200〜1/1000ぐらい、コントラストを強く出したい場合などは1/2000ぐらいで撮ってます。
ISO
オールドレンズのため、カメラの露出測定はレンズや絞りによってかなりブレがあって、ざっくりとしか合わないので、撮りながら合わせる感じです。
基本的に絞りとシャッター速度優先なので、昼間の外でも「絞りF8・シャッター速度1/2000」とかにした場合ISOを1000ぐらいにあげることもあります。こういった場合、感度の高いカメラは便利です。
ホワイトバランス
外ではオートにしていることが多いですが、天気の悪い日や、自然光の入る室内などは固定にすることもあります。
マニュアルのケルビン(K)で合わせることは、室内でストロボ等を使う時のみです。
補足
コピーレンズHeliosのもとと言われるCarl zeiss Biotar 58mmにもついに手を出しました。
こちらもなかなかよく写ります。ひと記事書きましたのでよかったらぜひ。
「Carl zeiss jena Biotar 58mmはどのくらいHeliosの親玉なのか?」
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