2017 / 04 / 22

Digital Camera

なんで知名度低いの?Zeiss Pancolar 50mmは凄くいい!黄変トリウムレンズを街歩きで楽しむ- 千歳船橋から松陰神社へ

どうせなら亜麻色に黄身がかったトリウムレンズが面白そうじゃないですか!多少高くてもと思ったら、早速比較的手頃でいい状態のレンズが手に入りましたので、ちょうど桜舞い散る季節の中を歩いてきました。

レンズとメーカー紹介

Carl Zeiss Jena Pacolar 50mm F1.8

世界対戦後の東西に分かれたドイツの東側のCarl zeissのレンズ。筐体の文字は擦れていますが「Jena」と入ってますので間違いナイです。
この辺の知識はオールドレンズに2年目にして迷いなく言えるようになりました。

こちらは、レンズに含まれる酸化トリウムが放射線を発し、時間とともにレンズが黄色くなることで有名なレンズです。
この現象はツアィスだけの話ではなく、この時代の世界的に酸化トリウムのレンズが流行ったようで色んなメーカーのレンズでも見られます。
日本レンズだとTakumarの黄変ものをよく市場で見かけます。


ところがこのトリウム(Thorium)、黄変がまさにフィルターのようになって、ハレーションなどのレンズ内反射が抑えられてるようでなぜかとても撮りやすかったです。

とはいえ、色がついていることは変わらないので、いくら現代カメラの調整能力が凄くても、ちょっと日陰になると物凄い転び方をしました。

なので今回は3500K(ケルビン)ぐらいに固定して撮ってました。
天気のいい昼間の数値としてあり得ないですが、こういったクセがまたオールドレンズのわがままで面白いところでは。

本日のアジェンダ

・トリウムの黄身がかりはどれくらい撮影に影響するのか試す
・前回の続き千歳船橋からぶらぶらとスタート

トリウム色のホワイトバランス調整

ホワイトバランスを「オート」にしておくと、きっと今時のカメラは凄いホワイトバランスの調整を見せて逆に面白みに欠けるだろうなと、ひとまず「晴れ」に設定してみました。


見事な黄色味!


まあ面白いといえば面白いですが、さすがにこれではと


ホワイトバランス「オート」に変えてみました。
ベージュ的な黄身がかったところには薄っすら残っている気もします。


おーこれでもいいんじゃないかと思っていたところ、


壮大な転び方になってしまいました。
壁はほぼ全面青でした。
さすがのraw補正でもコレは骨が折れそうです。


なので今回はケルビンをさぐりながら、ホワイトバランスをマニュアル設定で固定にする事に。
日陰の太陽光が直接当たらないところでは多少色味が変わってしまいますが、固定値ならraw現像の際に、ある程度一括で調整できますので、撮影時にオートにして転んだものを、現像で一個ずつ直すよりいいだろうと考えました。


何枚か撮りながら調整しましたが、まあこの辺でいいかなと。
だいたい3500K(ケルビン)ぐらい。普通ならかなり青っぽく写る数値です。rawの現像の時は、緑⇄赤のバランスを結構赤に倒しました。

参考までに昼間の日差しがだと通常だいたい5000K-6000Kの範囲ぐらいです。
4000Kに近づくとかなり青っぽくなります。

ボケ味、フレーム周辺の描写


ここのところ、開放がF3.0辺りのレンズばかりだったので、このPancolarのF1.8は強烈にボケる印象です。


撮影最短距離は35cmですが、もう少し寄れるような気がして、やはりここのところ使っていたレンズが撮影最短距離50cm〜60cmでしたので、だいぶ寄れる気がします。


綺麗で素直、少し硬めなボケ印象でしょうか。開放でこの距離で奥にあるものがなんとなくわかるのは硬めと言っていいかと。


ピント面は結構シャープな印象で、F1.8から使えるボケは、多少、煩雑なフレームでもうまく周辺を整理してくれます。
オールド感がありながらも割とシャープな感じでとても扱いやすい気がします。


舞い散る花びらが美しい、日本の心を感じるフレームですが、Pancolor関係なしに難しい!
シャッター速度をガンガンに上げてトライしましたが、いい風を待つのが大変な上、そもそも花びらが小さくてわかりづらいんですよね桜は。


こういったショットは、開放で撮れば割とどのレンズでもうまくいく気がしますが、このPancolar50mmはF1.8が手伝って周辺光量の落ち具合が強い割には、ピント面が残って撮りやすいです。


画像周辺のブレが顕著に出ました。
右上の水の波紋あたり、写真中心から端に向かって柔らかくボケ始めた光が、端に近づくとバブルボケっぽくブレていってるようです。
何度も言うようですが、ピント面はスッキリ出ているからかボケのブレはそんなに気にならないです。


奥のボケは綺麗に溶けていますが、四隅は少し二線ボケっぽいかと。
こちらも気にはならない範囲です。

線の描写、色味

この項は絞りをだいたいF8.0程度にして、ピント面の描写がわかりようにしています。


おー使いやすい。
何処となくTessarの風味がいい感じ。


ホワイトバランスをマニュアルで合わせても薄っすら黄身がかって、それがレンズの線の表現とマッチして穏やかにフィルム感を感じます。


色乗りもなんとも安定していて、いい感じの彩度かと。


落ち着いた描写はやはりツァィスパワーでしょうか。
スゴく勝手な意見ですが、ゼブラ柄の頃のレンズは新旧が上手く混じり合って風合いが一番いい時代だったんじゃないでしょう。ホント勝手な意見です。好みですしね。


露出を日陰に合わせて吹き飛ばしたフレームですが、残したい部分キチンと残って四隅の表現も素直な感じ。
なんだかべた褒めです。


何でしょうこの安定感と情緒のある色味。
ホワイトバランス少し調整しましたが、あとは撮って出しでこの雰囲気は素晴らしいのでは。

ちょっとコントラストをつけてみたくなりました。
rawでシャドウと白レベルと黒レベルを調整、彩度少し上げ

おや?なぜか青みが上がってきた印象。
締まった感じはいいかと思いますが、色味の調整は必要ですね。やはり黄変の影響は軽くはないようです。


日陰の柔らかい光。
少し青みがかってますが、これはこのままがいいような感じで調整せず。
また、地面は少しボケてますが、絞りはF8.0でそれなりに絞っています。


ピント面はサラリとシャープ、濃すぎないコントラスト、柔らかく鏡筒内に回る光でのハレーション。
この日陰と相性がいいところもあるでしょうが、やはりちょうどいい時代の技術が生んだレンズに思えます。


松陰神社駅付近の商店街は古い建物が結構残っていて、新しい建物より反射が柔らかい気がします。
あーそういうことだったのか思いました。
コレ写真に大事な事ですね。気がついてよかったです。


さすがにこちら緑っぽいので、現像でホワイトバランスを調整しようと思いましたが、結構崩れていて、なかなか調整難しく断念しました。
最初にカメラのホワイトバランスを合わせた時間からだいぶ経っていますので、日陰はちょっともう限界だったのかもしれません。


このぐらいの日陰ならまだホワイトバランスの問題はないように思えます。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

Carl Zeiss Jena Pacolar 50mm F1.8

最短撮影距離は35cm、1968年ぐらいの製造。
絞りバネ8枚でレンズ構成は4群6枚のダブルガウス型。

レンズの世代は、大まかに、
初代 F2.0/50mmがグッタペルカと言われる薄い皮が巻かれたもの
2代目 F1.8/50mmとなりゼブラ柄モデルのトリウムレンズ
3代目 同じくゼブラ柄ですが、レンズ構成が5群6枚になりレンズの材質も変化
4代目 鏡筒が黒鏡筒
とあるようで、今回のトリウムレンズが良かったので他のもちょっと気になりますね〜

購入詳細

eBayでlenses_vault_alphaという100% Positive feedbackの業者から送料等込みで10,514円。
トリウムレンズとしては手頃に購入できたのではと思います。

撮影サンプル写真にいつも同じ人形を置いているのが印象的な業者で、結構この業者から買っている気がします。
レンズの状態写真も多く、中山が気にしている絞りを絞った写真他、多数のサンプルもありがたい業者です。

届いたレンズは、ピントリングの回転の最初と最後で絞りバネが少し動き、ピントの最後のひと合わせはちょっとやりづらい感じですが、まあ十分な状態かと。
こちらの業者、最高のものは来ないけど、ハズレも来たことはない気がします。

eBay価格帯は、10,000円弱〜20,000円ぐらいでしょうか。他のレンズに比べ比較的安定した価格と質が並んでいるような気がします。
ヤフオクだと1.5倍〜2倍ぐらいでしょうか。割と高く感じる上、あんまり板が活性していない気も。
いいレンズだと思うんですが、人気がないような気がします。

黄変のレンズは少し割高のようです。
Thorium、Lanthanumあたりの文字を検索に入れるとかかります。

ダブルガウスで貼り合わせのレンズが二つある割には、バルサム切れでの「曇り(Haze)」の記述はあんまり見ないような気も。
ないに越したことはないですが、貼り合わせ二枚のレンズはバルサム切れっぽい記述は気をつけたほうがいいところかと。

マウント

今回使ったCanon 5DなどだとCanon EFマウントと呼ばれますので、M42マウントなので、M42 → Canon EFのこう言った薄いやつです。

SONYα7シリーズだとこの辺です。

マウントはカメラによって干渉等でうまく使えないこともありますので、使用の保証はできませんのでご留意ください。

フレア、ゴースト、ハレーション

撮り始めた時点で気づきましたが、今までのオールドレンズに比べ明らかにハレーションが起きづらいです。
黄変の影響ではないかと。


無理のない範囲で結構強引に太陽にレンズを向けたんですが、かなり粘ります。
逆光強いです。


ちょっと太陽光のラインから外れると、全然普通のコントラストになります。


こうなりゃ意地でぐらいに試したんですが、こちらで最高値です。いいことではと。
ともあれ黄変を直すとこの逆光への強さもなくなってしまうんでしょうか。

上手く撮れたと思う写真の振り返り、分析


こちらいいんじゃないかと思うんです。

光源がないようで、草が光を受けていて後ろからの太陽を感じさせてくれますし、F8.0の絞りが全体のすっきりしたシャープ感を見せながらも、アスファルトと交わったボケが奥への距離感の演出もしてくれてます。
アクセントの花の赤二つと、それを引き立たせる朱色のキックボード、さらに左下の薄いオレンジの車線のほのかな差し色。

こういうのをサッといっぱい撮れたらブログももっと華やかですかね〜
目指したいです。

絞りとシャッター速度の比較

絞りF1.8、シャッター速度1/1000、ISO640

絞りF8.0、シャッター速度1/1000、ISO640

Raw現像の時点で明るさは多少露光量で合わせています。

それにしても、絞り値は違うのに、なぜかシャッター速度1/1000とISO640が一緒です。
メタデータの記録がそうなので、そう記載するしかないですが、本来ならISOは相当変わると思うのですが、、

ともあれ、F1.8に周辺光量落ちは真ん中に目線を持ってくるのにはもってこいではないかと。
絞った絵も素朴な感じでいいですが、開放のほうが絵作りはしやすいでしょうか。

あと最近知ったんですが、開放で真ん中のピント面が合いづらいというか、ボヤッとするの『球面収差』っていうんですね。
調べたら理屈も納得しました。

向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして

F1.8でこれだけ絞り開放の描写に幅があれば、ポートレートは問題なくいけるのではと。
うっすらと柔らかい感じの線は、肌の質感をちょうどよく出してくれそうな気がします。

とはいえホワイトバランスのチェックはかなり入念にやる必要がありそうです。
カメラのモニターのチェックだけでなく、PCできちんと確認してからでないとちょっと怖い黄変度合いかもです。

歩いた辺り

『千歳船橋駅』街撮りオススメ度★★★☆☆=3

北側はすぐ住宅街になってしまうので、あまり歩きどころはないかと思います。

少し奥の方にあるこの絵だけはすごく目立ちます。

南側の商店街の一角は、比較的街歩きに良さそうな街並みです。

定番的なたい焼き。こういったものをつまみながら歩く街撮りは最高です。


昔ながらの商店や、古民家を改造したようなお店が少しありました。
とはいえ、この付近だけを街撮りの目的にすると少し時間が余るかもしれません。

実際自分も少し撮り足りない感じで、バスで行く距離の「砧公園」を考えたのですが、かなり大きいみたいで行ったら、もう二、三時間コースになりそうで、ちょっとそれはお腹いっぱいかなと今回は断念しました。
また他のルートで出会うこともあるかと。

と言うことで、渋谷で買い物をしたかったので今回は渋谷で終わろうかと、タイミングよく見つけた直通バスへ乗車。
バスに揺られながら知らない街並みを眺めるのもいいかなと。

ところがこのバス、かなり乗車時間が長い!
しかも、バスの後部が一段高くなっていて立っていると外が全く見えない!

既に20分ぐらい乗って窮屈な上、立っていて外が見えない状況はなかなか辛い。
Google Mapを見るとまだ半分ぐらいしか来ていないもようで、折角の街撮りの日を無駄にしてるような気がして来ました。


そんな時、世田谷線の小さな駅「松陰神社前」なる文字を見つけました。
何か光るものを感じ即下車!

『松陰神社前』街撮りオススメ度★★★★★=5


世田谷線といえばコンパクトの電車が、レトロな路面電車を思わせるような可愛い電車で、帰りはそれで大回りもいいかなと。


「松陰神社前駅」までの細い路地に入ると、落ち着いていながらも賑わいのある雰囲気の商店街。


古民家改造風のおしゃれな店が多く、街撮りにとても適した感じです。


ざっと見たところ、ゆっくりできそうで価格も手頃な様子です。
バス停から通り沿いを松陰神社まで10件以上はカフェがあったでしょうか、何日も楽しめそうです。


気のせいではないと思うんですが、この商店街のような通りは光が柔らかくて街撮りに適しているかと。
古い建物を残したり、派手な新しいものを置いたりしないことが、硬い光の反射物を増やしていないのではと思います。


実際、駅には「まちづくりのルール」みたいなものが書いてあり、街の雰囲気を維持する努力をしているようです。
特に4番の「建物の1階部分は店舗・事務所とし、商店街機能を維持します」は唸りました。中山の地元の商店街とか完全シャッター街です。


よくよく考えるとこの日は二箇所回ったことになりました。


天気が穏やかでどこを歩いても桜が舞い散る街歩き日和で気分が良かったのもありますが、千歳船橋で少し撮り足りないなと感じていたところに、撮りがいのある松陰神社周辺の街並みを見つけてしまって歩みを止められなかった感じもあります。


もう一回行ってみたい感じす。


そして可愛らしい世田谷線に乗り込み終点の三軒茶屋について本日を終えることになりました。


次回は三軒茶屋駅前からスタートします。

撮影カメラ情報

Canon 5D markⅢ

BL6A1471
カメラは5DmarkⅢ、画質はraw非圧縮撮影のみjpgを残すのをやめました。というよりjpgつけないとカメラでの撮影確認できないと思ってました。
撮影時のピクチャースタイルはスタンダードですが、もうほぼ関係ないと思います。

現像・調整

現像は現在PhotoshopCC2017で、レンズの特性を写真に残したいので、露光量で明るさを揃える程度の調整のみに留めています。
とはいえ今回は撮影時3500Kで撮ったものを、現像で若干ホワイトバランス調整しています。特に緑味が強かったところを補正しています。

絞り

今回は場面に応じて、F1.8開放とF8で合うほうをチョイスしています。

シャッター速度

天気が良かったので、日差しの強弱や柔らかさやに応じて1/1000ぐらいでだいたい固定でした。

ISO

オールドレンズのため、カメラの露出測定はレンズや絞りに応じてかなりブレがあってざっくりとしか合わないので、撮りながら合わせる感じです。
基本的に絞りとシャッター速度優先なので、昼間の外でも「絞りF8・シャッター速度1/2000」とかにした場合ISOを1000ぐらいにあげることもあります。

ホワイトバランス

今回は特殊な例かと思いますが、昼間の屋外なのに3500Kで撮ってます。
相当黄変しているのだと思います。