2016 / 05 / 26

Digital Camera

扱いやすいオールドライカの中望遠 Leica Tele-Elmarit 90mm F2.8 第一世代

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レンズとメーカー紹介

中望遠ながらとてもコンパクトで扱いやすいTele-Elmarit。
1964年製の今年52歳のレンズ。

Tele-Elmarit Leica 90mm/F2.8 Leica M mount 1964年(第一世代)
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見た目よりも少し重いですが、小さいという価値は持ち歩きや普段使いに大きく差が出ると思います。
特に街撮りでは。

本日のアジェンダ

・Leica M用ヘリコイドマクロを使って近距離からの中望遠の可能性を試す
・町歩きを加速するために、駅を単位に歩いてみる

線の太さ、シャープ

細く柔らかな線は前回のSummiluxと同じように感じますが、気持ちTele-Elmaritのほうが細いでしょうか。

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90mm望遠だとヘリコプターはこのぐらいの大きさです。

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手持ちカメラな上、少し風がありましたので1/400ぐらいまでシャッター速度を上げましたが、90mmだとこの距離でこのフレームは難しいのかもしれません。パキッとは撮れませんでした。

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同じく1/400ぐらいでしたがこちらは案外シャープに出たのではと。当然走っている電車です。

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また、こういった光が少ない状態での細かい描写はLeicaの強みなのではと。
ピント面の描写表現も素晴らしいですが、シャドウ面のこまかな光の差をきちんと捕らえてベタッとならない、繊細な階調表現が出来ます。

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とても頼もしい。

ボケ味

とても柔らかい溶けるようなボケではやはり前回のSummiluxと同じ感覚ですが、望遠になった分、一般的な望遠レンズと同じように歪みがだいぶ減っているようです。

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距離感の演出に、シャープな面と、ボケの面の違いを容易に扱え、それが映画的な演出にもなるような気がします。

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また、それほど強くはありませんが、玉ボケもでて、写真の演出のギミックに使いやすい玉ボケです。

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少し絞ってピント面を広くとっても、比較的なだらかにボケて、情景の説明をしながら被写体の存在感を前に出すのも容易です。

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中望遠ならではの、フレームの中に距離をつけながらのボケの演出として見本のようなレンズかと思います。

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色味、フレア、ゴースト

好みもあるでしょうが、逆光時に入りやすいゴーストは結構絵に影響がでます。

開放F2.8
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第一世代1964年製造オールドレンズの宿命かと思いますが、現在のレンズコーディングで内部反射を抑えるレンズに比べると逆光の描写に弱いです。

F5程度
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とはいえ味としてしまえばそれも楽しい部分で、それこそオールレンズっぽさ、

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レトロ感や、ノスタルージな趣を見せてくれる部分かと。

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当然ながら、後加工や、Photoshopフィルター等一切使っていません。(3つ上の花の写真は、比較のため明るさだけ合わせてます)

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購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

購入はカメラファン御用達のMap Cameraで、netで決済前の大放出を偶然見つけて、翌日店舗に走りました。
なんと69,800円で購入!
いい状態でこの価格はかなりラッキーではと。

Tele-Elmarit Leica 90mm/F2.8 100cm Leica M 1964年(第一世代)
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と言いながらも今いくつかサイトで検索してみましたが、同じぐらい手頃なものもあるようです。
とくにeBayではゴロゴロありますね。この価格帯をeBayで買うのはかなり勇気がいりますが。

また、ライカレンズは個人ではリペアが相当難しようなので、中のレンズの曇りやカビ、駆動系の状態は気をつけたほうがよさそうです。どれも高価ですし。

マウントは、Leica M → NEX(Sony Eマウント)マウントで、現在マクロ付きヘリコイドを使用していますが、手持ちで望遠レンズを接写はほぼないです。ブレブレです。

スタンドを立てて、風のない室内なら問題ないと思いますが、街撮りでは望遠+マクロはちょっと難しいと思いました。

上手く撮れたと思う写真の振り返り、分析

こういった写真は実はあまり撮ったことがなかったんですが、中望遠でこういった絵作りも楽しいですね。

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写真家ソール・ライターの映画を去年見て、憧れを持ってたんですが、たぶんこんな感じで撮っていたんだなと思いました。

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望遠気味、画面内の色と構成、ピントよりも雰囲気を撮る感じかと考えます。

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少し足りない写真の反省、分析

こう撮ってしまうと、標準レンズの取り回しの良さに真っ向勝負な感じで部が悪いのかと。

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ぶれやすい、絵は標準画角と似てる感じではと。

向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして

上記「色味、フレア、ゴースト」の項でも書いたように、逆光でのゴーストが結構入るので、窓際でのポートレートを撮る時は少し表現の制約があるかもしれません。

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淡い感じに撮りたい時は、いい味になってくれると思いますが、パキッとした宣材写真のような写真では、後加工での調整が必要です。
と言ってもシャドウ部分を少し強めればいい程度ではありますが。
良くも悪くもPhotoshopは便利です。

歩いた辺り

今回から行動の起点カテゴライズをしやすいように「〜駅下車」としてみることにしました。

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まずは、小田急線参宮橋から途中用事を済ませながら新宿駅付近をフラフラ。

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参宮橋近くの代々木公園宝物殿の庭はとても綺麗な場所でオススメの癒しポイントです。

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撮影情報

カメラはSONY α7Ⅱ、画質はraw非圧縮、現像ソフトはPhotoshopCS6で写真によっては多少「露光量」「白レベル」を調整してますが、そのままの撮って出しも多いです。

絞りは開放F1.4〜F8ぐらいまで、シャッター速度は90mmの距離を考慮してブレの軽減のために1/200を軸に、ISOは絞りのニュアンスを優先で最後に調節用に使いました。

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ホワイトバランスは、今回のレンズはゴーストの影響もあり日陰で撮るようにしたものも多かったので、プリセットの日陰で撮ったものが多いです。

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