2017 / 09 / 27

Digital Camera

シャープで撮りやすいVEGA-5U 105mm しかし‼︎かなりのハレーションが⁉︎ in 祖師ヶ谷大蔵 and in 下北沢

Zeiss Biometarがコピーもとの、引き伸ばし用レンズとの情報以外あまり見つからないマイナーなレンズですが、個性としては比較的面白い部類のレンズではと思います。

レンズとメーカー紹介

VEGA-5U F4 105mm

ヘリコイド部分も含めるとかなりの大きさになる本レンズ。
実はお借りしたレンズで、撮影までの話は少し長くなりそうなのでまた後半に記載することにします。


a7だとM42のマウントも挟まってこのバランスです。
この状態が無限遠付近なので、近撮影はもっと存在感が出るうえ重厚感もかなりあってレンズの方に傾いて、昔バンドをやってた頃に使っていたGibsonのギター「Firebird」(今も持ってます)を思い出しました。

本日のアジェンダ

・情報の少ないVEGA-5Uの写りは如何に
・ほぼ望遠画角の105mmは街撮りで生かせるか
・何年も前に行って気になっていた街「祖師ヶ谷大蔵」へ
・撮り足しで下北沢にも
・改造版をお借りするまでの流れ

ボケ味、フレーム周辺の描写、色味


綺麗に溶けるボケですが、形は残る硬めのボケでしょうか。
それにしてもすごいハレーションです。
窓際でここまでのハレーションは、たぶん今まで試したレンズでナンバーワンでは。


絞ってもハレ気味ですが、ボケとしては105mmの距離感で考えればこのぐらいでちょうどいいボケとハレかもしれません。


若干硬めのボケの感じはOrestor100mmのイメージに近いでしょうか。
ハレーションは抜きとして、ピント面のシャープさもMeyerっぽいイメージにも見えます。


こちらはなんとかハレーションを逃れながら日差しを捕らえることができました。
ピント面のハイライト部と、端に行くにつれて甘くなっていく雰囲気がいい感じではと。


日影ですが、正面からの光でここまでハレーションを起こしました。
ピント面からボケまでの流れはとても綺麗だとは思いますが、なかなか使い所は難しいカモです。


段階的なボケは望遠レンズの美味しいところではと。
前ボケが綺麗に入りアクセントの黄色い紙も綺麗にボケの段階がついたかと。
光源の調整さえうまくいけば、その分表現範囲が広いレンズと言えるかもしれません。


望遠らしく少し離れた位置が撮れるので、ハレーションと交えて抽象的に切り取るというのは面白い考え方かもしれません。


ダメだろうと思いつつも挑戦。
やはりハレーション気味ですが、この場所の雰囲気は表現できたかと思います。ボケとピント面の安定感は抜群かと思います。


このレンズは面白いところとして、105mmの中望遠としてはかなり珍しく公称20cmまで寄れます。
とはいえヘリコイド部分が別付けなので、せり出せるマウントならぶつかるまで寄ることは可能なのかもしれません。

「かすみの除去」で調整

ハレーションの問題をだいぶ取り上げてきましたが、実はPhotoshop RawやLight roomでは「かすみの除去」という機能を使えばその辺はクリアされてしまうところではあります。

選択肢としてまったく否定していませんが(むしろ中山はかなりのPhotoshoper)、このブログでは撮影時のレンズとの対話みたいなものを大事にしたいので、敢えてraw調整していない写真を載せてます。

ピント面の解像度、絞った際のシャープさ、収差


このシャープさ!
コントラスが綺麗についているところと、少しハレーションが回っているとことがあって面白いバランスでは。


しかし角度を誤るとこのフレアで、ピント面のコントラストが崩れると、もうなんだかわからなくってちょっと厳しいです。


レンズに光が向かって来ていなければ、もしくは遮れていれば、グッと質感が上がって比較的落ち着いたピント面で収まるかと。


結構高い位置の看板ですが、かなりシャープは保たれました。
奥のボケは色が破綻していますが、看板のほうは保たれていますね。そういえばここまでを見ても色味はハレーションがあっても比較的安定しているのかもしれません。


影に入れれば同じレンズとは思えないコントラストで、模型のから揚げですがいいシズル感ではと。


なんというかストーリーがある感じで、個人的に好きなショットです。
花に斜めに入った光の筋が、ピント面に面白いバランスを持ってきてくれていますが、これは構えてカメラを動かしてみて、やっとハレーションのラインみたいなものがわかったのでなかなか意図して撮るのは難しいかもです。


105mmだとまず周辺光量落ちはないのかもしれませんので、こういったフレームは難しいですね。
せめてコントラストがつけば雰囲気が出るかと思いますが、このレンズではちょっと条件が難しすぎます。


何度も言うようですが、影に入れれば使いやすいシャープの具合です。
ボケとの馴染み方がとても綺麗かと。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

最短撮影距離20cm おそらく1991年製 絞り6枚羽根 4群5枚レンズ構成 フィルター径45mm。

このレンズは購入時はヘリコイドがない状態のものでした。
上部だけのような感じです。

購入したのはeBayで6,156件 100% Positive feedbackのkubanoidkubanoid。
8枚写真があり、中山が大事にする絞りの開閉写真あり、商品説明はこのレンズは綺麗であなたにいい写真をもたらすでしょう。深い傷はないですし、気泡もバルサム切れもカビもありません。でも少し清掃傷はレンズに見つかります。このレンズは綺麗な外観のいい状態です、アイテム写真をよく確認していください。全てきちんと動きます。

絞りしかないので、全てきちんと動くも何もないと思いましたが、レンズは綺麗なものが届きました。絞りバネは油染みがありましたが、動きには問題ない感じでした。


ところが、M42マウントと書いてあったのでウチにある可動式のM42マクロマウントでなんとかなるかなと思ったんですが、なんと径が合わずはまりません。

なにか形状を一旦変換するリングやマウントを買えばいいんでしょうが、中山はこの辺の知識がゼロに近いです。
最近はリペア販売のおかげで一定のジャンルだけ異様に詳しいですが、フランジバックや細かなマウントの互換性はまだ未開の地なのです。

と言った感じでいつか改造を試みようと思ってたのですが、あっという間に半年ぐらい経ってしまい、今後も後に回ってしまいそうな作業でしたので一旦売却することにしました。
また試そうと思った時に仕入れるべきかと。

オールドレンズは特に、限りあるプロダクトの価値を、色々な人の手に渡りながら保ち続けていくべきようなところがあるかなと思いますので、使わないのに持っているのはよくないかと考えました。

購入してくれた方が貸してくれることに

ところが世の中何が起きるかほんとよくわからないもので、なんと購入してくれた方がこのブログを見てくださっており、マウントの改造後、貸してくださることになりました。


多少是非を考えましたが、このブログが発信だけでなく、場となるようなこともゆくゆくはできたらいいなと考えていましたので、その一環として出会いがあった方のご好意に甘えることにいたしました。
ありがとうございます。

オールドレンズを始めてそれほど経っていないようですが、カメラ歴は長く技術面の趣向に深い記事も書かれていらっしゃる方で、今回のVEGA-5Uの改造記も記事にされています。
かなりのハイレベル!!
マウント周り興味ある方必見です。

購入に際して

eBay価格だと送料を入れると5,000円ぐらいでしょうか。ヘリコイドはないのが普通ですが比較的手頃です。
とはいえ前述のようにマウントの改造は素人には無理なので、上級者でないと厳しいかなと思います。

ただこの辺のマウントの改造がわかると選択肢が広がって楽しそうなんですよね〜
いつか踏み入れたい沼のエリアです。

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向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして


ピント面のシャープさは少し離れたものをはっきり撮れて、105mmで前後ボケを出しやすいのはこのぐらいの距離感ではとてもいいです。
その点はポートレートには向いてるかと。

でもハレーションはやはり手ごわいので、もう一本同じぐらいの画角のレンズを持っていきたいところではと。

歩いた辺り


何年か前に何度か来て、いい趣の商店街だったと思ったんですが、思っていたより小綺麗になったような気がして街撮りとしてはちょっと難しいかなと思いました。

『祖師ヶ谷大蔵』街撮りオススメ度★★☆☆☆=2


祖師谷大蔵といえばウルトラマン。発祥の地とのこと。
キャラものなのでガッチリ載せるのはやめて影に撮りました。


夕焼けニャンニャンの頃のとんねるず世代だと、この街にはあのサイクリング屋があることを思い出すでしょうか。
すごく綺麗な自転車屋が通り沿いにありました。


ウルトラマン関連のオブジェ等はちょこちょこありましたが、キャラものですので避けていたらなかなか被写体は探しづらかったのが正直なところ。


105mmの望遠画角だと寄りが増えて、一点に集中するフレームになりがちなので、この街とは少し相性が良くなかったかもしれません。

別日に下北沢へ


そんな訳で写真が足りないかなと、「東京ぶら街写真。」の企画前に何度か来ているとこではあるんですが、別日に下北沢でも撮り足しました。
この街は寄りに対応するオブジェだらけと言ってもいいかと。


ハレーションの白んだ感じに合うものもいたるところにあって、フレームには困らない街かと。


ちょっとしたものも存在感があって特徴をフィーチャーしやすいです。


文字の欠けのバランスが面白いのでは。
この街にあるものはなんでも個性を持たせて意図して作られているような気がしてしまいます。


ちょうど雨が降って来そうになったので、軽めに撮り足して今回は終了しました。

撮影カメラ情報

SONY α7

Raw現像

現像はAdobe BridgeCC2017で、レンズの特性を写真に残したいので、サンプルとして載せた「かすみの除去」の写真以外は、コントラストや彩度等、一切いじらずノー調整、ノーフィルターです。
露光量はたまに明るさを揃える程度に使っています。

カメラの設定

絞りはF4.0〜F8.0ぐらいで、ハレーションとボケのバランスを気遣いながら調整した感じです。
シャッター速度は1/1000を基準に絞った時は1/400のぐらい、ISOはそのフレームに応じて明るさを合わせる感じで使います。
ホワイトバランスは「晴れ」でした。

補足

Digital Camera

 


 

 

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