2016 / 06 / 21
ファイダーの時点でフィルターをかけたようなレトロな風合い Jupiter-11 135mm F4.0 Leica L マウント
レンズとメーカー紹介
レトロな風合いが、オールドレンズと言う名称のイメージ通り写ってくれるからか、ここのところ街撮りではロシアンレンズを手に取ることが多い気がします。
そんな本日は、ロシアンレンズJupiterの中でも少しマイナーなイメージのある中望遠レンズJupiter-11。
Jupiter-11 KAZAN 135/F4.0 250cm Leica L 1957年
Zeissの名玉Sonnar 135mm が、戦後の賠償問題の関連でソ連からコピー・改良生産されたレンズで、Helios44やJupiter9のように数は出回っていないようですが、重めの過去に相反して手頃によく写るレンズとして楽しめます。
本日のアジェンダ
・ソールライターの写真のように、そこにある雰囲気を写すような撮り方で、中望遠の可能性を試す。
・ピントよりもフレームのバランスと色を大事に撮る。
線の太さ、シャープ
今回は、ソールライターの風合いを!
とばかり考えていたら、どれも絞り開放F4.0の写真になってしまいました笑
とはいえ1957年と年代物で、135mmの中望遠と考えれば問題ないピント面ではと。
望遠レンズこそ、α7の手軽なピント拡大機能が便利思えるのかもしれません。
何て言いながらも、こちらの紫陽花は明るすぎるのもあって少し絞りました。
線の感じはJupiter-9とそっくりでしょうか。もとになっているレンズが一緒のSonnarなので当たり前といえば当たり前なのかも。
今回のほとんどの写真は明るめに撮っており、以前のJupiter-9とはコントラストがだいぶ違う感じですが、以前の記事は5Dmark3で撮った写真であることも大きな違いではあると思います。
135mmの画角、最短撮影距離250cmと、被写体までの距離を仕様からもだいぶ感じますが、これだけ線が出れば十分なのではと思います。
ボケ味
開放でもF4.0ですので、思いっきりボケはしないですが、心地いい加減のやわらかなボケです。
こちら二枚、空と手前の花と、交互にピンを合わせてみました。
ボケの変化がわかりやすいのではと。今後の定番にしようかとも。
こちらの後ろの森は花から相当距離があったので、かなりボケた上に玉ボケも出ましたが、なかなかこの距離感と光の向きを構図を探せる場所も少ないと思うので、玉ボケを期待するような撮り方は限られるかなと思います。
ポートレートなら奥の電柱の辺りがいいくらいでしょうか。
開放がF4.0だと良くも悪くも手前のボケは形が良くわかります。
135mmでよく見かけるF2.8の絞りと比べると少し物足りないかもしれません。
こちら、目指せソールライターのイメージで、感覚でぼかしたショット。
好みはさて置き、調整やフィルターなしでこの味が出るのは、1950年代以前のシルバー銅鏡系レンズのみが持つ良さなのではと思います。
のべ曇りでしたが、昼間の空とのコントラストでも完全には潰れずここまで保ってくれました。
ピンはエアコンの室外機の手前の取っ手あたりに
古びた被写体との相性がバッチリで、なんと言うか、すっとフレームが収まる感じです。
色味、フレア、ゴースト
ざっくり言えば、ゴーストしまくりです。
光の方へちょっと向ければすぐ白い影が入ってきます。
が、
いいじゃないですか、
とても古びたレトロな感じが簡単にファインダーで見れるのです。
近頃スマホアプリや、Photoshopのフィルターアクションなど、一時よりだいぶ便利なった分、フィルターのかかった写真をよく見かけるようになりましたが、それはあくまで後工程の味付けです。
実際の光の反射を感じながら、ピントリングを回す楽しさ。
Jupiter-11はそれが満載のレンズとまとめていいのではと思います。
購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考
購入はeBayで、ussr_lens2015 という100% Positive feedbackの業者から4,801円で購入。
Jupiter-11 KAZAN 135/F4.0 250cm Leica L 1957年
Lenses is very good state. Inside there is a little dust. On petals diaphragm is dry also work perfectly.
と、さらりとした説明でしたが、安いしいいかな的にいってみました。
もろもろ全く問題ない感じです。
ですが、ちょっとロシアンレンズな匂いはします。
オイルのようなヘリコイド潤滑材の匂い。
こればかりはPCの画面ではわからないです。
ちなみにeBayでの表記は M39でした。
Jupiter 11 135mm F4 M39 Leica Screw Mount Sonnar Copy 1957 Year Red P
eBayの一覧で見るとM39マウントをM39 → M42 変換リング → M42マウント のゼニットマウントM39の記事が多い気がしますが、こちらはラッキーなことにLeica Lマウントでした。変換リングはいりません。そのまま使えました。
上手く撮れたと思う写真の振り返り、分析
こちら、ちょっとソールライターな香りがしないですかね〜
人物は映っていないですが、何の変哲もない路地に何か感じる絵に撮れた気がするんですが、どうでしょう。
少し足りない写真の反省、分析
長い道で、遠景と人物で上手く撮れそうだなと考えていたところに、原付のバイクがやってきました。
画角の問題でフレームに収めるポイントがこの瞬間しかなかったんですが、
う〜ん。
もう少し出来たんではと心残りです。
ピンを原付にと焦ったんですが、いっその事、がっと無限遠にピントを回してしまうとか、α7の液晶を見て、ボケだけイメージをバッと合わせて撮っても良かったのでは思ってます。
向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして
ポートレートに案外面白いかもと思ったりしますが、最短撮影距離が250cmだと結局他のレンズと変えたりが必要で、さらにメインとなりづらいLeica Lマウントではなかなか出番はないかなとも。
歩いた辺り
今回は東北沢付近をブラブラと。
この辺り、静かでいいですね。
小田急各駅にはなってしまいますが新宿も近いし。
でも渋谷へ行くとなると、下北沢乗り換えで、一駅分の小田急の料金を払うのは何か嫌かも。
撮影情報
カメラはSONY α7Ⅱで、画質はraw非圧縮。
現像ソフトはPhotoshopCS6 rawで、写真によっては多少「露光量」「白レベル」を調整していますが、そのまま撮って出しが多いです。
またこのブログでは、レンズの特色を前面に出したいので「コントラスト」「明瞭度」「彩度」等、写真内のバランスを変える調整はしていないです。
今回は、ほぼ絞りは開放F4.0固定で、シャッター速度は1/200ぐらいで、種変更料オチも少し狙っています。
ISOは明るめに手動で適宜といった感じです。
ホワイトバランスは、曇りの日でもあるし、少し黄身がかったほうがオールドレンズに合う感じもするのでプリセットの「雲天」です。
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