2017 / 02 / 16

Digital Camera

大口径レンズの一つの到達点。時間を有機的に止めるCarl Zeiss Distagon T* 35mm F1.4

もう三年ぐらい前なのですが、いつか書こうと思いつつ時間がだいぶ経ってしまった写真達です。
レンズと相性のいい状況を撮影できた写真たちで、記録に残したいと思っていた夜明けの代々木公園です。

レンズとメーカー紹介

有名なオールドレンズBiotar、Sonnar、Flektogon-35mmをはじめ、現在メジャーなレンズメーカーとしていくつもレンズブランドを展開している老舗メーカーCarl zeiss。

今回はその中Carl Zeissの現在の銘玉 Distagon T* 35mm F1.4 ZE。

・マニュアル操作
・手頃な単焦点よりぐっと高い
・値段の分よく写る!
・値段が跳ね上がる上位クラスの入り口

と言ったあたりの理由で、大口径単焦点として一つの到達点と思うレンズです。

当然ながら十分よく写るのですが、この繊細な描写でいったい何を撮ればいいだろう?
と、しばらく悩んだレンズで、そのひとつの答えになったと思う撮影の投稿です。

歩いた辺り

年末のかなり冷える朝で、前日は夜まで雨。
仕事で朝方まで起きていたのですが、いい天気になりそうな雰囲気でした。

地元の田舎に住んでいた頃の感覚の記憶で、この感じは、朝日と共に土の中の水分がいい感じで蒸発する「ちょっと幻想的な朝」になるのでは?と予想され、これは撮りに行くしかないと思いました。

もうひとつ使い所が見つかっていなかった準広角Carl Zeiss Distagon 35mmを持って、そのまま寝ないで代々木公園へ。

出かけたのは6時半ぐらいで、むちゃくちゃ寒かったです。
寒いのは大キライですが、撮り始めたらレンズとやっと分かり合えたような気がして、楽しいフレーム探しの撮影ができました。

本日のアジェンダ

・35mmで表現ができる描写の探求

時系列の写真と絞り等の設定


ちょっと曇が良くない位置にあるかな?
とも思いましたが、だいたいイメージ通りの霧?靄?ではありました。


序盤の写真は、絞りF2.0〜F4ぐらいで、霧との兼ね合いがちょうどいいところを探しながら撮っていた感じです。
5D markⅢで、ISOは100で固定。シャッター速度は1/100〜200あたりで、絞り優先で撮ってます。


こんな時間から公園のおじさんが掃除をしてました。


ちなみに朝日当たるところ以外はまだこの状況。
切り株の霜を見てるだけで指先が痛くなりそうです。


切り株に寄ってみました。
絞りはF2.0。根っこのあたりをボカシたかったので絞りを少し開いてます。
とはいえこういった近距離写真は今まで何度も撮っているので、何枚か撮ってすぐ風景に専念しました。


このあたりの時間から人が増えてきた気が。


土地柄か、犬の散歩の人が多い気も。
(代々木公園にはドッグランがあるので周辺にもドッグOKのカフェとか多いです)


この辺からは絞りはF4.0ほぼ固定に。
F8.0ぐらいでもいい気がしますが、霧のふわっとした感じを残したかったので、F4.0あたりで止めました。


だんだん日が強くなってきて、シャッター速度は一気に1/500近くまで上がってます。
でもこのぐらいのシャッター速度の切り取り感が、一番いい状態で収まっている気もします。


こちらの虹ような輪は、絞りやシャッター速度等の設定は同じで、雲の状態か、太陽が少し枝にかかったため起こったようです。


この辺まで朝日が上るとゴーストが入ったりで、光の状況が変わってきて、太陽の形を残すのは難しくなって来ました。


でもこの辺が光と霧のバランスがいい感じではないでしょうか。


こちら、扉絵に悩んだ写真。
構図や光は好きなんですが、ちょっとビルが気になります。
言われないとわからないかもしれませんが、一度気がつくとずっとそこを見てしまう気がします。

場所を移動


光を木でデフューズしてまだ撮れないかと粘ります。


設定はF2.0前後と少し開いて、状況あってる気がするシャッター速度1/500あたりを軸にして撮るスタイルに変更。



霧はだいぶ弱まって、冬のいい天気の朝っぽい感じに。


この雰囲気も悪くはないですが、当初のイメージの写真は撮れたし、人も増えて来たのでこの辺で終了しました。

購入経路、購入時の参考

フルサイズの一眼用でDistagonやPlanarは、単焦点レンズに突き進んでいく時の一つの到達点ではないかと思います。
この上のクラスは、Leicaをはじめ値段がぐっと高くなりますし、仕事で機能面を考えると、ズームの20万〜クラスのレンズへ向かっていくのが妥当かと。

その意味で、いいレンズになって何でも綺麗に撮れるけど、何を撮るべきか最初に考えさせてくれるレンズではと。

自分はこの頃レンズはほとんどMapcameraの中古で買っていました。
多少高い評判ですが、中古の質も高いと思うので。

新品はAmazonで買ったこともあったと思います。

今見ると案外中古も出てますね。
以前はあまりなかったような気がしますが。

それから、このレンズはでかいし重いです。
まるでズームレンズのようです。
持ち歩きの帯同性は低いですが、ズシッとくる感じの重さと大きさは手に馴染んで撮りやすかったです。

撮影情報

カメラはCanon 5DmarkⅢで、画質はraw非圧縮。

BL6A1471

スタンドは立てていないです。
立てればもっとパキっと撮れたかとは思います。
ただ代々木公園は許可なしスタンドはダメだったとは思いますが。。

補足

このレンズは料理との相性が良かったと思います。
一時期とあるwebメディアの料理系の写真をほとんどDistagon35mmで撮っていました。

現在このレンズは手放してしまっていて、そのお金がオールドレンズに変わった訳ですが、金を積めばよく撮れるレンズが手に入る世の中で、写真とは一体何をどう撮るべきものなのかを考えさせてくれたレンズだったと思います。

特に今回のDistagon 35mmとPlanar 100mmは、本当は記念にとっておきたいぐらい色々考えさせてくれたレンズでした。

Digital Camera

 


 

 

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