2017 / 08 / 10

Digital Camera

インダスター61 星ボケとシャープな描写のオールドレンズ Industar-61 L/Z 50mm in 高円寺

ダビデ型の六角星ボケと言えばIndustar 61 L/Z。それだけでなく他のロシアンレンズと比べるとシャープにキリッと写る評判のこのレンズ、さていかに。

レンズとメーカー紹介

M42 LZOS Industar-61 L/Z (MC) 50mm F2.8

ロシアンレンズの有名どころは、Zeissの名玉をもとにしたコピーレンズの話が多いですが、このレンズは全く出自が違うようで、その影響か中の作りも他のロシアンレンズと全然違います。


他のロシアンレンズは、小さなネジがパーツの固定を担っている事が多いですが、このIndustar 61は、ネジ込みパーツの組み合わせで固定や、力の伝達、可動範囲を決めていたりするので中期のドイツレンズのようです。

本日のアジェンダ

・噂の星型ボケとシャープさを軸にレンズを考察
・オールドらしい質感を生かした描写は可能なのかチェックする
・引き続き中央線を散策

※星ボケが案外難しく、日を変えてレンズも別のIndustar 61で撮ったものも混ぜて投稿を書いてます。

ボケ味、フレーム周辺の描写、色味


柔らかい感じのボケですが、一般的なロシアンレンズのようには飽和しないようです。


シャープの項でも細かく書きますが、ピント面のシャープさとバランスはとてもスマートで、現代レンズ並みの描写とも言えるかと。


色味が淡くならないので、コントラストをつけて奥行きとのボケを生かした撮り方もいいのではと思います。

ダビデ六星ボケ特集!!

やはり星ボケにフィーチャーしない訳にはいかないでしょう。
高円寺のほか、別の天気のいい日も含め色々試してみました。


高円寺を歩いた時は、あいにく小雨がたまにぱらつくような天気で、主に店のライトを光源に星ボケを狙いました。


Heliosの丸ボケなどと同じように、奥に光などの小さい光源を入れて、ピントはかなり近い位置が基本で、Heliosに比べるとかなり寄らないとうまく星ボケがでないイメージです。


こういった草花の白い部分もギリギリ星にできなくもないですが、相当天気が良ければいけるかも。


星ボケだけを出すぶんには絞りをF5.6〜F8.0にしてボカせばいいのでラクなんですが、手前に近撮で被写体を置いて構図を作ると案外難しいです。

理由は一般的な近撮だと手前の被写体のみが目立てばいいので、奥行きさえあればだいたい成立しますが、Industar 61で星ボケとなると、絞りの値の制約が星の形や大きさに直結するので両方の位置を踏まえた構図が結構難しかったです。


奥の光源までこのぐらい距離があると、手前のピント面の構図はつけやすいかと。
 

街の中の光がどの辺まで使えるか色々試してみました。
自販機はちょっと光量が足らないようです。さらにLEDなので高速で点滅していて、光っている瞬間も捕まえづらいです。


光はラーメン屋の看板の電飾です。看板で強く光っているものならなんとかなりそうです。


車のハザードランプはもう一息でした。夜なら全然いけそうです。
 

右下、立て看板のひかりは結構くっきりでてます。
こういうチカチカしたライトは星ボケにしやすいようです。

後日、天気のいい日に別のIndustar 61で撮影

やはりHeliosの丸ボケと同じように、晴れた日の木漏れ日は星ボケが綺麗に出やすいかと。
ですが、この構図は実際のポートレートなどでは作りづらい構図なんですよね。。

Heliosのボケを試した写真

似たような条件下でのHelios撮影だとこんな感じです。

ピント面の解像度、絞った際のシャープさ、収差


びっくりするくらいシャープでキレがあります。
今まで持っていたロシアンレンズのイメージからは考えられないです。


とはいえ日差しなどの光源が、ある程度あたってないとシャープな感じは上がって来ない感じで、今時のレンズほどいつでもシャープという感じではないかと。


靴にあたった光がいい感じのシャープさで、奥の暗さといいバランスに撮れたのでは。
曇りでも日があたって入ればなんとかなるのかと。

絞り開放 F2.8

下記写真と絞りでの比較です。
開放でもある程度シャープですが、F8.0の描写もいい感じでは。

絞り F8.0

星ボケレンズ、ロシアンレンズ、オールドレンズ等々とは意識をしないほうが、このレンズらしい味を探せるような気がしてきました。


天気が良ければもっと葉っぱがシャープに出そうです。
星ボケも含めてこのレンズは晴れた日に持ち出すべきなのかもしれません。


日暮れ間近のショットで、これはこれで悪くないですが、オールドっぽい飽和感がもっと欲しい気もするので、HeliosやJupiter系のほうが適しているかもです。


後日晴れ時々雲ぐらいの日の木陰。
光の反射が立ってくると、木陰でもピント面もボケも際立っていい感じでは。


さらにかなりの青空をF16まで絞ってみました。
画像周辺への歪みは感じさせず、色収差も気にならないです。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

M42 LZOS Industar-61 L/Z (MC) 50mm F2.8

M42マウント 最短撮影距離30cm 1978年製 絞り6枚羽根 3群4枚レンズ構成 フィルター径49mm 重さ約225g

購入したのは、eBayで481件 100% Positive feedbackのabigail1975。

状態説明は、ボディの状態は良好です。
光学系は、ガラスは透明で清潔です。傷は無くカビもありません。すべてのレンズがクリアです。
絞り羽根にはオイルが少しついています。これは一般的なオールドレンズではノーマルなことです。絞りはスムーズに動きます。
ピントはスムーズに動き正確です。

写真は露出過多で細かい部分が見づらいですが、多めにあり、中山が重要視する絞りの閉じた写真もあり、羽のオイルについてはリペアを前提なので気にしていないところでもあり購入。

ヤバいの来ました!
レンズに醜い擦れ?カビ後?がある!!
そしてこの業者はさらにダメな点が!!

完全にオススメしない業者でした

この他この業者の同時期のJupiter-8の話も含め「eBayで購入したレンズの返品記」として別にまとめました。参考にどうぞ。

購入に際して

eBayの価格帯は、送料を入れると10,000〜15,000円ぐらいでしょうか。ヤフオクなら20,000円ぐらいまでかなと。

正直安いものは、ほぼリペアしていないと思います。
まだ3本しかリペアしかしていないのですが、中は大変なことになってましたので、重いピントヘリコイドはちょっと避けたほうがいいと思います。
他のロシアンレンズに比べてグリスを塗る位置が多く、どこも大量に盛ってあり、その蓄積でヘリコイド等の重みやオイル臭になっているかと。

現在手元に5、6本ありますが、どれもピントヘリコイドが重く清掃に難儀しそうです。

マウントについて

 

 


順にCanon EOSなどの EFマウント、SONY αシリーズなどのミラーレス用SONY E(NEXとも言う)、Olympus OM-DやPEN、Lumix系などのマイクロフォーサーズ(M4/3)で、リア側が飛び出していないので他のメーカーでもミラー干渉の心配は少ないかと。

マウントはカメラによって干渉等でうまく使えないこともありますので、ご自身のカメラでの使用の参考としてください。
また初心者向きの内容で、マウントについての記事を書きました。マウントに疑問点がある方はぜひ。

自身でリペアしたレンズをヤフオク!に出品しています


現在7品の出品中です » 出品者のオークション一覧

リペア・調整したレンズのみ販売しております。購入をお考えの方いらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願い致します。



向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして

星ボケを入れたポートレートはやってみたいですね〜
本文で何度もふれていますが、天気のいい日に是非やってみたいです。

歩いた辺り

『高円寺』街撮りオススメ度★★★☆☆=3


吉祥寺と同じぐらいの規模かと思っていましたが、少し街の規模感が違う場所だったんですね。千葉の田舎出身者には山手線の向こう側は馴染みが薄いのです。


同じような細い商店街が、幾重にも続いている感じでなかなか歩き方に迷う通りでした。


雨がパラつかなければもう少し離れた場所まで行ってみたかったですが、ちょっとこの日は街歩き日和ではなかった感じです。


ラーメン屋がいっぱいあって、どれか試そうと思ってたんですが、名古屋のどて丼というのを興味が惹かれて試すことに。
モツ煮のどんぶりですね。特に予想通りの味で普通に値段相応の味でした。


駅の南側の左奥あたりに小さい飲み屋や、惣菜系の店が並ぶ商店街がありました。


この辺が一番街撮りポイントかもしれないです。


手頃そうな店も多く、今度来た時はこの辺りでご飯を食べたいです。


この辺の道も幾重にも続いて行ってる感じで歩けばまだ色々あったかもしれませんが、雨も強くなって来たし、ちょっと疲れてきましたので帰宅いたしました。

撮影カメラ情報

SONY α7

【ぐるぐるボケ出し方講座 ー 初心者向き】ヘリオスのぐるぐるボケの出し方の解説。Helios シリーズ F2.0/58mm

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