2017 / 06 / 02

Digital Camera

Helios 44M 58mmはぐるぐるボケが出づらい気がしません?前世代のヘリオスと比較をしながら街歩き in 吉祥寺

Helios 44Mはぐるぐるボケが出ない気がしません?前世代との比較をしながら街歩き in 吉祥寺

ここのところ世代違いのレンズを結構試していましたが、ひとつ著名レンズの試していないバージョンがあった事に気がつきました。それはHeliosの後期バージョン44Mシリーズ。だいぶ洗練された外観のHelios 44Mを試します。

レンズとメーカー紹介

M42 KMZ Helios 44M 58mm F2.0

Zeiss Biotarコピーのぐるぐるボケが出るレンズとして有名なロシアンレンズHelios。
数あるヘリオスのバージョンの中でも44-2に次いで出回っていると思われる44M。

他にも44や44M-7等々、似てるような似てないようなレンズがいっぱいある上、さらに同じバージョンでも作っている工場が違って外観が違ったりと、有名なレンズの割に分かりづらい面もあるオールドレンズではあります。

御多分に洩れず中山もオールドレンズのスタートのHelios 44-2の立ち位置がちゃんと理解できたのは半年ぐらい前です。
という世代のわかりづらさもあるので、今回の記事内の話の統一にも少し大まかに世代の説明を。

第一世代 Helios 44


銀色の見た目の1950年代ぐらいの製造で、厳密には第一世代の元祖ではなくこの前がありますが、第一世代と言っていいと思います。

第二世代 Helios 44-2


黒い筐体で凹凸がありゴツゴツした感じの見た目で、こちらが一番出回っているHeliosではと思います。
長い期間販売され、また同時に別の工場で作られたモデルでもあるため、同じ名前でもちょっとずつ違いがあったりして、それがwebで噂される「筐体による当たり外れがある」と言われる所以かと思います。

第三世代 Helios 44Mシリーズ


上記二つより気持ち大きく見えますが、実際一回りぐらい大きいです。
「44M7、44M3」等、44M内で複数バージョンが存在するようで、オークションでも色々見かけます。

本日のアジェンダ

・第三世代のHelios 44Mの描写を調査
・加速する街歩きはやっと吉祥寺に到着

ボケ味、フレーム周辺の描写、色味


柔らかいボケはHeliosらしさ満載ですが、すぐ気がつくのは前の世代のレンズに比べ色のりがいいことかと。


一見するとボケも綺麗になったような気もしますが、多分それは色のりの良さがそう見せているのかと思います。


このぐらいの吹き飛ばし気味の写真でも普通に色が出てますが、どうなんでしょう、ヘリオスや他のロシアンレンズの良さに淡い色のりがある気もするような。


柔らかいボケと玉ボケが綺麗に出ました。Heliosっぽい。
ですがやはり色のりがいい分、前の世代のタイプのHeliosとちょっと違う感覚は受けます。


前回の記事の、同じような出自で同じようにマイナーチェンジをしていったMir-1Bの最終世代版では、多少違うかなの感触でしたが、今回のHelios 44Mは結構違う印象を受けます。


そしてここまで何度か挑戦してきて上手くいかないなと思っていた事がこの写真ではっきりわかりました。
ヘリオスといえばの代名詞になっている「ぐるぐるボケ」が弱い!?


たぶんこちらとか、第一、第二世代のHeliosならかなり「ぐるぐるボケ」すると思うフレームです。わずかに回ってるかな程度にしか感じないのでは。


このぐるぐるで今回一番ぐるぐるボケが出たフレームかと。
う〜ん画像検索すると出てるものは壮大に回ってますね。

マイナーチェンジして最短距離やレンズコーティング等変わって質が上がった際に、もともと「非点収差」と言われるレンズの収差が改善されて「ぐるぐるボケ」のポイントが狭くなったんでしょうか。


とはいえ、ピント面とボケのバランスは前世代よりシンプルで撮りやすい気も。
全世代はもっと絵画的にボケる感じです。

ピント面の解像度、絞った際のシャープさ、収差

この項目は大体F8.0で撮っています。


レンズ構成は変わっていないと思いますので、コーティング等の細かな部分が変わったのかと思いますが、少し前世代よりシャープに写る気がします。


それか、色のりが良くなりコントラストが上がっているので、線が強調されてシャープに見えるのかもしれません。
総じて十分よく写るといって良いのではと。


バランスで見れば申し分ない描写だと思いますが、如何せん前世代のHeliosが、言ってしまえばちゃんと映らない部分が味として良さであったので、優等生になってしまったこのHelios 44Mはちょっと寂しく感じもします。


この辺のフレームは前世代の味でロシアンレンズっぽさを試したい気もします。
もっと飛んだ感じに破綻させたい絵かと。


こちらは開放気味に撮ってますが、ジョウロのピント感と奥のボケのバランスはいいかと。
これだけ写れば値段からしても十分なレンズとは言えるかと。


この色のりと線の表現は中山の中では新しいHeliosの味かも。
奥は結構暗かったと思うので、この状況で色がちゃんと出てる上に、手前の植物はかなりのハイライトですが表現を保ってます。
案外この写り方のレンズはないような気も。

前世代を追うより、現状でどんな表現を追うのかのが大事カモですね。思い出に浸り過ぎていたような気がします。


まさに現代レンズの手頃によく写るボケの綺麗なマニュアルレンズっぽいです。
ピント面は割とソフトですが、コントラストがあり線がきちんと出ると言った感じでしょうか。


こうなってくると別のHelios 44Mシリーズで、前世代を意識しない撮り方をしたくなってきました。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

M42 KMZ Helios 44M 58mm F2.0

1981年製、M42マウント、 最短撮影距離55cm、絞り羽根8枚、レンズ構成4群6枚、フィルター径52mm。

第二世代は最短撮影距離50cm、フィルター径49mmですので、この第三世代Helios 44Mでそれなりのマイナーチェンジがかかったのは間違いないようです。

商品説明状態はとても良いです。絞り羽根に油染みはありません。内部に少し埃がありますが、紫外線で見える範囲で確認しており、カビの兆候は見えません。

掲載写真はレンズ5枚と風景2枚。中山が重要視する絞りの絞った見やすい写真と、あると嬉しい撮影事例含まれていましたので、写真は少ないながらも確認したい写真は全て揃っていました。
そして全く問題ないものが届きました。というよりだいぶ良い状態です。

50本以上買ってだいぶ小慣れてきたのか、オークションのどこを見れば良いのかだいぶわかって来た気がします。
sellarも返品はいやなのか、写真にはうっすら良くない部分を載せてますが、その部分の説明がなかったり、さらりと書いて文句を言われてもかわせるようにしてある気がします。

その辺の見極めが上手くなったかなと。
疑いのあるものはBidしなくなりました。
有名どこのレンズはまたすぐ次が出て来ますんで。

購入に際して

このHelios 44Mシリーズは、eBayでも比較的程度の良いものが手頃な値段で出品されているように見えます。
自分の買ったレンズもそうですし、明らかに他のfeedに比べたら状態が良いものが多いです。

とはいえ、少なくとも今回中山が入手したHelios 44Mは、あまり「ぐるぐるボケ」はでませんでしたので、巷での噂を信じて「Helios = ぐるぐるボケ」で購入してしまうと「アレ?」ってことになりかねないかも。

個体差も大きいと言われるHeliosですので確定したことは言えませんが、ぐるぐるボケを求めて買うときは色んな情報収集をしてからの購入をお勧めします。

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マウントについて

Canon 5DmarkⅢ(Canon EFマウント)、SONY α7(SONY Eマウント、NEXとも言う)では問題なく使えました。この辺です。


近頃人気のOlympus OM-DやPEN、Lumix系はこの辺かと。
また、このOlympus OM-DやPEN、Lumix系の規格は50mmの標準画角レンズは約100mmぐらい中望遠レンズになりますのでご注意を。

マウントはカメラによって干渉等でうまく使えないこともありますので、ご自身のカメラでの使用の参考としてください。
また初心者向きの内容で、マウントについての記事を書きました。マウントに疑問点がある方はぜひ。

フレア、ゴースト、ハレーション


太陽は後ろで、ほぼ曇りだったんですがハレーションでました。
こういうのの条件がまだ掴めません。どこからか指向性の強い光が来てるのかと思いますが、手を色々かざしてみても変わらないんです。
なんなんでしょう。

絞りとシャッター速度の比較

絞りF2.0、シャッター速度1/1000、ISO800

絞りF8.0、シャッター速度1/640、ISO4000

案外絞ったほうが好きです。
とはいえロシアンレンズのイメージは完全なしで普通のレンズとして見た場合、十分いい写りじゃないかと。

歩いた辺り

『吉祥寺』街撮りオススメ度★★★★★=5


何度か前の街歩きから目指していた吉祥寺にやっと辿り着きました。


終点っぽいシンメトリーの見慣れない電車の並びが、自分の行動範囲の外に来たこと知らせてくれます。


飲みとかで数回来た程度だと思うので全然街を知りませんが、この細い駅前の通りを反映にバスが通る慌ただしさは覚えてました。


一見近代的なお店ばかりのようですが、歴史情緒を感じるお店もちょこちょこあって、街歩きに良さそうな街かと。


それと何というか街全体から感じるゆるい空気。


都心のターミナル駅のような行き交う人のスピードはあんまり感じなくていいですね。


こちら、ものすごいシュールなユニクロのマネキン。
こちら全部ずっとぐるぐる回ってます。7階まであって全部窓際で回ってます。

道ゆく人は見慣れているようで何とも思わないようですが、予備知識なく始めた見た中山はしばらく見上げてしまいました。
写真は残念ながら反射が強くて良い状態では撮れませんでしたが、検索すると夜が綺麗に撮れそうです。


デパ地下でさえも忙しくないイメージ。


それにしても広い!
2、3時間歩いたと思うのにまだ街の半分ぐらいのようです。
疲れてしまってので吉祥寺は二回に分けることにしました。


590円とリーズナブルな親子丼セットを食べて本日の街歩きは終了です。


住みたくなる街上位の意味が何となくわかったような気がしました。

撮影カメラ情報

Canon 5D markⅢ

BL6A1471
カメラは5DmarkⅢ、画質はraw非圧縮撮影のみでjpgを残してません。
またカメラのモニタでの確認って、画面が小さい分、写真がギュッとなってしまってアテにならないことが多いので基本的に露出の確認にして、構図などはファインダーで見ているフレームを大切にするようにしています。

Raw現像

現像はAdobe BridgeCC2017で、レンズの特性を写真に残したいので、調整は露光量で明るさを揃える程度に留めています。

カメラの設定

絞りは開放F2.0〜F8.0ぐらい、シャッター速度は1/1000を基準に絞った時は1/400のぐらい、ISOはオールドレンズのためカメラの露出測定は絞りに応じてかなり曖昧なので撮ってみて合わせる感じです。
ホワイトバランスは、外ではほとんど「オート」です。

補足

Heliosは他の前世代の記事等いくつかあります。

第一世代Helios
・ぐるぐるボケと柔らかな描写健在の1950年製 初代シルバー鏡胴

第二世代Helios
・ロシアンレンズの大御所の素晴らしきホワイト
・頼もしいロシアンレンズの汎用性とボケ 黒鏡筒

先祖がコピー元として一緒のCarl zeissのBiotar 58mm
・Biotar 58mmシルバー鏡筒のぐるぐるボケとキレのあるピント面

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“Helios 44M 58mmはぐるぐるボケが出づらい気がしません?前世代のヘリオスと比較をしながら街歩き in 吉祥寺” のコメント

  1. AKA より:

    こんにちわ。まだまだオールドレンズビギナーなので写真が多くてとても参考になります。
    ヘリオス、安価だけど味のあるいいレンズですね。
    ぐるぐるボケに憧れて最初に44M-4を手に入れたんですが思ったより普通に綺麗で(笑)
    少し後に44-2を買いなおして、こちらの描写が気に入ってます。

  2. Hidekatsu より:

    こんにちは。
    コメントありがとうございます。

    確かに安いだけでなくその実力もあっての人気でしょうねー
    でも44Mは綺麗で今っぽいレンズの印象が強いですよね。
    自分もちょっと破綻気味に写る44-2のほうが好きです!


 

 

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