2017 / 10 / 10

Digital Camera

なぜ古いレンズはこんなにも優しく写る Steinheil Munchen / Cassar F2.8 45mm in 経堂

フィルターをかけて少し荒くした写真をSNSでよく見かけることからも、精密に写る現代レンズとは違う価値感もあることは間違いなく、今回はそんな価値観の代名詞的な写りをするレンズではと思います。

レンズとメーカー紹介

Steinheil Munchen / Cassar F2.8 45mm

Steinheil氏という物理学者がもとで、子孫が技術を残しながら望遠鏡からカメラ・レンズメーカーになっていったようですが、ドイツのいくつかの光学メーカーで聞く話のように戦後、競争力をなくしていった会社のようです。
こういった話は当ブログのメインではないので軽めに。


今回のレンズ、ネットでよく見かける銀のタイプではなく改造品です。
またこの筐体と似た感じのレンズは見つからず、指板だけすげ替えた改造品かとも思ったんですが、正面から見るレンズの雰囲気はweb上のものと似てる気はします。

出所のよくわからないレンズですが、写りは結構好きな感じのレンズです。

本日のアジェンダ

・よくわからないレンズの写りはどんな感じ
・街歩き場所の選定基準を少し変えみる

ボケ味、フレーム周辺の描写、色味


いやなんとも優しい。
最短撮影距離100cmなので、この距離感だとボケは軽めですがなんとも馴染んでいい雰囲気です。


天気のいい日でやすく、色味も出やすくソフトでいい感じかと。
フィルム感がありながらも優しい色味ではと。


スタンダードなお花畑ショット。
前後のボケ感も程よく暴れて小さな花を引き立てるのにいい状態かと思います。


フィルムで撮ったようなボケがいい雰囲気では。
ちょっと不思議な絵ですが、ガラスドアの中に看板や植木がある状態で、外にあるのんは丸い取っ手部分のみの状態です。


散歩日和な日差しで、とても絵作りもしやすい日でした。
いい具合にボケと飽和感が調和してフレームが作りやすいです。


造花でも味わいのある味をまぶしてくれるこの感じ。
ピント面の控えめな表現とゆっくり広がっていくボケは、街撮りのスタンスにもってこいかと。


いいレンズです。
とは言え、この日の日差しの条件がかなり良かったのもありますが。

レンズ清掃前


実は今回の経堂街歩き前に少し撮ってます。


清掃をする前で、少しレンズが曇っていたためにちょっとソフトフォーカス気味ですが、これはこれでこのレンズ表現にあっているかもしれません。


所用で江ノ島に行った時にちょっと撮りました。

ピント面の解像度、絞った際のシャープさ、収差


シャープさを求めるレンズでないのは外観を見れば明らかですが、多少絞っても少し曖昧なピント面は逆に味が出ていい雰囲気ではと。


なんとも水色との相性がいい感じの写りです。
かなり平凡なフレームですが、このレンズのおかげで成立しているかと。


カラフルな壁、名を体で表すようなネオン、実際はもう少し派手な雰囲気でしたが、少し色も転んでいい風合いに収まっているかと。
ピント面と遠景のバランスもとてもちょうどいい表現で、後調整のフィルター等では出せない味ではないかと。


こちら、なんだかこの一枚だけ味が違う感じです。
絞り開放でしたが日差しが強かったからでしょうか、嫌にシャープなようなコントラスが全然他と違うような。
これだと味がもう一つ見えない気もします。


おおいい雰囲気。
シャープなような、質感がわかるような、ボケているような。
この街の質感もいい具合でしたが、この日の光とこのレンズはとても相性が良かったようです。


アグレッシブなメニューと相反するピント面。
Jupiter-8とスペック近いですが、写りは全く違うかと。Jupiter-8のピント面はもっと細くシャープに優しい感じかと。


F8.0ぐらいに絞ってますが、レンズの作りの見た目通りハレーションは起こしやすいです。
この辺は慣れかと思いますが、街撮りならピント面は日陰に持って来れば案外ハレーションは要素に使えるかとも思います。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

Steinheil Munchen / Cassar F2.8 45mm

L39マウント 最短撮影距離100cm レンズたぶん3群構成。

購入は◎◎業者の〜〜、
といつものように書きたいところなのですが、なぜかこのレンズの購入情報が見つかりません。
たぶんeBayで買っていると思うのですが、購入履歴が見当たらないのです。

ここのところリペア販売用にレンズをたくさん買っているのもあって、あまり一個一個の購入時のことは覚えていなくて購入時のことも思い出せません。
まあ見た目から高いレンズではないかとは。
レンズは少し汚れていて、改造でつけてある絞り環は少し割れてました。


また冒頭にも少し書きましたが、webで見つかる情報はシルバー鏡筒の50mmのレンズばかりで、この距離指標がチープさが物語るように改造しているこのレンズは創作品?


とも思いましたが、前面からのレンズの雰囲気はweb上のレンズに近い雰囲気です。
そこから何か見つからないかと思いましたが、そもそも情報が少ないSteinheil Munchen諦めました。


ちなみにピント環は、ドイツではなくロシアのKMZのマークがはっきりと見えるうえ一部分欠けてます。
まあ写ればいい派です。

購入に際して

eBayでCassar F2.8 45mmあたりで検索すると、チープな雰囲気のレンズ付きカメラがかかります。
たぶんこの辺のバージョン違いを改造したのが今回のレンズではと思われます。

とはいえ改造しているレンズは現時点では並んでいないです。
何気にレアなレンズかも。

マウントについて

Leica Lマウントは5DなどのCanon EFでは対応しないので、今回はSONY α7(SONY Eマウント、NEXとも言う)を使いました。

 


SONY E(NEX)、FUJIFILM FX、Olumpus等のM4/3、の順

ミラーレス一眼なら各社ともLeica Lマウントのレンズは問題なく使えるようですが、この時代のレンズは、レンズ側に突起物が付いている筐体があるので、この位置には注意したほうがいいです。
突起物がぶつかって、現在のカメラには装着できないことがあります(今まで2個ぐらい経験者)。

その他、マウントはカメラによって干渉等でうまく使えないこともありますので、ご自身のカメラでの使用の参考としてください。
また初心者向きの内容で、マウントについての記事を書きました。マウントに疑問点がある方はぜひ。

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向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして

人物でもフィルムっぽくていい味は出そうです。
最短撮影距離100cmなので寄りのフレームは無理ですが、風景と馴染ませるようなショットは撮りやすいかもしれないです。

絞りの比較、撮り比べ

F2.8

F8.0ぐらい

絞っても結構ボケてますが、このフレームだと紫の花が少しうるさく見えてしまうでしょうか。
でも絞ったほうが、花が垂れ下がっている感じが強調されていて、個人的には絞ったほうが好きかもしれません。

歩いた辺り

街から街へ移動していくルールは、どうも距離が遠くなってきたら腰が重くなって来てしまったのでやめることにしました。
もう少し気軽さが欲しいので近場を再発掘な方向にしようかと。


そこで今までの街歩きで中山の好みに合う場所を考え直してみると、古い施設があってそこを中心に文化が形成されたところではないかと仮説を立てました。

駅が中心ではなく、もとから賑わいのある場所に駅ができたパターンです。

『経堂』街撮りオススメ度★★★★☆=4

経堂


その条件で最初に見つかった駅。今回の経堂。
中山がいつもケイドウと読んでしまっているのは内緒です。

Google Mapで小田急線沿いを見ていたら条件に合いそうな雰囲気でした。


道が広くてゆったりした感じは中山好みです。
豪徳寺に近いのもあってか雰囲気が似ている気も。

規模は経堂のほうが全然大きく、チェーン店も多いですが、個人店舗も多くいい賑わいを保っていると思います。


述べ目的地であるお寺にも寄りました。
新しめの立派なお寺です。
逆に考えるとお寺めぐりをすればいい街に出会えるんじゃ?


世田谷らしく緑道があってゆったりした時間が流れてます。
この根っこが大きく張り出した木が気になったんですが、もうちょっと引きで撮るべきでした。もう少し上が細い感じなんですが。


「経堂」
何屋なんでしょう。


駅の高架下に立派な図書館がありました。
フリーランスになる前後はかなり図書館に籠って作業をしたクチなので、いい図書館が行きやすい場所にあるとまだ羨ましいです。


本日はちょっとシャレオツに、お洒落コーヒーショップでこの記事を書いてます。
最短撮影距離100cmなのでちょっと遠目のフード撮影です。

そしてルール外の江ノ島


今回の経堂前に実は江ノ島で撮ってます。
時間軸的に逆です。


所用で行ったついでに今回のCassarを持っていったんですが、ひと記事には足りなかったので、撮り足すつもりが経堂がメインになりました。


天気がもう一つだったのもあって、いまいちシャッター回数が増えなかった感じです。


そもそも「東京ぶら街写真。」にも反する場所でもあって後ろめたさもありました笑。

撮影カメラ情報

SONY α7

Raw現像

現像はAdobe BridgeCC2017で、レンズの特性を写真に残したいのでコントラストや彩度等、一切いじらず、ノー調整、ノーフィルターです。
写真によっては露光量で明るさを揃えてます。

カメラの設定

絞りはF2.8〜F8.0で、今回は開放付近で撮った写真が多いです。
シャッター速度は1/1000を基準に絞った時は1/400のぐらい、ISOはそのフレームに応じて明るさを合わせる感じで使います。
ホワイトバランスは、「晴れ」でした。

Digital Camera

 


 

 

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