2017 / 05 / 04
おーいSchneider Xenar 50mmはよく撮れるよー!評判より断然いいレンズ。住みたくなる豪徳寺で試し撮り
中山がオールドレンズに本格的に目覚めたのはCurtagonの35mm。有名なHeliosは入り口といった感じです。そのCurtagon35mmを作ったSchneiderの50mmレンズで、四隅までのバランスがいいと言われるXenar50mmに挑戦です。
レンズとメーカー紹介
Schneider Kreuznach Xenar 50mm F2.8
老舗のメーカーで、現在もハイエンドユーザー向けのレンズを生産しているSchneider Kreuznach。
戦前ライカにもレンズ供給していたこともある程、優れた品質が定評のメーカーですが、もうひとつ日本では人気がない気が。
Schneiderといえば濃い色のり、強めのコントラスの印象ですが、こちらのレンズは少し評判が違うようです、
本日のアジェンダ
・四隅まで安定するタイプのテッサー型Schneider Xenarの様子を探る。
・買い直したα7の久しぶりのSONYの操作感に慣れる
・豪徳寺を歩き尽くす
ボケ味、フレーム周辺の描写、色味
いいんじゃないでしょうか。
左上のあたりは少しボケが騒ついてますが、開放で全体がこの描写なら中山はかなり満足です。
前ボケは硬めで「駐輪所」がきちんと読めます。
この写真だと「駐輪場」の黄色い文字から、左の白い花にかけていい感じでボケが続いていますが、前ボケといてだけみるともうちょっとボケてくれてもいいのかなとも。
α7再購入にあたって、当然ながらマウントも再購入しました。去年の反省を生かし最初からマクロ付きです。
早速寄ってみましたが、この日は少し風があってそれなりに花が揺れて、結局めしべにピントは合わせられません。
参考までに掲載です。
こちらも前ボケを意識して撮ってます。
やはり硬めに出る印象です。
後ろのボケはそれなりに柔らかい感じでしょうか。気持ちバブルぼけ出てます。
多くのテッサー型と同じ様にグルグルボケの感じはないようです。
遮断機の角度合わせに何枚か撮りました。コレが一番合うかと。
また、空を周辺光量落ちで締めた感じにしたかったのでこちらは開放で撮ってます。
ボケは使えませんでしたが、意図した感じにはなったかと。
近距離、開放での撮影としてスタンダードなフレームかと。四隅の描写が凄く綺麗にまとまってます。
ピント面の表現と周辺光量落ちバランスがちょうどいい感じで、いかにもオールドレンズの写りで使いやすいレンズでは。
絵画調のボケは同じシュナイダーのXenonと似ている気がしますが、全体のバランスから見るとXenarのほうが柔らかく優しい感じです。XenonとXenarは名前が似てますが、写りは完全に違いますね。
これだけ寄れば前ボケもだいぶ柔らかいようです。
大量の招き猫の解説についてはまた後半に。
ピント面の解像度、絞った際のシャープさ、収差
この項目は大体F8.0で撮っています。
F8.0に絞ってのピント面の描写は、「シャッキと!」とはいえませんが、オールドレンズですし風合いのあるこのぐらいいいんじゃないでしょうか。
むしろ、これがフィルムのような風合いがオールドレンズの楽しいところかと。
線の描写がやはり同じのXenonやCurtagonと似ている気がします。
色ノリなんでしょうか。レンズ構成は違うので似ていると言っても具体的に言えない曖昧な感想ですが。
豪徳寺周辺は、古い街並みが結構残りつつ静かな賑わいがあってオールドレンズの描写に結構合うかと。
街の雰囲気をきちんと表現してくれて、再購入のα7撮影一発目としても幸先よくてありがたいです。
シャープではないですが、実際のものの質感を感じる気がするんですがいかがでしょう。
盛り過ぎず盛らな過ぎずと言った感じで。
レンズ構成3群4枚テッサー型とあって、四隅までのバランスは安定してます。
日差しはそれなりに強かったですが、うまい具合に調整されて四隅まで行き渡っているような感じです。
豪徳寺駅の反対側、豪徳寺方面へ移ると、招き猫をいたるところで見かけるように。
日陰のこのフレームを絞って成立できるなら、このレンズは手放せないかもしれません。Xenonと撮り比べもやってみたいかも。
豪徳寺内で季節柄かシャクヤク(芍薬)がいっぱい咲いてました。
豪快で撮りがいのある綺麗な花なんですが、背丈が低く案外撮りづらい印象。なので正面からドアップで。
雄しべが割とシャープに出ましたが、こちら前述のマクロ・ヘリコイドで撮りました。ちょっと反則とも言えます。
そして招き猫の大群。
そこら中で招いてます。
どうやら発祥の地の言い伝えがあるようです。
購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考
M42マウント Schneider Kreuznach Xenar 50mm F2.8
1958年ぐらい製造でけっこう古めの世代の筐体で絞り羽根が10枚。いい状態のレンズを買えたのではと。
シルバー筐体からゼブラに変わったあたりのようです。
最短撮影距離50cm 、3群4枚のテッサー型レンズ構成、180gと手頃な軽さです。
購入はいつものeBayで fotoptikという3730件100% Positive feedbackのセラーから購入。
交渉を受け付けてたので、$10ほど安く買えました。やってみるもんです。
商品状態説明はざっと、
機能系:レンズ光学系はMint condition。パーフェクトに動いてフォーカスはスムーズで正確。絞り羽根に少しオイル染みある。絞り羽根は簡単に動く。絞りリングも簡単に動く。光学系:レンズはクリアーです。 コーティングは完璧です。 キズ、曇り、真菌がありません。
と言った感じ。
写真は7枚と外観等ひと通りあり、中山が重視する絞った写真もありました。
届いたものは説明通り、というより結構いい状態でした。
キャップも前後ついてこの状態ならかなりいい買い物だったのではと。
購入に際して
中山のメインステージeBayだと10,000円〜20,000円ぐらいでしょうか。
今回の購入価格より、もう少し安く買うこともできたと思うんですが、今までの経験上Schneiderはリペアが大変な上、このメーカー好きなのでずっと所有する気もして程度の良いものが欲しいなと思いました。Curtagonで失敗しているのもあり。。
ちなみに日本ではSchneiderは人気がないみたいで、ヤフオクだと出品がほとんどないです。
マウント
α7だとカメラ撮像素子までの距離が近いため、アダプタ等のマウント部の対応が非常に柔軟で、オールドレンズが流行りだしたのもそのおかげかと。
なのでM42 → NEX(SONY E)変換マウントを買うなら、マクロ・ヘリコイド付きがオススメです。
通常だとここまでしか寄れませんが、
マクロ・ヘリコイドだと、このぐらいまで行けます。別世界です。
でもかなり手ブレしますが。
なので背丈の低い芍薬でも地面との距離が近くてもこのぐらいぼかせます。
普通のマウントに比べ驚くほど高いものでもないので、最初からこちら買ってしまってもいいかと思います。
また、前述のようにCanon 5Dだとダメです。
ミラーにあたりエラーが出ます。
Flektogonの無限遠の時はほんのちょっと当たって、ミラーが落ち切らない程度だったんですが、このXenarは完全にエラーが出ましたのでご注意を。
近頃人気のOlympus OM-DやPEN、Lumix系はこの辺かと。
また、このOlympus OM-DやPEN、Lumix系の規格は50mmの標準画角オールドレンズは約100mmぐらいの中望遠になりますのでご注意を。
マウントはカメラによって干渉等でうまく使えないこともありますので、ご自身のカメラでの使用の参考としてください。
また初心者向きの内容で、マウントについての記事を書きました。マウントに疑問点がある方はぜひ。
絞りとシャッター速度の比較
絞りF2.8、シャッター速度1/1000、ISO200
絞りF8.0、シャッター速度1/1000、ISO1000
こうやって比べるとやはりピント面が全然違いますね。
開放はたぶん球面収差でピントが甘くなっているんだと思いますが、これはこれで好きです。
絞りF2.8、シャッター速度1/1000、ISO800
絞りF8.0、シャッター速度1/1000、ISO5000
こう言ったフレームはやはり絞るべきでしょうか。
ちょっとパリっとしたい絵ではと。
向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして
街撮りのような引き目のフレームで、背景をけっこう入れ込む絵作りならいけそうな気がしますが、寄りはどうでしょう。
こればかりは撮ってみないとわからないです。まだ記事を書いていないんですが、MeyerのTrioplan 50mmはポートレートすごい実力を発揮しましたので、街撮りの印象だけでポートレートの寄りはわからないと思います。
歩いた辺り『豪徳寺周辺』
街撮りオススメ度★★★★☆=4
前回の到達「駅豪徳寺駅」からのスタート。
小さな商店街の奥に、世田谷線の山下駅は正面がありました。
なるほどこちら側。
いつもは豪徳寺駅からまっすぐ歩いて、向こう側の入り口から入ってましたが、商店街を抜けて入ってくるこちらの方がちょっと楽しいです。
ゆっくり走る世田谷線の影響か、街並みや街の雰囲気がゆったりしてて和やかです。
緩めの猫いたるところに。
この街、住みやすそうです。
駅南側の通り沿いに、ビル中にそれぞれある肉屋2件がなぜか気になりました。
生肉は日陰がいいということなんでしょうか。
そして豪徳寺に着。
この明暗差はオールドレンズは無理です。現代レンズでも難しいかも。
招き猫発祥の地だったようで敷地の一角に、大量の招き猫が置かれてます。
なんでも、戦国の武将「井伊直孝」が、寺にいた猫が招いた気がすると寺に入ったら雷雨になり、その礼として貧しかった寺に多額の寄付をしたところから始まっているようです。(だいぶ話を端折りました)
なんにせよ猫の置物が幸せそうに見えるのでいい雰囲気です。
そして!ここでまさかのバッテリー切れで、久々のミラーレスの電池消耗の早さの洗礼に会いました。
すいませんここからiPhone写真です。
iPhone 6 Plus 撮影
多分一番メインの建物かと。
それにしてもiPhone 6 Plus 恐ろしくよく撮れます。可もなく不可もなく、味の部分は皆無ですが、露出やピントは、安いコンデジを完全に駆逐の品質です。
安い一眼レンズセットよりよく写る気もします。
iPhone 6 Plus 撮影
一番外の門に咲いてた桜が立派でした。
Xenarで撮りたかった。
iPhone 6 Plus 撮影
最後に宮の坂駅前の喫茶店で甘いものを食べて体を休めました。
ハワイアンの音楽がかかって、白基調のゆったりとした柔らかな光のいいお店です。
靴を脱ぐお店だったのが、歩き疲れた足に丁度よくありがたい。
色鮮やかな手作りワッフル美味しいです。
セットで値段も手頃。
外からだと小さいお店に見えますが、奥があったので席に思ったより余裕があります。グループでの街撮りのあとに、ここでお茶の予定に良さそうです。
すぐ近くに撮れそうな世田谷八幡宮があったんですが、α7の電池はもうないので。
次回は宮の坂駅からスタートします。
撮影カメラ情報
SONY α7
カメラは初代SONY α7、画質モードはRAW、撮影時のクリエイティブスタイルは「ニュートラル」ですが、反映されるのはjpgだけだと思うので関係ないと思います。
昨年末に、α7ⅡとM42マウント意外のレンズを売り払ってしまったので半年ぶりです。
α7Ⅱを買いたいところですが、その分をレンズに回したくなるぐらいのすっかりレンズ沼の住人です。
買い直した主な理由は、今回のXenar 50mmが、Canon 5DmarkⅢだと見事にミラーにあたるからです。
他にまだ街撮りをしていないMeyerのPrimagonもガッチリあたります。
それから、今までは耐えていたのですがFlektogonも無限遠にするとあたります。
そのへん我慢できなくなりました。
これで「万事オーライ、α7だけでもいいんじゃ?」とも考えましたが、ここのところずっと5Dだったので、ちょっと撮影に違和感がありました。
やはりずっしり来るほうが撮りやすいかなと。
写りもちょっと5Dのほうがいいかなと。
また、近年のSNSでの写真掲載の急激な市民権獲得や、インバウンドで訪れる観光者の影響で、ここ一年で急激に街撮りがしやすくなってカメラが大きくてもみんなの警戒心が薄れたかなと思います。
ちょっと前まではかなり意識されたかと。
raw現像
現像は現在PhotoshopCC2017で、レンズの特性を写真に残したいので、露光量で明るさを揃える程度の調整のみに留めています。
比較写真などでは、ホワイトバランスを揃えることもあります。
絞り
開放F2.8とF8あたりで合う方を考えながら撮ってます。
シャッター速度
外の昼間が多いので、日差しの強弱や柔らかさやに応じて1/200〜1/1000ぐらい、コントラストを強く出したい場合などは1/2000ぐらいで撮ることもあります。
ISO
昼間なので、開放の場合はISO100ぐらい、絞った場合はISO2000ぐらいに行くこともしばしばかと。
それにしてもミラーレスのモニターの、露光量が算出された表示はありがたいです。
ちゃんとISOを加味した明るさでファインダーの中でも表示されるので助かります。
ホワイトバランス
外ではオートにしていることが多いですが、天気の悪い日や、自然光の入る室内などは固定にすることもあります。
マニュアルのケルビン(K)で合わせることは、室内でストロボ等を使う時のみです。
補足
記事中に話が出てくる、今回のレンズXenarと同じメーカーSchneiderのXenonの記事があります。
「分厚い色味と優しい線の絵画的表現力 Schneider Xenon 50mm 1966年製」
よかったら比べてみてください。
“おーいSchneider Xenar 50mmはよく撮れるよー!評判より断然いいレンズ。住みたくなる豪徳寺で試し撮り” のコメント
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こんにちわ。
Xenar 50mm F2.8のゼブラ柄。このレンズの評判や作例をあんまり見ずに、ほぼ、レンズ自体のデザインに魅せられて数か月前に購入しました。なのであまり持ち出せてません。
Canon 6Dでも、10m付近~∞だとミラーにあたりますし。だからと言ってライブビューで撮るのも味気ないですし。
ですが、少し前に、小雪の混じるような天気の日に持ち出した時は、自然な青味が強く出て、冷たさが強調され、出てきた画像にハッとしたのを覚えています。
夜明け前や日没後の、空が藍っぽい時間帯に使ってみるのもいいのかなーって思いました。
はらさん
こんにちは。
なんと、ライブビューという手があったんですね、汗
ぜんぜん気がつかなかった笑
でも確かにライビューは味気ないですよね。ファインダーのほうがピント面に集中する感じが楽しく思えるほうです。
そうですか青みが。シュナイダーのレンズなら色がのりそうですし、藍色の表現は面白いかもですね。
少し露出の確保は大変そうですが^^;