2018 / 01 / 27
存在感のあるデカいフレクトゴンを発見!ハレーションもすごい存在感でした。in 新宿御苑と近所 Flektogon 50mm F4.0
ヤフオクをなんとなく眺めていたら、見慣れたゼブラ柄のFlektogonの何やら無骨なモデルを見つけてしまいました。しかも手頃な値段。もはやコレは運命でしょう。
レンズとメーカー紹介
Carl Zeiss Jena / Flektogon Zerba 50mm F4.0
何種類かのフレクトゴンがある事は知っていましたが、汎用性が高いM42マウント以外はあまり試していませんでした。
とはいえ35mmのゼブラ柄は何度も使用していますし、リペア販売の定番アイテムにもしているお気に入りレンズですので別のモデルもかなり気になります。
このレンズに詳しい人間でもありたいと思いました。
かなり巨大な前面レンズでα7に装着するとこんな感じで、以前試したのVEGA-7よりわずかに大きいかもです。
そしてそのVEGA-7と同じようにすごいハレーションでした。
本日のアジェンダ
・標準画角のFlektogonの味わいを知る
・実は行ったことない新宿御苑へ
・自家製フードをつけて撮り足し
※撮影の順番としては先に新宿御苑に行っていますが、撮り足した写真のほうがもろもろわかりやすいので、撮り足した写真をメインに掲載しました。
序章 ハレーションが大問題
いきなり大問題です。
ハレーションがすごいのです。
バッグの中にあったファイルをレンズの横にかざして、ハレ切りをやってなんとか見れるレベル。
とはいえせっかくお金を払って新宿御苑に入ったのである程度の成果を持って帰りたいところ。
でも諦めて新宿の街中に移動。
公園のように開けた場所でなければハレーションしづらいかなと思いましたが全然関係ないようです。
レンズが大きい分ハレーションが起きやすいということなんでしょうか。
このくらいなら味付けにいいかもしれませんが。。
フードを強引に装着
撮ってきた写真を見直すと、ハレーションやら天気の悪さからくる彩度の低い写真ばかりで、とてもひと記事にはできないかなと思う写真群でした。
(iPhone撮りです)
なので考えたのは天気のいい日にフードをつけて追加撮影。
しかしウチにはFlektogon 50mmの86mmの径に合うフードなく、SAMYANG 85mmのフードで代用することにしました。
ねじ込み式ではなく、ハマらなかったので強引に養生テープで装着。更にデカくなりました。
これがかなり効果覿面。
フード装着でこの安定感。しかもこの日は天気がいい分、新宿御苑の時より色味も出てます。
これは期待が持てます。
ちなみにフードをはずすとこの状態。
光が直接レンズに来ていない窓際でこれだけ変わります。
このぐらいならロシアンホワイト的な白がかりが、写真をソフトに見せてくれる感じいいオールド感です。
フードをつけても路地裏等で光が均等になりやすい場所はやはりハレーション気味でしたが、ひとまずだいぶマシになったので、フードをつけて撮り直した近所と、フードをつける前の新宿御苑をいつものようにボケとシャープの項目で並べていきます。
ボケ味、フレーム周辺の描写、色味
いいんじゃないでしょうか。
Flektogonらしいかと言われるとよくわかりませんが、50mmの表現としてはまずまずな雰囲気です。
おー
ピント面のハロ具合、コントラスト、奥のボケ感などなどFlektogon 35mmっぽい感じがします。
やはりポイントはハレーションかと。
背景ボケのハイライト面はCarl Zeiss Jenaオールドレンズらしい感じもします。
もう少し花に光があたっていれば露出を落としたいフレームかと。
右上のハイライトがFlektogonっぽいです。そう考えるとピント面は35mmよりソフトでしょうか。
とはいっても工具のサイズが足りなかったので、全部のレンズは外せず内側のレンズに少し経年の曇りを感じるのでその分かもしれません。
新宿御苑 曇り
天気が悪さからか色味は映えませんが、描写としてはオールドらしい味わいが感じれていいのでは。
それにしても寒そうな写真です。
ベンチとその下の草です。
開放F4.0ですが最短撮影距離は50cmですので寄れば案外ボケます。
少しグルグルボケが出てますでしょうか。
明暗差をもっとつけたいフレームでしたが、そもそも天気がイマイチな日でしたので、コントラストをつけるのはちょっと無理でした。
ピント面の解像度、絞った際のシャープさ、収差
いいですねー
このシャープ感と柔らかさが表現できるなら、オールドレンズらしい良さがあると言えそうです。
水のきらめきのキツくない程度のシャープ感はフレクトゴンらしい気も。
古いレンズは古いものに馴染むような気もします。
ハイライトが飽和するより先にハレーションが暗部に回り出すような感じかと。ハレーションに起因するこう行った部分は、35mmのフレクトゴンと大きく違うところかも。
褪せた工業製品に合うのは35mmのフレクトゴンと同じようです。
奥のほのかなボケとパキっと写らない良さがシャープ感は優しい味わいの写真になりやすいのでは。
この色バランスやコントラストいいですね。
どことなくMeyer-Optikの古いレンズの描写とも似ているような気がします。
新宿御苑 曇り
天気がいまひとつでしたので、コントラストがついたメリハリのあるショットではないですが、反面柔らかいオールドレンズの風合いは見えるのではと。
試しにRawで締めてみます。
天気が良ければたぶんこの辺までは出たかと。
木のハイライト部分の優しさがいいですね。
室内でメインの光源が電灯なら案外安定しました。
松ぼっくりのシャープ感と、前後の素直なボケは安心して見られる表現かと。
これはパキっと撮れるレンズのほうがカッコいいかも。
少なくとももっと広角で撮りたい感じです。
購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考
Carl Zeiss Jena / Flektogon Zerba 50mm F4.0
最短撮影距離50cm、Pentacon Six / Kiev 60 マウント、羽根8枚、レンズ構成4群7枚、フィルター径 86mm、重さ480g。
前面レンズは手のひらぐらいの大きさで現代レンズと比べてもデカイほうでは。
見慣れたFlektogon 35mmと並べるとこんな感じです。
大きい方と思われるFlektogon 20mm でもこのぐらいです。大きさを感じてもらえるのでは。
1968年あたりの製造ですので、かなり規格外とも言えるのでは。
購入に際して
eBay価格だと送料を入れると30,000〜50,000円ぐらいでしょうか。Pentacon SIx マウントなのでちょっと扱いづらい割に値が張る印象です。
正直、相当のレンズヌマーでないとお勧めできないかと。
可能な限りリペアしましたが、肝心な前面レンズと内部が工具のサイズが合わず目指す状態では撮影にも挑めませんでした。
工具が汎用性のないサイズなのは万国共通かと思いますので、購入の際は状態に注意してご決断を。
中の作りは35mmのフレクトゴンと似ていましたので、バルサム切れやグリスの乾きでのヘリコイド不具合が注意したいところと思います。
自身でリペアしたレンズをヤフオク!に出品しています
バブルボケのトリオプラン 50mm M42マウントに改造【分解清掃・撮影チェック済み】Meyer Optik / Trioplan 50mm F2.9_07r
価格 : 14,800円
時間 :
2日
(03/20 20:05終了)
入札 :
0
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リペア・調整したレンズのみ販売しております。購入をお考えの方いらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願い致します。
マウントについて
マウントはPentacon Six / Kiev 60 マウント。
スラッシュで割ってあるのは呼び名が二つあるからのようです。
ウチにあるBiometarにたまたまこのマウントが付いていたので今回はそれを使いましたが、α7シリーズで購入する場合は、
Amazonだとこの辺かと。
向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして
ポートレートは苦しいですね。
でかくて携帯しづらいし、汎用性ないマウント、それほど特徴のある写りは期待できない気が。
歩いた辺り
200円払ってまで公園に行かなくても、40歳半ば近くなって実は人生初の新宿御苑。
園内広くて右半分しか歩いていないので、春になったら左半分も歩いてみたいです。
『新宿御苑』街撮りオススメ度★★★★☆=4
都心の中のオアシスとして有名な新宿御苑。
バカでかいレンズもここなら目立たないだろうと考えました。
天気が良くて、もっと緑の時期ならいいとこかもですね。
ちょっと寂しい趣の日でした。
誰が置いたか狙いとしか思えないような小さな本。
新宿御苑のベンチと文庫本。合います。
ちなみにタイトルは『十津川警部「初恋」』
天気の悪さもこの感じだと少し乙な気もします。
まっすぐにそびえるDoCoMoタワーが、歴史深い池の水に揺らめくのは新旧の交わるいい味かと。
せっかくなので、らしいもの食べて休憩。
「ようこそ新宿御苑へ」としたほうがいいのではと思ってしまうのは制作屋の性です。
絵的には美味しそうな甘酒ですが。もうひとつ手は伸びませんでした。
新宿の裏通りを街歩きしたのは初でしたが、案外いい味の場所多いですね。改めてふらふらしてみたいです。
ネオンのイメージと反して、ビルは結構古くなっていて光が穏やかに反射していい裏通りに思えました。
別のレンズでまたぜひ歩きたいと思います。
撮り足しの近所歩き
1月のあの大雪が降った2、3日あとに歩きましたが、まだ結構残ってました。
雪の反射が結構あった分、コントラストは上がったかもしれません。
撮影カメラ情報
SONY α7
Raw現像
現像はAdobe BridgeCC2017で、レンズの特性を写真に残したいのでコントラストや彩度等、一切いじらず、ノー調整、ノーフィルターです。
たまに露光量で明るさを揃える程度に留めています。
カメラの設定
絞りは、F4.0〜F5.6ぐらいを動かしてました。ハレーションはF8.0あたりでも全然おさまらなかったです。
シャッター速度は新宿御苑は1/400のぐらい、後日は1/1000ぐらいだったかと。ISOはそのフレームに応じて明るさを合わせる感じで使います。
ホワイトバランスは、最近ずっと「オート」でした。
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