2016 / 05 / 19
ズミルックスの至高のボケ この上なく繊細で柔らかな線 Leica Summilux 50mm F1.4 ASPH
レンズとメーカー紹介
会社名を知らなくてもロゴを見せるとほとんどの人が知っている、世界的なブランドLeica。
このLeicaのレンズがSonyのαシリーズ(最初はNEXシリーズ)で使えるようになったことが、カメラの歴史のひとつの革命的な出来事かと思います。
Summilux Leica 50mm/F1.4 第4世代 ASPH 非球面レンズ 2004年
ぜひ一度はLeicaを。
撮り比べるとわかります。
本日のアジェンダ
・ウチの家宝になりつつあるレンズSummilux。仕事やポートレートでは大活躍ですけど、そういえば街撮りの写真がないので、外での可能性も探したい。
・最近絞りでの描写の調整がやっとわかってきたので、F1.4の恩恵を試したい。
・ヘリコイドマクロを使って接写の味にも挑戦。
線の太さ、シャープ
いやー素晴らしい。
やはりライカ。
思えばこのレンズを買って、一眼レフ用の大きいレンズがすべてでないことを知ったのが、オールドレンズ沼の始まりだったのかもしれません。
優しい描写の細かな線で書いた絵のようにも見えます。
シャープとかいうより優しい細い線といえるかと。
また、自分がLeicaレンズによく使う表現として「映画っぽく撮れる」があります。
説明が難しいのですが、フィルムのような質感というか、他のレンズと比べ白の表現にだいぶ違いがあるような感じです。
ピント面は繊細に表現しながらも、ボケは豪快で柔らかく、ハイライト部分の白の溶け味が素晴らしい。
ボケ味
玉ボケはF1.4〜F4.0ぐらいががっちり出る感じでしょうか。
周辺では少しひずみますが、正円に近く、すっきりとした清潔感があります。
奥の存在を出しつつぼかしたい時はF4ぐらいでしょうか。
滑らかなリングは、スイスイと動いて、ボケとピント調整がとてもスムーズです。
花のいくつかにピント面を広げるならF8ぐらいまで絞ればOKではと。
こちら二枚は開放F1.4と、完全に絞ったF22を比べてみました。
さすがに絞りすぎですが、特にハイライト面の変化が面白いのではと。
色味、フレア、ゴースト
絞り開放にした逆光気味で、周辺光量落ちと中心部のコントラストがまた美味しい。
周辺光量落ちはこのレンズに限った現象ではないですが、Summiluxだとここでも映画的な雰囲気の味付けになるかと。
白とびの仕方は、スッキリと柔らかさを残したまま溶けていく感じで、ロシアンレンズとはまたちがうホワイトの素晴らしい風味では。
ロシアンホワイト代表格のHelios44とJupiter9
購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考
購入はカメラマニア御用達ショップ、Map CameraのLeicaフロア。
綺麗な店内で丁寧な対応が、高いレンズのオーナーになる感覚を拡張させてくれるお店です。
評判通り少し相場より高い感じはするのですが、その分品質の安心があるとは思います。
中古がほとんどで価格の高いLeica市場で、品質の信頼は大きな価値なのかと。
最短撮影距離は50cm。
第4世代 ASPH 非球面レンズ。確かに平らな感じのレンズです。
Summilux Leica 50mm/F1.4 Leica Mマウント 2004年
マウントは今のLeicaの支流のLeica Mマウント。Bayonet マウント型のガッチリはまるやつです(M42はスクリュータイプで、ネジのようにくるくる回していれるやつ。「Leica M」「M42」はマウントの種類で「Bayonet」「スクリュータイプ」は方式。)
上記マウントはヘリコイド付きなので、少し寄れます。便利です。
この存在を最初から知っていれば、普通のマウントは買わなかったんですが。。
また、eBayでの価格も結構高いものが多いです。この価格帯の中古をネットで買うのはなかなか勇気がいるのでは。
上手く撮れたと思う写真の振り返り、分析
扉に使ったこちら。
楽しい時間でした。
夕暮れの逆光なので、明るさの割に日差しは強くなくて、花びらとの境も破綻がなく、少し変わったニュアンスに撮れたのではと。
でもこちら本来の最短撮影距離50cmでは撮れない絵です。
そこで本領発揮の上記ヘリコイド付きマクロマウント。
素晴らしい。
少し足りない写真の反省、分析
こちら、実際はもっといい存在感だった気がするんですが、もうひとつつまらん絵です。
もっとぼかした方がいい気もしたんですが、ノブの質感や矢印をきちんと入れたかったので、少し絞ったら後ろの存在感も強くなりすぎてしまった気がします。
後ろの壁のテクスチャの存在感に気がつければ、もっとぼかしていたのかも。
向いている撮影の方向性、ポートレートとして使う場合は?
もともとずっとポートレート用として使っていました。
人の肌が抜群に柔らかく出て、なんとも優しげな写りになります。
ちまたの評判通り、なんでも撮れる優秀なレンズなのではと。
撮影情報
カメラはSONY α7Ⅱ、画質はraw非圧縮、現像ソフトはPhotoshopCS6で写真によっては多少「露光量」「白レベル」を調整していますが、そのままの撮って出しも多いです。
絞りは開放から2、3段上のF1.4〜F8ぐらい、写真によっては試しにF16まで、シャッター速度は手ぶれを考慮して1/100を軸に、少し風がある場合は草花が結構ぶれるので1/200ぐらい。
ISOは基本50にしておき適宜シャッター速度と絞りで明るさ調整しています。
ホワイトバランスは最近、プリセットの「日陰」と、「曇り」を使い分けてみています。あえて影に入っている花を撮ったりすることが増えたので、そこを軸にしていると「日陰」「曇り」あたりがいい状態で撮れる気がします。自分で色温度を合わせるとどうもいつの間にか偏ってしまう気がします。
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