2017 / 05 / 21
近距離のボケと階調表現が素晴らしい後期フレクトゴン Flektogon 35mm F2.4 黒鏡筒 in 井の頭公園
Zeissのオールドレンズで必ず試すべきFlektogon。その最終3代目の黒鏡筒を手に入れました。35mmと街撮りに最適な画角を井の頭公園で試します。
レンズとメーカー紹介
M42 Carl Zeiss Jena DDR Flektogon Black 35mm F2.4
単焦点オールドレンズの広角の中でも、安定した写りと接写が可能な万能レンズとして有名なフレクタゴン。
去年オールドレンズ始めた当初にゼブラ柄の二代目フレクタゴンを手に入れて、使い勝手の良さから日常でも頻度高く使用しています。
東ドイツのCarl zeiss jenaのレンズであったためか東西の統合でそのブランドは消滅してしまったようで、オールドレンズを語るのに知っておかないといけないレンズとして尚のことオススメしたいレンズです。
このブログでもよく読まれている記事で、ヘリオスに続いてずっと二位の座にいることからも、その衰えない人気を伺えます。
その人気と実用性も踏まえ、世代違いのフレクタゴンの黒鏡筒を試してみようと考えました。
本日のアジェンダ
・35mmのフレクタゴンの三代目の実力を測る
・人生初の井の頭公園を堪能する
ボケ味、フレーム周辺の描写、色味
ピント面はシャキッと写り、ボケは絵画のような味を持ちつつ柔らかく溶ける素晴らしい描写です。
開放F2.4でもピント面のこれだけシャープさを保てるオールドレンズは、本当に少ないと思います。
風景から接写まで対応する万能レンズではと。
タンポポにこの距離まで寄れ、地面がとても綺麗にボケてます。
これでもタンポポの種全体にピントがくるようにF4.0ぐらいに絞ってます。
シルプルな花撮りでも素晴らしい表現力。
前のボケも後ろのボケもとても綺麗でピント面がすごく引き立ちます。
暗部の色のりも十分で万能過ぎて怖いくらい。
こちら桜ではなく、小さな白い花が降り積もっていて、風が吹くと小さな白い花が舞う美しいショットのはずだったんですが、流石にフレクタゴンでもなかなか難しかったです。花が小さいのでそもそも無理があるとは思いますが。
スタンダードな撮り方で道端の花を。もう何も言うことはない安定感です。
ピント面やコントラスト、ボケは現代レンズぽい感じもありオールドさはさほど際立ちませんが、ハイライトのボケの飽和感は特にオールドらしさがあるのではと。
ボケの部分の中間調からハイライトにかけての部分カクンと破綻していて、表現仕切れていないのですが、逆にそれがいい味かと。
結局メインはピント面なので、そこを補佐するボケの部分、雰囲気があれば良くて、その表現としてフレクタゴンのボケは素晴らしいバランスかと。
ピント面の解像度、絞った際のシャープさ、収差
この項目は大体F8.0で撮っています。
シャドウの締まりからハイライトの抜けまでの階調表現が素晴らしく綺麗に表現され、最後のハイライトが溶けるところの飽和具合がまた美味しすぎです。
どうしてここまでレンズによって違うのか楽しくて仕方ありません。
程よいシャープさと、濃いめの色のり。三代目黒鏡筒のほうがやはり安定はしているでしょうか。
似ていると噂の二代目ゼブラ柄よりしっかり写る印象です。
また、去年の投稿したFlektogonの写真はゼブラ柄の別のレンズで、SONYのα7Ⅱで撮っていたので今回の5DmarkⅢとは幾分カメラ側の描写も違うかもしれません。
実際すぐわかるところとしては、5DmarkⅢのほうがISOの感度に余裕があり、明暗の表現に幅がつけやすいと思います。
それにしてもこの日のこの公園とFlektogon 35mmの相性がちょうどいいバランスでした。
景色を多く撮りたい場所で、たまに寄りも撮りたいと、これ以上のオールドレンズはないかと。
シャドウに締まりあるレンズは他にもあるでしょうが、フレクタゴンはハイライトの飽和具合がオールドレンズとしての良さの特徴を持っているような気がします。
ハイライトが破綻するときの少し飽和したような味が、結果、シャドウ部の淵などに入るとコントラストが絶妙のオールド感、フィルム感になるかと。
去年、ゼブラ柄のフレクタゴンで好んで撮ったようなフレーム。この辺の感じは全く同じような気が。
もし、もう少しハイライトが破綻した感じにしたい場合は、ロシアンレンズMir-1のほうがいい感じになるかとも思います。
フレクタゴンで撮ると、とにかく暗部を生かしたくなります。
まるでモノクロのように、シャドウから抜けのハイライトまでのコントラストが美しい。
購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考
Carl Zeiss Jena DDR Flektogon Black 35mm F2.4
M42マウント、最短撮影距離20cm、およそ1978年製、6枚羽根、236g。
絞りは第二世代のゼブラ柄まではF2.8でしたが、この黒鏡筒はF2.4で少しボケに余裕が出ています。
また、今回の第三世代はありがたいことに5DmarkⅢでミラー干渉しません。
前世代のシルバー鏡筒とゼブラ鏡筒は両方とも5DmarkⅢではミラー干渉がありα7などでないと安定して使えませんが、この黒鏡筒は問題ないです。
他のメーカーの準広角オールドレンズMir-1 37mm新旧、Primagon 35mm、Curtagon 28mmなど軒並みミラー干渉がある中で、このFlektogonは5Dで使えるのはありがたいです。
購入はeBayで2,037件の取引履歴で100% Positive feedbackととても優良店のhill-walker。
商品説明は絞りは滑らかでポジティブです。 ガラスに傷はありません。 絞りは心地よく軽快に動きます。
リアのレンズキャップは付属しています。フロントキャップはありませんがフィルターをつけています。ピントヘリコイドは、部分的に「乾燥」しているように感じます。おそらく新しい潤滑剤をつけたほうがいいでしょう。
写真が4枚と少なく、中山が重要視する絞った写真がありませんでした。
あまり見たことがない業者名で少ない掲載写真がマイナスイメージでしたが、手頃な価格帯でbidが止まっていること、ネガティヴ面の説明が出ていることと、2,037件の取引履歴で100% Positive信じ購入に踏み切りました。
届いたレンズはいい感じで、ピント・ヘリコイドは全然気にならず、むしろ外観が写真より経年劣化を感じるかな程度でした。
中山的にはとにかくちゃんと写ればいいので、曇ってなく、レンズに傷があっても写りに影響しなければ全然OKです。
購入に際して
シルバー鏡筒とゼブラ柄は同じぐらいの価格帯で、今回の黒鏡筒は安定した写りからか¥5,000〜¥10,000ぐらい割高かと。
eBay市場価格だと¥20,000円〜¥30,000くらい、ヤフオクだと¥30,000〜で程度がいいと¥40,000くらいのものもあるようです。
レンズの良さからなのか比較的状態の良いものが多く出回っているような気がしますので、予算を状態に合わせやすいレンズの気も。
長く使うつもりでじっくり程度の良いものを探したほうがいいレンズかとも思います。
マウントについて
Canon 5DmarkⅢ(Canon EFマウント)、SONY α7(SONY Eマウント、NEXとも言う)では問題なく使えました。
5DmarkⅢはFlektogonの前バージョンのZebra柄までのものは無限遠付近でミラー干渉しますが、今回の黒鏡筒モデルは問題ないです。
近頃人気のOlympus OM-DやPEN、Lumix系はこの辺かと。
また、このOlympus OM-DやPEN、Lumix系の規格は35mmの広角オールドレンズは約70mmぐらいの望遠画角になりますのでご注意を。
マウントはカメラによって干渉等でうまく使えないこともありますので、ご自身のカメラでの使用の参考としてください。
また初心者向きの内容で、マウントについての記事を書きました。マウントに疑問点がある方はぜひ。
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リペア・調整したレンズのみ販売しております。購入をお考えの方いらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願い致します。
フレア、ゴースト、ハレーション
49mm径のゴム製のフードを購入したおかげか、ハレーションが気になる写真はありませんでした。
Flektogon3代目のコーティング優秀なおかげもあると思いますが、逆光でもここまでコントラストを保っています。
正直、フードは邪魔であんまり好きではないんですが、最近、写真の細かい部分が気になってきて、太陽の向きとかハレ切りだとか気にするぐらいならつけようと買いました。
Amazonレビュー通り高級感はありませんが、ゴム製のためぶつけてもOK!フードの高さを調整少し可能!汎用性高い49mm!は使いやすいです。
また、フード購入で初めて所有のレンズのフィルター径を調べましたがほとんど49mmでした。
それもありがたいことにみんな同じような仕様で、今のところ全部装着できます。
フタは色々違いがあって面倒ですが、オールドレンズのフィルター系の規格を統一してくれていたとはありがたい話です。
上手く撮れたと思う写真の振り返り、分析
まさに35mmぽい構図で、Flektogonの描写の味も出せているし、瞬間としても好きな感じです。
この方、絵を書いていて、景色を確認した瞬間だと思います。
斜めの麦わら帽がとても美味しい。
向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして
前から35mm画角でのポートレートを、一度がっちりやってみたいとは思っているのですが、ポートレートとしては引きだと顔がよく見えないし、寄りだと歪みやすいですので、なかなかチャンスがないです。
歩いた辺り
『井の頭公園』街撮りオススメ度★★★★★=5
街ではなく公園ですが、まあ駅からすぐですし街の一部ということで。
前回の久我山は降りずに、そのまま井の頭線に乗り続けました。
細かいこと気にせず歩みがなんとなく続いていればイイかなと。
ホントは吉祥寺へ行ってみようと思ったんですが、各駅だったため井の頭公園駅にも停車。
「こんな所にあったのか」と、駅の落ち着いた雰囲気に誘われ下車しました。人生初の井の頭公園です。
ここは本当にイイとこですね。
友達の話でもイイところだと出ていましたが、なんでしょう、千葉の片田舎の出身者には、東京の一歩入ったエリアに土地勘がなくどこも凄く遠くに感じるみたいで、なかなか足が向かない場所でした。
千葉の常磐線エリアの出身なので、東京は上野が入り口で、オフィス街のエリアを抜けた後、やっと新宿や渋谷なので、よっぽどでないとその向こうのエリアには行かないのです。
行ったとしてもピンポイントなので、東京の大きな駅と土地勘が余り繋がらない感じです。
そんな感覚が、東京に住んでからも続いている気がします。
池だけじゃなく、歴史物や、動物園まであって全部回りきれないので、またそのうち来ようかと思います。
ゆかりの記念碑的なものも多く、確かにここで和みたくなるいい場所ですね。
何よりここでポートレートやりたいですね。遠景も使いやすそうだし、木々の高さと重なり具合が、木漏れ日や、光のディフューズにちょうどいい感じで、いいポイントが多そうです。
撮影カメラ情報
Canon 5D markⅢ
カメラは5DmarkⅢ、画質はraw非圧縮撮影のみでjpgを残してません。
またカメラのモニタでの確認って、画面が小さい分、写真がギュッとなってしまってアテにならないことが多いので基本的に露出の確認にして、構図などはファインダーで見ているフレームを大切にするようにしています。
Raw現像
現像はAdobe BridgeCC2017で、レンズの特性を写真に残したいので、調整は露光量で明るさを揃える程度に留めています。
カメラの設定
絞りは開放F0.0〜F8.0ぐらい、シャッター速度は1/1000を基準に絞った時は1/400のぐらい、ISOはオールドレンズのためカメラの露出測定は絞りに応じてかなり曖昧なので撮ってみて合わせる感じです。
ホワイトバランスは、外ではほとんど「オート」です。
補足
ゼブラ柄もまだ持ってまして、時折使ってます。
そのゼブラ柄で撮った街撮り記事は2記事あります。
「噂通りの名玉 色乗りの良さとシャープな線 Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm Zebra」
「厚く深みのある色味とオールドの風合いが掴めてきた!」
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