2016 / 04 / 19

Digital Camera

噂通りの名玉 色乗りの良さとシャープな線のフレクトゴン Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.8 Zebra M42

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レンズとメーカー紹介

名門Carl zeissの「Jena」とつくのは、統合前のドイツの東ドイツ側のZeiss。この辺の細かい話はまだ覚えきれないのですが、ゼブラ柄のこのレンズはFlektognの2代目であることは間違いないみたいです。

Flektogon Carl Zeiss Jena 35mm/F2.8 M42  Zebra about 1972
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ZeissのオールドレンズというとTessar型、Biotarコピーなど、見本となるような位置のレンズの話がよく聞かれ、いつかは試すべきかと思っていましたが、ついに1本目の購入です!

歩いたあたり

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本日は築地駅奥の、家屋の工場が残っているあたり。たぶん築地市場に並べる加工品を作っている店が多いのではないでしょうか。

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10年ぐらい前にこの辺に勤めていたことがあって、コンパクトカメラを持ってフラフラしていたことがあり馴染みが深い一角です。
昔ながらの作りの家や、町の作りが光に味を作ってくれる感じでいいところです。

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天気は曇りでしたが、光がレトロな感じに馴染むちょうどいい具合で、猫にも3匹も会えたし、いい街歩きでした。

色の表現

コントラストが強い!
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第一印象はこれに尽きます。

ですが、何枚か撮っていてわかってきたのは、コントラストが強いというよりは、暗い場所での明暗差に強い気がします。
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彩度が落ちないというか、明るい箇所は色味が残るというか。

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なので全体が明るい場合は、それほどコントラストや色味が際立つような気はしません。

線の太さ、シャープ

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ピント面の線はシャープ、ボケに近づいていくと太くなっていくような感じでしょうか。

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今時の35mmと比較すると、近距離のほうで味が強く出る気がします。

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絞った時の絵は凡庸な感じもします。

ボケ味

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近い位置にピントを持ってくると思いっきりボケます。開放F2.8の数字のイメージよりかなりボケる印象です。

綺麗な柔らかめの玉ボケに思えますが、
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奥との距離感によっては少しグルグルボケ感も出ました。

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とはいえボケるのは、かなり寄った場合の背景で、少し距離が出ると一般的なF2.8の質感になるのかと。

また、最短撮影距離が20cmとなっていますが、実際は10cmぐらいまで寄れる感じで、だいたい50cmを超えたあたりから一気にボケ始めるような気がします。

このぐらいの距離感ではあまりボケません。
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Schneider Kreuznach 「Curtagon」35mm/F2.8が同じような仕様で描写も近い感じもしますが、上記ボケの感じはだいぶ違う気がします。

白の具合、ハレーション

開放付近の明るめ、ざっくりのピント
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追いかけながらの撮ったので、ピントもろもろが間に合ってないですが、白の飽和具合とも相まってこの質感とてもオールドっぽくて好きです。

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案外ピントが甘いくらいのほうが、写真としては雰囲気がでていいんじゃないかとも思いました。
そこまで表現の幅とするのもありかなとも。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

romansite という 100% Positive feedback 業者から購入。
商品状態をざっくり訳すと、「光学系はOK。傷やカビ、クモリはなし。小さいホコリ少しある。フロント側とてもいい。リア側に中にコーティングマークあり。1mmぐらい。かろうじて気づく程度。フォーカスリングは、まあまあスムーズで合理的な範囲で正常。フィルターマウント周辺は少し凹みがあるが、フィルターをつけるには問題ないと思う。絞りはパーフェクトな動き。羽根の跡少しある。キャップはないけどリアカバーと49mmのフィルターをつける」

といった感じで、ほぼこの通りの状態でした。

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→ eBayのFlektogon市場
名玉とネットで見かけるだけあって、確かに今まで購入したオールドレンスの中でもレベルが高いほうだと思いますが、レンズの質に比べ値段はでお手ごろではと。持っているレンズの中でもコスパが高いほうだと思います。

また、絞りの関連のバネ等が多少複雑そうなので、分解清掃はちょっと簡単にはいかなそうです。
Zeissの古いレンズはバルサム切れで簡易清掃では落ちないクモリの問題も多いようなので、購入時のくもり(haze)の記載は気にした方が良さそうです。

マウントについて

 


SONY α7Ⅱ(SONY Eマウント、NEXとも言う)では問題なく使えました。


近頃人気のOlympus OM-DやPEN、Lumix系はこの辺かと。
また、このOlympus OM-DやPEN、Lumix系の規格は35mmの広角オールドレンズは約70mmぐらいの標準画角になりますのでご注意を。

 


Canon 5DmarkⅢ(Canon EFマウント)だと無限遠に近づくと結構ミラーに干渉します。近距離、中距離ぐらいなら使えます。

マウントはカメラによって干渉等でうまく使えないこともありますので、ご自身のカメラでの使用の参考としてください。
また初心者向きの内容で、マウントについての記事を書きました。マウントに疑問点がある方はぜひ。

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上手く撮れた写真の振り返り、分析

「白の具合、ハレーション」の項でも書きましたが、ピント合わせや光量調整が間に合っていないんですが、この写真のオールド感好きです。

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また、ちょうど線の上に乗ったタイミングが、視線の補助になって左下への興味がそそられる気がします。地面の丸みか、レンズの歪みか、線がほのかに曲線なのも、小さく写っている猫の顔の表情を想像させる感じも。

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その目線のラインと、格子状の蓋と、猫と、マンホールの蓋と、緑の金網のラインも交わりが綺麗です。

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いやここの手前のラインのほうが猫の視線と相まってるのかも。

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ちょうど三等分の対角線でもありました。

少し足りない写真の反省、分析

横の構図で収まらず、道が狭く退がれなかったんで距離感はこの辺が限界。

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縦にすると、辛うじてフレームに収まったかと思いましたが、取り込んでみると、う〜んって感じですね。
28mmのぐらいの画角だったらうまくいったんでしょうか。それかこういう絵は、後ろに余裕を持った状態で、中望遠なのかなとも思います。

向いているレンズの方向性、ポートレートレンズとして

ほのかなグルグルボケと、暗いところの明度と色味は、肌に辛うじて明るさを保てればポートレートでもいけるかなと思います。

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明るい場所でふんわりのポートレートには向かないかなとも。

反面、料理関連の取材等での近距離、照明があまりよくない状況などはかなり頼りになりそうです。

撮影情報

カメラはSONY α7R、画質はraw非圧縮、現像ソフトはPhotoshopCS6で写真によっては多少「露光量」「白レベル」を調整してますが、そのままの撮って出しも多いです。

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絞りは開放から2、3段上のF2.0〜F6、シャッター速度は手ぶれを考慮して1/100を軸に、明るすぎる時は1/400ぐらい、動きの速いものは1/800ぐらいで明るさはISOで補充、ISOは基本50にしておき適宜シャッター速度と絞りで明るさ調整してます。

ホワイトバランスは外の場合大体オートです。特に雲がまばらで日が出たり入ったりの時は撮るたびに調整してると大変な手間なのでオートで標準です。また仕事等で室内スタジオの時は、きっちり数値で合わせます。

補足

Flektogon 35mmをもうひと記事書きました。
厚く深みのある色味とオールドの風合いが掴めてきた!

20mmのFlektogonも買いました!
ひときわ目を惹く大きなレンズの超広角

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