2017 / 08 / 30

Digital Camera

初代フレクトゴン Flektogon Silver 鏡筒 オールドレンズの銘玉を味わい尽くす 35mm F2.8 in 中野

初代Flektogon Silver  35mm F2.8

銘玉と呼ばれ、人気も高く信頼度の高いZeissのFlektogon。中山も大好きなレンズで、街撮りを重ねるごとに染み出す味わいに舌鼓を打つようです。そして今回はそのFlektogonのSilver鏡筒を持ち出しました。

レンズとメーカー紹介

Flektogon Silver 35mm F2.8
初代Flektogon Silver  35mm F2.8
銘玉の呼ぶのにふさわしく、寄れてボケて強めのコントラスト、そしてハイライトへの飽和感のオールドらしい味わい。
さらに現代レンズに比べて安価ということで、コスパも最高で人気が上がるのは当たり前のような結論かと。

これまで黒鏡筒F2.4、Zebra柄の記事を書いて来ましたがSilver筐体は初で、何よりマトモに撮るのも初です。

本日のアジェンダ

・少し古めのSilver鏡筒は、Zebra柄などの後期型とどの位違うのか
・中野の飲み屋街を歩き尽くす

ボケ味、フレーム周辺の描写、色味

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
レンズに多少清掃傷がありましたが、キチンと清掃してから持ち出したのでクリアでいい感じです。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
右上の白い半丸は完全にゴーストです。
この日の撮影は日差しの強い夕方でしたので、シルバー筐体では光の影響を受けやすいようですが、それはそれで楽しい日差しでもありました。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
やはりZebra柄のフレクトゴンと似た雰囲気を感じます。
まあ外観こそ違えど、レンズ構成やレンズの鏡筒部分はZebra柄とそっくりでしたので当然かとも。ちなみにヘリコイドや絞りの機構部分は全然違いました。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
ボケの飽和感は年代分の古さもあってかシルバー鏡筒のほうが強いでしょうか。
レンズ沼住人目線の細かい範囲ではありますが、この飽和感が好きな人には美味しいレンズかと。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
とはいえ、近めのピントでのシャープさやボケ感はZebra柄そのままな気がします。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
うむーまさに昭和の映画のようでは。
このボケ感はホント楽しくて開放ばかりで撮ってしまいます。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
とはいえ、このくらいで少し離れて甘めになる感じがこのシルバー筐体の持ち味かもしれません。
シャープさを狙う年代のレンズではないですし。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
お店のレトロな雰囲気とこの距離感の甘めのピント感がぴったりかと。
画角は違いますが、感覚的にJupiter-8と近いかもしれません。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
それから、最短撮影距離が33cmと指標に書いてありますが。実際はそれよりピントヘリコイドが回りますので、後期のものと同じように20cmぐらいまで寄れると思います。

ピント面の解像度、絞った際のシャープさ、収差

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
絞り開放近くでも、割とくっきりのシャープな描写ですごく撮りやすいです。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
とはいえ、開放のままで距離が出ると一気にピンが甘くなるような感覚があります。
この味はとても好きですが、記念写真的なものを撮るなら気をつけないとピンボケ気味になりそうです。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
このくらいの距離感ならピント面が結構立つような印象です。
開放で近くで撮ると周辺光量落ちと相まってフィルムっぽさ満載で楽しいのでは。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
2、3メートル離れるとホワッとして来ますかね。
レンズの状態のせいかもしれませんが、1960年代初頭の味と言ってもいいのかなとも思います。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
日が入ると一気にノリが良くなってくるというか、粒が出てくるというか、ホワッとしてくるというか。
光が回りやすいシルバー鏡筒のイメージ通りなのかもしれません。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
こちらとかは一見するとピント面がわかりづらいのではと。
自転車の三列目あたりにピントを合わせた気がするんですが、わかりづらいです。
でもフィルムっぽい感じはかなり美味しいのかもしれません。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
なるほどなんとなくわかった気がするんですが、光の当たる部分はピント面でも甘くなるのではないかと。
どうやら強い光源があるとピント面が飽和しやすいのでは。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
こちらとか陽のあたっている自転車のサドルにピントを持ってきていますので、多分、光の当たるところは甘くなるのは間違いないのではと。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
このくらい近いとやはりグッとシャープです。
直接の光がないところなら割と安定したピント面になるような気がします。

購入経路、リペアや汎用性、購入時の参考

Flektogon Silver 35mm F2.8
初代Flektogon Silver  35mm F2.8
M42マウント 最短撮影距離35cm およそ1960年製 絞り9枚羽根 5群6枚レンズ構成 フィルター径49mm 重さ約188g

購入したのは、購入時eBayで1601件 100% Positive feedbackの4473waldemar。

掲載写真は外観引き目の3枚で、絞りやレンズの状態はほぼわからず。
品説明はVERY NICE condition / glass in super nice / カビなし、小さな塊や曇りもなし ,フロントも中も後ろも傷はなし、 … いくつかのチリはある。絞り羽根にオイルはない。上品に使われた兆候のボディ。

いま見返すと、なんで買ったんだろうの内容で購入価格も結構それなりです。
届いたものはぼちぼちですが、レンズに小さなコーティング擦れや清掃傷がぼちぼちあり、正直価格とは合ってないかと。

まあ購入したことろはまだリペア販売をしていない頃なので、目利きが上達して今振り返ると未熟だったと思えるということなのかも。

購入に際して

eBayだとみんなsilverの文字をタイトルを入れていないみたいで、地味に探すしかないみたいです。
送料を入れると15,000円〜25,000円ぐらいでしょうか。ヤフオクなら30,000円〜ぐらいかなと。

あまり状態が良くないものが多いようですし、Zebra柄に比べて個体数が少ないようなので、買う場合はある程度予算に余裕を持って、根気よくいい状態の筐体を探したほうがいいのではと思います。

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マウントについて

 


SONY α7(SONY Eマウント、NEXとも言う)では問題なく使えました。


近頃人気のOlympus OM-DやPEN、Panasonic Lumix系はこの辺のM42 → M4/3マウントです。
またM4/3は35mmの広角オールドレンズは約70mmぐらいの標準画角になります。

 


Canon 5DmarkⅢ(Canon EFマウント)だと無限遠に近づくと結構ミラーに干渉します。近距離、中距離ぐらいなら使えますのと、その辺でライビューに切り替えれば無限遠でも撮れます。面倒ですが、、

マウントはカメラによって干渉等でうまく使えないこともありますので、ご自身のカメラでの使用の参考としてください。
また初心者向きの内容で、マウントについての記事を書きました。マウントに疑問点がある方はぜひ。

向いている撮影の方向性、ポートレートレンズとして

ポートレートだと、ちょっと日が当たった時のピントの甘さに難儀しそうです。
短編映画とかの映像に使うのは面白いのではと思います。

絞りの比較、撮り比べ

絞り F8.0
初代Flektogon Silver  35mm F2.8
割とピント面が近く、F8.0に絞ってのいい奥行きの表現ができたかと。

絞り開放 F2.8
初代Flektogon Silver  35mm F2.8
なんだか神々しい自転車になってます。夕暮れ時は面白い効果で撮れるレンズなのかもしれません。

歩いた辺り

初代Flektogon Silver  35mm F2.8

『中野』街撮りオススメ度★★★★★=5

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
やはりブロードウェイ周辺かなと、北口のサンモール商店街から延びる小道を、右へ左へ行ったり来たりしてみました。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
どの通りも雰囲気があって、とても街撮りしやすいところではと。
ゆっくり歩いたらこの区画だけでも1日かかりそうです。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
数えるほどしか飲み屋に入ったことしかありませんが、夜歩くより焼肉屋さんが目立つような気も。
焼き鳥と同じようにいっぱいあった気がします

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
暮れはじめた太陽と通りの向きがバッチリでした。
この時期の夕方はこの辺りの狙い目かもしれません。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
店の反対側の路地の奥とかに、こう言った感じの場所が所々にあった気が。ビール好きにはこういうのたまらんです。そろそろ街歩きに飲んでしまいそう。
一応、撮る時は飲まないことにしています。集中力がガクッと落ちるタイプと自覚しております。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
なんだか香港の古いマンションのような雰囲気です。
昔、香港をブラブラした事があるんんですが、その雰囲気を思い出しました。また行ってがっちり街撮りをしたいかも。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
ちょっとココは暗かったですが、いたるところ味のあるものがあって写真ポイントだらけでは。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
中野のここのロッテリアだけの「コアラのマーチ焼き」らしいです。
会計は別ですが、レジのエリアにあってファーストフードの中にある焼き場がちょっと異質で笑えます。

初代Flektogon Silver  35mm F2.8
なんかイメージと違う輪郭な気も。

撮影カメラ情報

SONY α7

初代Flektogon Silver  35mm F2.8

Raw現像

現像はAdobe BridgeCC2017で、レンズの特性を写真に残したいのでコントラストや彩度等、一切いじらず、ノー調整、ノーフィルターです。
たまに露光量で明るさを揃える程度は調整します。

カメラの設定

絞りは、フレクトゴンの開放は楽しすぎてほとんど開放F2.8でしたが。後半は意識してF8.0を多めに撮りました。
シャッター速度は、日が強かったのもあって1/1000〜1/2000ぐらいでISOはそのフレームに応じて明るさを合わせる感じで使います。
ホワイトバランスは「晴れ」でした。

補足

Zebra柄のFlektogonの記事、
噂通りの名玉 色乗りの良さとシャープな線 Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm Zebra

後期のBlack F2.4の記事、
近距離のボケと階調表現が素晴らしい準広角 Flektogon 35mm F2.4 黒鏡筒 in 井の頭公園

超広角の20mmの記事もあります。
Flektogonの20mm ひときわ目を惹く大きなレンズの超広角レンズはどのくらいの安定度?Carl zeiss jena

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